日本の「色」
先日のnoteで、電車での出来事を書いた。
これを書いている時に、もう一つ電車に関する話を思い出した。
思い出したといっても、昔の話ではないです。ごく最近の話。
9月末から10月初旬にかけてイタリアへ行ってました。
アッシジやヴェネツィア、フィレンツェなどは観光地ですが、ミラノでは移動手段として何度も「地下鉄」に乗りましたし、小都市のトレビーゾのような場所での滞在では、観光地だけでなく、朝の「通勤・通学」と行った日常を垣間見ることができました。
旅行に行くと、もちろん観光地へ赴きます。しかし、その土地の文化に触れるというか、肌で感じる「生」の雰囲気って、日常の中にあって、僕はそういう部分を見に行くのが好きです。
特に海外だとそうです。現地のスーパーマーケットとか必ず立ち寄ります。
今回の旅も、朝の通勤や通学の人たちを眺めたり、朝のカフェで仕事前にエスプレッソを飲む人たちをぼんやりと眺め、まったくわからないイタリア語を優雅なBGM代わりにして過ごす時間はとても楽しいものでした。
さて、日本に帰り、自分の日常に戻り、しばらくして山口県へ行きました。
山口宇部空港へ向かうための羽田からのフライトが、朝10時くらいの飛行機だったので、家を出る時はラッシュ時刻。
普段はその時間はできるだけ避けるようにしていますが、こういう時は仕方ない。
少し早めに出たとはいえ、朝の山手線は、昔に比べるとずいぶん楽になった気はしましたが、それでも押し合いへし合いでしたね。
品川駅から京急線へ乗り換える頃にはそうでもなかったのですが、今の今まで見えていた光景にずっと違和感があった。
満員電車、って物自体が違和感の塊ですが、そういうことじゃないんです。
(何がひっかかっていたんだろう?)
考えたらすぐにわかりました。
「色」です。
地元の駅。中央線の車内。新宿駅。山手線の車内。品川駅で階段を上り下りする人たちなどの「色」です。
象徴的な話ではなく、見たまんま。視覚としての「色合い」です。
まず、どうして違和感を覚えたかというと、イタリアの電車の中は、とてもカラフルでした。
街を歩いても、おしゃれな人が多い。ピンク色のズボンを履いたおじさんとか、派手な服を着たおばあさんとか。フランスに行った時も思いました。老若男女問わず、とにかくカラフル。(THE・大阪のおばちゃん!みたいな派手さとはちょっと違う笑)
しかし、日本の朝は「黒」「紺」「グレー」などの暗い色が中心です。
もちろん、私服の学生さんなどは明るい色合いの人もいますが、基本的に、特に男性の90%が、上記のような暗い色なんです。そして朝の通勤ラッシュは男性が多いし、女性も全体的に紺色や灰色系のシックなものが多かったと思う。
明るい色が良いとか正しいとか、暗い色合いが悪いとか間違ってるとかはないだろうし、そんなのわからないけど、なんだろう…。何か悲しい気持ちになった…。
日本人は、その服装を「自分の意志」で選んだのだろうか? そんなことを考えてしまう。
もちろん、仕事だから、半分「制服」のようなものかもしれない。華美な服装は好まれない文化だ。でも、みんな揃ってダークな色合いって、なんだろう?
もちろん、考えている人もいる。
自分がどんな服を着たいのか。
どんな気分と服装を合わせたのか。
自分にどんな色合いが似合っているのか。
でも、仮に休日はそうしている人も、仕事となると地味な服装、って人も多いのでは?
ただ言えることは、やはり明るい色合いのものを着ていたり、身につけている方が、気分は明るくなりやすいし、それを見た人にも同様の効果は与えられる。
みんながもう少し明るい色合いの服装だったら、もう少し全体的に雰囲気が明るくなると思うし、何より、自分が着る服、つまり、自分自身について気を使うってことは「自分を大切にしている」ってことに繋がる。
もちろん、「人からどうみられるか?」を重視するのはちょっと考えものだけどね。あくまでも「自分の着たい服を、自分の意志で」選ぶのが条件。
(人を不快にさせるようなものは論外ですけど)
まあ、僕はイタリア人に負けじと、このスタイルをチョイスしましたけどね(笑)
僕は実はさほどオシャレには敏感ではないし、そんなに気にしてないのだけど、やはりたまには自分の着たい服を着るって楽しいし、着こなすための自分で在ることって、大事だと思う。
学生時代なんか、僕は中高と学ランだったけど、決まったものを着るというのは「楽」でした。着る服を考えないでいいので。
でもその「楽」は、スティーブ・ジョブズのように「黒のタートルしか着ない!」みたいに決めるのも、楽でしょう。しかし彼の場合や、ジョブズに影響を受けたビジネスパーソンのそれは、「他のことにエネルギーを使いたい」からという明確な意図があります。
そうではなくて、漠然と「周りに合わせた服」を着ているというのは、なんだか味気ないなぁと感じました。
ちなみに、僕が中高生の頃、制服で「楽」と書いたけど、全員と同じ服装をしているってことに解せない連中もいて、僕もそうだったけど、ぶっといズボン履いたり、短い学ラン着たり(短ラン)したし、高校生の頃は「腰パン」とか、紺色のベストとか、色々とその中でも個性を出そうとはしていたかな。まあ、それがエネルギーの良い使い方だったかは置いといてね(笑)
どうしてこんなことを書いたかと言うと、この頃僕はますます「色」のエネルギーってのに少し敏感だ。
「音」に敏感なのは音楽家だから当たり前だけど、音も色も同じ「波長」であり、それは僕らの意識や、肉体に、さまざまな影響を及ぼしていることを感じる。だから、身につける色や、普段から目に入る色には気を配る。そして、それはけっこう楽しい気分だ。
☆
話を変えて、先日は東京で「つながる体、つながる心」のワークショップでした。
マックス6名でのワークショップ。少人数だから、ひとりひとりの体の動きや癖を見て、アドバイスできます。
体と向き合う。それは自分と向き合うことであり、自分を大切にするってことです。
次回は京都にて12月2日、は満席ですが、また来年度も行います。
体、といえば、「山」を歩きませんか? 歩き方、体の使い方を、野外で実践しながら、自然の中で過ごす時間を共有し、たくさん交流しましょう。少人数ですから、プライベートな質問や相談も自由です。
12月18日(月曜日)2023年の登り収めに。
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