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「あなたのおかげです」

「テレビは見ない方がいいですよ」と、人に言っておいて、NHKの「朝ドラ」は常に観ているケンスケです(笑)
(最近は、いくつかオリンピック種目も観ました)

「おかえりモネ」という朝ドラが現在やってまして、その中で、若い医師が出て来ます。彼のセリフにこんな言葉がありました。

「“あなたのおかげです”、は、麻薬です」

医師として、患者さんから多く言われるであろう言葉。「あなたのおかげで助かりました」「あなたのおかげで楽になりました」
これらの言葉は麻薬と同じで、とても心地よく、癖になり、依存してしまう。

とても、よくわかる…。

オレも「商品」を製造して売る仕事ではなく、いわば無形の「情報」や「技術」、そして「心」を扱う仕事をしていて、例えば悩みを相談されたり、人生をより良くするための知恵を伝えたりしているので、関わった人の人生に直接影響を与えている気になってしまう。

そして実際に「あなたのおかげで〜」と、何度も言われたことはある。

確かに、この言葉は気持ちいい。『快楽』だ。
オレも「気をつけよう」とは思いつつ、謙虚をモットーにしつつも、ついついその言葉によって、課している謙虚さを失いそうになるし、失ってしまったこともあるかもしれない・

「あなたのおかげ」と、相手側が思い、そう言われることにより、“わたし”側からするとこうなる。

「わたしがやった」

これは『エゴ』の一番喜ぶことだ。エゴは“わたし”が影響力をもつこと、“わたし”がコントロールすることが何より大好物だ。

エゴが悪いわけではないし、人間にはエゴがある。しかし、エゴに身を任せると増長し、エゴに振り回されることになる。

エゴは恐れの結晶でもある。この「あなたのおかげ」が快楽になり、ハマる人ほど、根底にはある意識がある。

・わたしは無力だ
・わたしは自分の人生の主導権を握っていない
・わたしは役に立たないと存在価値がない

これらの恐れを払拭してくれるのが、「わたしがやった」なのだ。だから「あなたのおかげです」は、自己価値を満たしてくれる格好の餌になる。
そしてなにより、自分は「良いこと」「正しいこと」をしていると思えるのだ。

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言葉の力で、「言葉で伝えられないものを伝える」ことを、いつも考えています。作家であり、アーティスト、瞑想家、スピリチュアルメッセンジャーのケンスケの紡ぐ言葉で、感性を活性化し、深みと面白みのある生き方へのヒントと気づきが生まれます。1記事ごとの購入より、マガジン購読がお得です。

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