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[アートをみる、ということ]

2019年12月に最初の症例が報告され、2020年春にはパンデミックとなった新型コロナウィルス(COVID-19)。その影響から、今、わたしたちは社会変化の渦中にあります。現在もその最前線でウィルスと格闘してくださっている医療従事者の方々に、深く感謝申し上げます。
わたしたち「アートハッコウショ」も、できる感染防止策をとりながら、プロジェクトを始動したいと考えています。

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日本は美術館に行く人が多い国です。最近はビジネス方面からアートに興味を持つ人も増えています。とはいえ、作品を「みて」感じたことや考えたことを自分の言葉にする人は、専門家を除けばそこまで多くないように思います。例えばアートに関するサイトを巡っても、「作品解説」はたくさん見つかりますが、「作品を鑑賞した」文章にはあまりお目にかかれません。
「アートハッコウショ」を立ち上げたわたしたちは、美術書の出版や、美術館の教育普及・美術教育に関するリサーチなどに従事しています。仕事を通じて、「アート鑑賞=作品を眺めて、先人や専門家の研究成果を実物で確認すること」、このようにとらえる人が多いことを知り、少しさびしく感じているのです。

「アートをみる」、これはシンプルに言うと「アート作品と対話すること」だとわたしたちは考えています。もちろん、作品は作者自身の考えによって生まれてきたモノです。しかし、そこにギャラリーや美術館の「人」をはじめ、そのモノをみる人が存在して、初めて「作品」となります。モノと人との間に、ほかの思いや価値が立ち上がって、ほかの人にも紹介するにふさわしい「作品」として展覧会で展示されたり、美術館に収蔵されたり、誰かが購入したりするものです。乱暴な言い方をすれば、みる人がいなければ、アート作品は存在しないのかもしれません。

アート鑑賞の目的や方法に、特別なルールがあるわけではありません。ただ、1枚の絵を眺めて、なんとなくきれいだから、落ち着くから、好きだから、それだけではもったいないな、とわたしたちは思っているのです。
一般的な“きれい”というワクから外れた、しかし、わたしたちをインスパイアしてくれる“得体の知れない多様なアート”はたくさんあります。自分で作品を「みる」ことができれば、そういった作品とも対話できるようになって、豊かな気持ちになれるかもしれません。身の回りの出来事を、違う視点でとらえられるようになるかもしれません。何より、美術館や芸術祭に行くと、今よりもっとアートを楽しめるようになるのは確かです。

わたしたちはこの思いを核に、アートを鑑賞する人たちとつながるために「アートハッコウショ」を立ち上げました。
みなさんは「アートを鑑賞する」とはどういうことだと思いますか?
ここでみなさんが思う「アート鑑賞」をシェアしていきたいと考えています。

アートハッコウショ
ディレクター/ツナグ係 高橋紀子
鑑賞ファシリテーター/ハッコウ係 染谷ヒロコ





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