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アパートを探すまで

(サンフランシスコエッセイ続き...)

 住居の話。大学の寮や語学学校提携のホームステイなら学校付属なので住むところはすぐ見つかるが、実際にサンフランシスコでアパートを探すのは至難の業だ。学内やスーパーなどに貼られた広告を探して連絡したり、Craigslist(クレイグズ リスト)というサイトのhousing(ハウジング)の広告を片端から見まくって、自分にあう広告を探してきて、相手にメールや電話をして、返事があれば実際に会う約束をして家を見て廻る。ルームメイトやシェアハウスの募集の時は、就職活動の面接のように、自分と住人が合うかどうか、住むのに適しているかいろいろと質問される。選んでくれる時は後日返事をくれるが、合わないと判断された時は、返事をくれない場合も多い。しばらく待って連絡がなければまた降り出し。一人部屋を探す場合は、不動産屋やアパートのオーナーに直接部屋を見せてもらうが、その時はもっと面倒で、大家に銀行の残高証明書と、ソーシャルセキュリティー番号を提出する必要がある。大家は、ソーシャルセキュリティー番号からクレジットレポートをネットで取り寄せて、悪い履歴がないか、(犯罪歴、家賃滞納など)チェックすして、住むのに適しているか判断する。その結果が出るまで数日待たなくてはいけない。クレジットレポートというのは、ショーシャルセキュリティ番号の中に、アメリカに生まれ育った人の全ての情報が入っていて、犯罪歴、学歴以外にも、トラブルや、家賃滞納などで、アパートなどの住居から追い出されていないか、預金がどれだけあるかまでわかるため、サンフランシスコでは不動産入居のための判断材料にされているものだ。外国から来たての留学生などは、アメリカでの住居歴がないので、クレジットレポートを調べてもそういう履歴がないので、受け付けてくれない事が多い。人によってはアジア人だという事だけで、差別的に拒否する人もいる。 日本からの仕送りの入った預金通帳のコピーを見せても、「これでは意味がない」、と言われた事も多々あった。後から知った事だが、日本人の場合、日本町のジャパンセンターや日系人のやっている不動産屋ではクレジットなしでも入れてくれるところもあるそうだ。日本人で新規で来る留学生や駐在員がいるのをわかっているので、それを考慮した物件を紹介してくれるようだ。ただ、駐在員家族をターゲットにした物件は高いイメージがあったので、ある事がわかってからも頼らなかった。

 結局、Craigslistにのっているアパートをいろいろあたって、受け入れてくれたアパートに住んでいたが、そこに行き着くまでは、「レジデンスクラブ」と言う長期滞在社用ホテルを探して住んでいた。レジデンスクラブは、1週間以上から滞在出来るホテルで、ずっと住んでいるローカルの人もいれば、留学や仕事や長期の旅行などで来ている外国人も沢山利用している。クレジットレポートなどの難しい審査は要らず、大抵空きがあれば、2つの写真付きIDと、1ヶ月か2ヶ月分の家賃を前もって支払えれば出来れば入れてくれる。短期旅行の場合は1週間分でOK。大抵のレジデンスクラブの部屋は、ツーベッドでシェアルームになっていて、バス(シャワー室)、トイレが廊下にあって他の人とシェアーするタイプだ。個室、シャワー、トイレが部屋にあるタイプもあるが、少々割高になる。食事は朝晩がついているところもあるので、食事代も節約出来るが、さすがに毎日同じような食事だと飽きて来るし、決まった時間に、毎回知らない人と顔を合わせないといけないので、自炊して、好きな時間に食べたくて、大学などの課題があって勉強を集中したい時は、個室のあるアパートの方がいいかもしれない。ただ、はじめて街に来て、街の環境を何も知らないと、いきなりアパート探しも難しい。レジデンスクラブは、普通のホテル同様、フロントの人が地域の情報も教えてくれたり、ツアーを組んでまち歩きしてくれるところもあるので、部屋探しのきっかけにはいい方法だと思う。

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