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平塚市美術館「こどもたちのセレクション」エピソード⑤

 次は深堀隆介さん『緋奈々』(2018年 88.0×176.0cm アクリル・紙)です。(写真はイメージ・私が作った切り絵です〜汗〜)

 平塚市美術館で2018年「深堀隆介展」の間に開催されたライブペインティングで描かれた作品です。平塚にちなんだ物を参加者に言ってもらって、作家さんがそれを描いて、最終的に金魚が泳いでいる絵に仕上げたそうです。

 8月10日のキッズ鑑賞ツアーで「人が見えるよ」と教えてくれた子がいました。
「え~?!どれどれ?」 私なんざ、ライブペインティンで色々なものが描かれたという背景を知っているのに、見えないんですよー。子どもの目ってすごいですね。

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●大人と子どもの違い
 
 深堀隆介さんの「金魚」シリーズは、ご本人が名付けられた『2.5Dペインティング』という言葉通り、描いているんだけど立体に見える、ユニークな作品なんです。以前の鑑賞会では、この作品と枡の中にひらりと泳ぐ金魚が立体的に見える作品の2つが展示されていました。

 なぜ立体的に見えるか制作プロセスが理解できる大人は仰天しましたが、子どもたちは『2.5Dペインティング』の制作プロセスを理解するのが難しく、小さな枡の作品より、この大きな絵画の方に関心を抱く子が多かったです。
 
 3歳10ヶ月 しっぽがゆらゆらしている
 4歳 6ヶ月 背中が光っている
 4歳 9ヶ月 ウロコが青と緑

 色や形に注目していますね~

 6歳 5ヶ月 かわいい。むずかしい(と手の動きで)

 なるほど、金魚の動きを手の動きでなぞってみる。
 子どもたちが作品を見た時、その形や動きのイメージを、動作で再現することも散見されます。平面作品の場合、脳内で3Dでイメージ化しているのかも!と思うとなんだかすごいです。

 10歳 尾びれが着物の帯みたい

 さすが10歳ですね~ 着物の帯を思うとは! 
 色の重なりから、光沢のある織物のような見え方もします。
 平塚にちなんだ様々なものが下に描かれているのに、金魚にまとめあげる作家さんの力量。

 ライブペインティングに参加した人はラッキーですね!
 美術館では、すてきな企画がたくさん実施されているので、HPをチェックしたり、時々探してみると、楽しい機会が待っているかも。

(本稿は美術館ご担当者様に確認いただき掲載しております)


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