「アートケアだより」バックナンバー2007年7月号
「アートケアだより」バックナンバー紹介。2007年7月号は、2児を育てるTさんへのインタビューでした。
気配りの人!であるがゆえに、お子さんたちへの対応も行届きすぎてしまいがち。そんなお話をユーモラスに伝えてくださいました。
今回の掲載にあたりご連絡した際、いただいたお返事に、懐かしいTさんそのままを感じました。
「その節はお世話になりました😀
今や。。
娘は今も手作り大好き。
息子。美大でテキスタイル学んでます。
子どもからいろんな刺激もらってます」
Tさんご自身、子育てが一段落した頃からチョークアートの講師として活躍されています。
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アートケアだより2007年7月号
このおたよりでは、子どもたちの「アートケアひろば」での成長ぶりやご家族の関わり方、子育ての工夫などを紹介しています。今月はTさん(お子さんMちゃん小学3年生、Hくん3歳)にお話をうかがいました。
●自信がなくて心配ばかりの母ですが…
T:昨日、緊張で具合悪くなっちゃいましたー。 インタビュー、何を話したらいいのかしらって。
冨田:すいません、お願いして…。あ、いろいろメモしてきてくださったんですね。
T:自分なりに整理してきたんです。いつもおたよりを読むと反省してて。お母さんたち、えらいーって。
冨田:原稿チェックしていただく時、どの方も「私、こんな(素敵な)こと言ってました?」とおっしゃっていますよ。でも捏造してません(笑)聞いた通り書いてます。皆さん、自分なんて… と思いすぎで、実はすごいですよね。Tさんはアートケアに通いはじめて8ヶ月ですが、毎回の記録がどんどん面白くなってますねぇ。
T:そうですか~?
冨田:そうですよ。はじめは不安で自分の対応はこれでいいのかとかワークすると疲れる!とか書いてあるんだけど、だんだん自分の子も他の子も観察したり、「我が子のコンディションが悪い時ほど学ぶことが多い」なんて余裕のある記述まで出てきてますよ。
T:私ね、子どもに何かあると自分を振り返ってしまうんです。Mが入学した年も考えました。今思うとMなりに一生懸命だったんでしょうね…。だけど我が子が透明なシャボン玉に包まれているみたいに思えて、そういう時の母親って必死ですね。「お母さんがお守り代わり」という関わりをした時期もあった。
その時、それまでの子育てを振り返って、私は小さい時から彼女に合わせすぎていたと思いました。幼稚園の先生が手厚くてお母さんの代わりをしてくれるし。
冨田:我慢を覚えたり不安なときどう自分を保つかは、辛いけど子ども自身でつかむしかないから…
T:年齢に合った時期に我慢とか試練を与えないと後々出るなと思いました。かわいい子には旅させよです。以前はきつく叱っている親を見ると、なんであんなかわいそうなことするかなーって思ってたんですけど最近はそれもありかなって。後でぎゅーっとすればいいしねと思ったり。学校でも不備がないよう考えたらきりがない。子どもも例えば筆箱を開けてみたら赤鉛筆が入っていないというだけでパニック!とならずに、そんなの命に関わらないし怒られたってボクの人生変わらない、くらいに思えたらいいんですよね。
冨田:そうね。
T:でも私、2番目の子も同じように育てたんですよ。アートケアでもはじめ、口を出しすぎ、手も出しすぎ、心配しすぎ。「しすぎる」というのは良くないですね。過保護も良くない放任もよくない。
先日もHってしゃべれたんだーって思ったんですよ。3歳なのに私は赤ちゃん語で話してた!
今日も「冨田先生とお話がある」と普通に大人の言葉で説明したら「わかった」って。この前、冨田さんからHは今、自立の時と聞いて、食事や着替えを自分でさせてみたんですよ。「置いとくから着てね」って私にとっては最大の突き放しなんです!それができちゃったりするんですよねー。
私が「〇〇せねば」にとらわれがちで、反省して具合悪くなってやっと人に頼れるんですよ。でもその方が子どもたちにもいいみたいですね。具合悪いから悪いけど冷凍ピザ食べといて、なんて時の方が自分たちでやって、喜んだりしますもん。
冨田:母親が力を抜くと子どもは気楽なのかもね。
T:いつも迷って自信がないし、子どもにきっぱりした態度を取れない母ですが、ゆっくりだけど親として成長してると思います。母1人では育てられないからいろんな人に育ててもらうのが、子どもにとっていいし、母も楽です。
Hが工作でヒモを持ってウロウロしてたら冨田さんがそれを自分のおへそに持ってきて「つながったー」って返したでしょう。その時「さすがプロの切り返しと言ったら「先生だからできるのよ~家ではこんな悠長じゃないよ」と話してたじゃないですか。あれ、すごく気が楽になりましたよ。子どものことすごく心配してるんだけど、表面ではバカなこと言ってるお母さんって感じ、いいですよね。
アートケアで子どもにどう接したらいいかわからないお母さんたちってたくさんいると思うんです。私の号を読んでほっとしてもらえたらいいですね~。
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