物理数学の世界 #24 〜ベクトル解析(2)〜
物理数学の世界。始まります!
前回はベクトル解析(ベクトル関数の微分)の話に突入しました。微分演算子を使用した計算処理(勾配)を扱いました。
今回はその続きで、発散と回転について説明します。勾配・発散・回転はベクトル解析を学ぶ上で必要不可欠な3本柱なので、ぜひ押さえて頂けたらと思います。
それでは、続きから進めることにします。
整理したノートを公開
実際にノートにまとめてみました。今回は発散と回転の2つに絞り込んで説明しています(勾配は前回の記事を参照のこと)。
ここでも復習しますが、勾配はスカラー量(Φ)と微分演算子を用いてベクトル量に変換します(各軸方向の傾き(変化の割合)について求める)。
発散の説明は流体力学に近いものが多いですが、微小体積要素の出入量を示しながら導出しています。ベクトル場と微分演算子の内積になります。
回転の説明はトルクで例えることが多いです。単位体積当たりのベクトル場の渦の大きさと方向を表します。ベクトル場と微分演算子の外積になります。
前にも書いてますが、ベクトル場とスカラー場の使い分けがだいじになります。入力にベクトル量とスカラー量のどちらが使われるか、出力はどうか。そこを意識するだけでも理解度に違いが生まれると思います。
ベクトル解析で「場」を理解する 〜再掲〜
物理学を学んでいくと、何かと「場」という概念にぶつかります。私が専門とする材料力学だと「応力場」という言葉をよく聞いたものです。
このような「場」の共通点は、方向と大きさの2種類の概念を持ち合わせている点です。今回のベクトル場と同じ考え方です。
実際に「場」が出てきたところで、次に知りたいのは場の状態です。その場が回転しているのか、噴き出しているのか、どの程度の方向と強度を持つのかなど。それに対する答えを導くために必要となるのが、ベクトル解析の手法です。
上記に挙げた3つの特性は、ベクトル解析で言うところの「回転」と「発散」と「勾配」に対応します。ちなみに、英語表記(略語)で表す場合もあります(Φはスカラー場でAはベクトル場です)。
・勾配(gradient):grad(φ)
・発散(divergence):div(A)
・回転(rogation):rot(A)
この辺は好みの差でもあるので、覚えておいて損は無いくらいです。
おわりに
今回はベクトル解析の後半ということで、ベクトルと微分演算子を用いた操作(勾配・発散・回転)の意味について説明しました。
それぞれのイメージを掴むことが最優先になると思います。今回の計算方法は電磁気学や流体力学で多く登場するので、かなり重要な事項になります。
次回は今回までに紹介した3つの方法を応用して、様々な定理の解説をしていきたいと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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