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【個展】佳水園×奈良祐希 ENSEMBLE

【2021年開催】
Artill株式会社(本社:大阪市北区 / 代表取締役:三輪昌徳)は、ウェスティン都ホテル京都と共催し、数寄屋⾵別館「佳⽔園」にて奈良祐希個展「ENSEMBLE」を開催いたしました。


展覧会概要

奈良祐希個展 “ENSEMBLE”
会場: ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園」
会期: 2021年7月17日(土)-7月25日(日)
VIP Preview: 2021年7月16日(金)13:00-19:00

「ENSEMBLE」

個展名称になっている“ENSEMBLE”は「調和・掛け合い」の意味を持ち、⾳楽においては⼆⼈以上の演奏すなわち重奏を⽰す⾔葉として使⽤されます。奈良が考えるENSEMBLEとは⼆つ以上のものが掛け合い、相乗効果やダイナミズムを起こすことです。

建築と陶芸という⼆つの異なる視点から、新しいイメージを想起させてきたように、他者から影響を受け、他者に影響を与え、価値観が更新されることで世の中になかったものが⽣まれます。

作品は突拍⼦もなく⽣まれるわけではありません。他者とのENSEMBLEは⾃⾝の作品をブレークスルーさせる契機になると奈良は考えます。

まずは、佳⽔園とのENSEMBLEです。それは建築の空間性にとどまらず、村野藤吾が想いを込めた精神性との掛け合いでもあります。佳⽔園庭園のような⽇本庭園と奈良の作品の共通するところは、⽇本的な価値観や内と外の曖昧さです。

それは外から部屋の中に差す光であり、内と外を曖昧につなぐ縁側のようなものです。また、奈良が⼿がけるシャープな作品は、「箕甲」と呼ばれる伝統的な納まりを⽤いて軒を薄く⾒せ、シャープで軽やかな切妻屋根が重なる佳⽔園との親和性があります。

佳⽔園と作品との調和が美しい1枚

これは佳⽔園の設計者である村野藤吾、庭園を作庭した⼩川⽩楊、リニューアルを⼿がけた中村拓志とのENSEMBLEです。

また、1688年より続く⻄陣織の⽼舗「細尾」12代⽬の細尾真孝が⼿がける最先端の⻄陣織テキスタイルからインスピレーションを受けた新作「Lotus」シリーズを展⽰します。テキスタイルのフィロソフィーや構法を陶芸技法に落とし込むことで「織物」のような新たな陶芸の価値観を提⽰します。

西陣織テキスタイルとLotus

細尾真孝は1978年、元禄元年創業⻄陣織⽼舗の細尾家に⽣まれました。⻄陣織の技術、素材をベースにしたテキスタイルを海外に向けて展開し、建築家ピーター・マリノ⽒の⽬に留まりクリスチャン・ディオールの旗艦店やシャネルの店舗に使⽤されるなど、世界のトップメゾンをクライアントに持ちます。

2012年より京都の伝統⼯芸を担う同世代の若⼿後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成し、国内外で伝統⼯芸を広める活動を⾏っています。2014年には⽇経ビジネス誌「⽇本の主役100⼈」に選出され、2016年よりマサチューセッツ⼯科⼤学(MIT)メディアラボ・ディレクターズフェローに就任しています。

最後に、いけばな三⼤流派の⼀つ、いけばな⼩原流五世家元・華道家である⼩原宏貴とのコラボレーション展⽰も執り⾏います。⼩原宏貴は1988年神⼾市⽣まれ。1995年、6歳にして五世家元を継承しました。

我が国の伝統⽂化である「いけばな」の普及に⼒を注ぐとともに、芸術家としても、植物を通した表現・創作活動を国内外に向け意慾的に展開しています。現在は、⼀般財団法⼈⼩原流研究院院⻑、公益財団法⼈⽇本いけばな芸術協会副理事⻑、兵庫県いけばな協会副会⻑、⼤正⼤学客員教授、⼩原流ビギナーズスクール校⻑を務めています。

⼩原流とは19世紀末、流祖⼩原雲⼼が「盛花(もりばな)」という新形式のいけばなを創始して、近代いけばなの道を開いたことに始まります。「盛花」は、⼝の広い器(⽔盤)に花材を盛るように展開させるもので、従来の線の動きを主にした構成に⽐べ、⾯的な広がりを強調したところに特徴があります。

今ではおなじみの⽔盤と剣⼭を⽤いるいけばなは、⼩原流が始めたものです。創流からおよそ130年、その時代の⽣活様式の変化に伴って盛花を基本に、現代空間にふさわしいいけばなを⽣み出し続けています。

上記のような⼩原流独⾃の「⽔平性」からインスピレーションを受けた新作のBone Flowerを花器に⾒⽴て、⼩原が盛花を⾏うことで、両者の特性を引き⽴てあった新作が⽣まれます。

コロナ禍において、⼈や街、国の分断が進む世の中になったことで、調和の精神や助け合いの精神、共⽣の精神といったコミュニティの⼤切さを私たちは改めて感じるようになりました。

上述の精神は全て、個ではなくチームとしての考え⽅です。奈良のルーツである伝統工芸という分野は往々にして作家個⼈によるものでありましたが、野球やサッカーといったスポーツがチームとして他者との関わり合いの中で⾏われるように、これからはENSEMBLEがもたらす相乗効果に伝統工芸の未来があると奈良は信じています。

本展はENSEMBLEの集合であり、オーケストラのように多彩な作品で創り出される世界観をご⾼覧ください。

奈良祐希 Nara Yuki 

1989年石川県金沢市生まれ。2013年東京藝術大学美術学部建築科卒業、2016年多治見市陶磁器意匠研究所修了。2017年東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻首席卒業、2021年より建築デザイン事務所 EARTHEN 主宰。

陶芸分野では、Art Basel / Design Miami(スイス)、TEFAF(オランダ)、SOFA(アメリカ) などに招待出品。主な受賞歴に金沢世界工芸トリエンナーレ審査員特別賞(2017)。作品は根津美術館(東京)、ヴィクトリア&アルバート博物館(英国) などに収蔵されている。

建築分野では、主な作品に「障子の茶室」(2018/ 金沢21世紀美術館、台南市美術館)。2021年には若手建築家の登竜門 Under 35 Architects exhibition 2021 ファイナリストに選出される。金沢と東京の二拠点を中心に陶芸と建築、二つの領域をまたいだ創作活動を行っている。
公式サイト:http://yukinara.jp/

細尾真孝 Hosoo Masataka 

1978年、元禄元年創業西陣織老舗の細尾家に生まれる。西陣織の技術、素材をベースにしたテキスタイルを海外に向けて展開し、建築家 ピーター・マリノ氏の目に留まりクリスチャン・ディオールの旗艦店やシャネルの店舗に使用されるなど、世界のトップメゾンをクライアントに持つ。

2012年より京都の伝統工芸を担う同世代の若手後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成し、国内外で伝統工芸を広める活動を行っている。2014年には日経ビジネス誌「日本の主役100人」に選出され、2016年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ・ディレクターズフェローに就任しています。

⻄陣織の⽼舗「細尾」は元禄元年(1688年)に京都西陣にて創業。以来、きもの文化の継承に取り組んでいる。伝統的なきものと革新的なテキスタイルを通じ、日本の優れた物づくりの価値を提供している。
公式サイト:https://www.hosoo.co.jp/

小原宏貴 Ohara Hiroki

1988年神戸市生まれ。1995年、6歳にして五世家元を継承。日本の伝統文化である「いけばな」の普及と、芸術家として国内外の活動に力を注いでいる。

現在は、小原流研究院院長、公益財団法人日本いけばな芸術協会副理事長、兵庫県いけばな協会副会長、大正大学客員教授、小原流ビギナーズスクール校長を務めています。

⼩原流とは19世紀末、流祖⼩原雲⼼が「盛花(もりばな)」という新形式のいけばなを創始して、近代いけばなの道を開いたことに始まる。「盛花」は、⼝の広い器(⽔盤)に花材を盛るように展開させるもので、従来の線の動きを主にした構成に⽐べ、⾯的な広がりを強調したところに特徴がある。

今ではおなじみの⽔盤と剣⼭を⽤いるいけばなは、⼩原流が始めたものです。創流からおよそ130年、その時代の⽣活様式の変化に伴って盛花を基本に、現代空間にふさわしいいけばなを⽣み出し続けています。
公式サイト:https://hirokiohara.com/

​ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園」

住所:〒605-0052
京都府教師東山区粟田口華頂町1番地
電話番号: 075-771-7111
FAX番号: 075-751-2490
アクセス:京都市営地下鉄東西線 蹴上駅 2番出口より徒歩3分
公式サイト:https://www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto

お越しくださったみなさま、ありがとうございました。

メディア掲載
Pen 25ans

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