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色彩の役割を本を通じて考えてみる -3-

自分は色に関しては専門外ですが、個人的に昔から興味がありました。

色彩に関する資格試験(色彩検定)もあり、カラーコーディネーターと呼ばれる仕事もあるので、実用性や認知度は高いと思います。

色彩に関しては工学的な知見も相応にあり、下記の本を手に取りながら、様々な視点から学んでいけたらと思います。

これまで、色に対する物理(実験)の観点からの捉え方、心理物理量とされる色の定量化について取り上げてきました。

出典:https://webnaut.jp/design/640.html

色が心理物理量と称される背景として、色に対する認識(理解)に個人差が存在し、一定の形に規定することが難しい点があります。このことから、色彩は心理学的なアプローチにも応用されています。

今回は色に関する心理的な見方を本を通して学んでいきながら、その辺に関して個人的にまとめたいと思います。


色と心理学を紐付ける理論

前回は色を区別する手段として、三属性(色相・彩度・明度)や刺激値を紹介しました。一方で、色の現れ方に対する分類方法も提唱されました。これは心理学的なアプローチと言えます。

この理論を提唱したドイツの心理学者(カッツ)によると、次の8種類に分類されます。

  • 面色:質感や陰影を感じ難い色の見え方

  • 表面色:不透明な物体(色)の見え方

  • 透明面色:ガラス越しに見える景色

  • 鏡映色:ミラーボールに映り込んだ景色

  • 容積色:透明な容器内の色水のような見え方

  • 光沢:ツヤを感じる色の見え方

  • 光輝:蝋燭の炎のように自ら光を発している

  • 灼熱:高温の鉄のように内部まで光色になる

例えば、上記で示した表面色は青空に例えられることが多いです。説明の通り、距離感を掴み難い印象があります。

出典:https://plaza.rakuten.co.jp/tenderheart/diary/200504190000/

カッツが提唱した理論は主に色を見る側から分類であることが、心理学的なアプローチとされる理由です。心理学的分類と言います。ちなみに、前回までの考え方は測色学的分類と言います。

色から受ける感情効果

色を認識した際に受ける印象は程度こそ異なりますが、一定数の傾向も確認されています。その一例として「暖色系」「寒色系」があります。

暖色系は見た人に温かさを感じさせる色です。太陽や焚火を感じさせる色で、赤や黄や白が挙げられます(膨張色と言います)。人間の交感神経を刺激して呼吸数を増加させて、脈拍や体温を上げます。

寒色系は暖色系に反して冷たい水や寒空など、青や紫や黒が挙げられます(収縮色と言います)。人間の副交感神経を刺激して呼吸数を減少させて、脈拍や体温を下げます。

印象値に関する過去の研究では、暖色系の空間と寒色系の空間では、暖色系の方が時間が早く感じられるという結果が出ています。

暖色系と寒色系で分かれる白と黒に関しては、白が軽くて黒が重い印象を受けるという結果も出ています。これは三属性の中では「明度」と相関が高いようです。

このように、色が感情に働きかける場面は多いにあると考えられます。

色彩心理と性格の関係性

色彩と心理学が密接に関係することを示してきました。すなわち、人間の性格にも関係するということです。

人間は無意識に色彩心理の影響を受けながら生活しています。個人間で色の好みも分かれますし、性格やその場の気分にまで影響を及ぼします。

出典:https://www.shikisaisha.jp/1651

例えば、黒は男性(性別)を指すことが一般的とされています。男性が比較的に多い職場であることもあり、はっきりした色合い(決断タイプ)を多用する雰囲気を感じることがあります。

出典:https://www.shikisaisha.jp/1651

一方で、個人的にはっきりした色には苦手意識があり、淡いような色合い(協調タイプ)が好みだったりします。

出典:https://www.shikisaisha.jp/1651

自分自身を俯瞰すると、淡い色が中心の「協調タイプ」を起点に、両側の「創造タイプ」「堅実タイプ」の色に拡がるイメージです。ただ、ここに登場する色の中では紫が一番好きです。

こういう色の好みから自分自身の軸を定めてみるのも、やり方としては有効かもしれません。

おわりに

今回は色に関する心理的作用から、個人間の性格などの違いまで話を拡げてみました。

今回の色彩工学を深掘りすることにしたのは、色彩心理学の話題に興味を持ったためでした。実際に色と自分の性格や好みに相関があると思い、その理由まで納得できたのが、何よりの収穫でした。

色についてひと通り網羅されていますが、特に性格との関係性は納得感がありましたので、紹介しておきます(一部引用させて頂きました)。

この系統をさらに実践的に活用する「カラーマーケティング」と呼ばれる仕事まであるそうです。自分は現状仕事に直結まではしないものの、知識面の深掘りとして今後も注目していきたいです。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事があなたの人生の新たな気づきになれたら幸いです。今後とも宜しくお願いいたします♪♪
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