アヤ先生の共通テスト2022に挑戦 〜数学〜
note大学study部の『アヤ先生の共通テスト』への挑戦企画の第2弾。
今回のテーマは数学です。昨日の【つぶやき】で少し紹介しました。今回は最後まで解いていきたいと思うのですが、ただ解くだけだと味気ないですね。
そこで、今年からnoteに実装されたTeXを活用して書いていくことにします。実は現在連載中の『材料力学の強化書』でもTeXを使っています。まだ素人レベルの使いこなしでしかありませんが、頑張ります。
問1:楔数と半素数
1.2022が楔数であることを示しなさい。
2.2021が半素数であることを示しなさい。
楔数とは異なる素数を3つ乗算して成立する整数のことです。また、半素数とは異なる素数を2つ乗算して成立する整数のことです。まずは答えから。
$${2022=2*3*337}$$
$${2021=43*47}$$
となります。これだけでは何処かのコピペみたいなものですね。問題は上記の大きな整数(337・43・47)が本当に素数なのかどうか。
ここは下記の参考記事が頼りになりました。
ある整数が「素数」かどうかを調べるということは、1とその数以外に約数はあるかを調べること。そして、ある整数において仮に1とその数以外に約数があるとするならば、その約数のうちのひとつは必ず「その整数の平方根」よりも小さくなります。
例えば、43や47の平方根は6より大きく7より小さいです。なので、6までの倍数について検証すれば良い。そう考えると作業が楽になります。43も47も6までの倍数のいずれにも該当しないので、両方とも素数であることが分かります。
では、337はどうでしょう。337の平方根は18より大きく19より小さいです。なので、18までの倍数について検証します。これも18までの倍数のいずれにも該当しないので、337も素数であることが分かります。
以上、楔数と半素数の検証の話でした。試しに他の整数でも検証して、実感するのが一番です。
問2:誕生日の予測
下記の方法で任意の人物の誕生日が推測できます。その理由を説明しなさい。
---------- ☪️✴️☪️----------
まず、任意の相手(が居るとして)に対して、下記の順番で作業をお願いします。
1.自身の生まれ月の数字を2倍します。
2.前述の結果に5を足します。
3.前述の結果に50を掛けます。
4.前述の結果に生まれ日の数字を足します。
上記の最終結果から250を引きます。すると、相手の誕生日を推測できます。
---------- ☪️✴️☪️----------
さて、どうして任意の相手の誕生日が推測できてしまうのか。それを文字式の計算で明らかにします。
生まれ月の数字(整数)を「x」、生まれ日の数字(整数)を「y」とします。実際に上記の4番までの作業を文字式で書いてみます。
$${50(2x+5)+y}$$
では、この状態から250を引き算するとどうなるか。
$${50(2x+5)+y-250=100x+y}$$
この結果から分かることは、一の位と十の位が生まれ日を表し、百の位(もしくは百と千の位)が生まれ月を表すということです。
例えば、私は3月5日生まれなので、上記の計算式に代入すると305という整数になります。ここで注意する点としては、1月〜9月生まれの場合は3桁の整数に、10月〜12月生まれの場合は4桁の整数になります。
以上が相手の誕生日を推測するカラクリになります。何かと使えそうな話題ですね。
問3:どこでもドアに掛かる圧力
のび太くんがどこでもドアで富士山頂に行く場合に、気圧差によりどこでもドアにかかる力の大きさを求めなさい。ただし、細かい条件は以下のとおりとする。
・富士山頂の気圧を633hPaとする。
・のび太くんの部屋の気圧を1013hPaとする。
・1hPa=100Paである。
・どこでもドアは縦2.5m、横0.8mの長方形とする。
・1Nを0.1kg重とし、解答の単位にはkg重を用いよ。
単位系に気をつければ簡単な問題ですね(単位系のミスは少し油断すると誰でもやらかします)。注意しながら進めます。
富士山頂とのび太くんの部屋の気圧差は、1hPa=100Paであることを踏まえて、下記の通りになります。
$${1013[hPa]-633[hPa]=380[hPa]=38000[Pa]}$$
どこでもドアの面積は下記の通りになります。
$${2.5[m]*0.8[m]=2.0[m^2]}$$
富士山頂とのび太君の部屋の気圧の差は、実際にどこでもドアが受ける圧力を意味します。圧力は物体に及ぼす力を受ける面積で割り算したものですので、どこでもドアが受ける力は、次のように逆算できます。
$${38000[Pa]*2.0[m^2]=76000[N]}$$
最後に1Nを0.1kg重とするので、どこでもドアが直に受ける力は、
$${76000[N]*0.1=7600[kgf]}$$
になります。7600kg重とはとてつもない力です。
問4:円周率の数値条件
下図は、半径1の円に各辺の長さ1の正六角形が内接している様子を描いたものです。この図を用いて、円周率が3より大きい理由を説明せよ。
これ、私がまだ学生の居たころに出てきた話でした。当時は円周率を3にしようと国の教育方針が変更になったばかりでしたが、その際の問題点として、正六角形とその外接円の話がありました(あまりにも有名な話)。
正六角形の1辺が1ということは、正六角形の周の長さは6ということです。一方、半径1の円の円周は2πということになります。
上記の図を見てもわかる通り、正六角形の周の長さは外接円の円周よりも小さいはずなので、
$${2{\pi}>6}$$ → $${{\pi}>3}$$
このことからも、円周率(π)は3より大きくなくてはいけません。
逆に円周率を3とすると、正六角形の周と外接円の周の長さが一致してしまうという摩訶不思議な状況に陥ります。これではいけませんね。
おわりに 〜問5〜
今回の4問で2500字まで到達してしまいました。そんな訳で、問5は簡単に答えたいと思います。
ちなみに問題としてはこんな感じです。
とある漫画のセリフ「数学と関係がないことなんて、この世界に存在しないよ」ということに対して、賛同できるか否かを答える。
私的には「賛同できない」が答えです。前の理科の回答でも書いたのですが、自然現象を理屈・原理で説明することと、それに対する個人的な価値観は別の問題と考えます。
どういうことかと言うと、上述の「数学と関係がないことなんて、この世界に存在しないよ」というセリフは個人がそう思えば良いだけであって、それを他人に押し付けるのは別の話だと思うのです。
数学と関係がないことが本当に存在するかどうかは知りませんが、別にそういう話があっても良いじゃない。そう思うので、最終的に「賛同できない」という判断を下しました。
以上、note大学study部の理系担当より。
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今回は数式の部分を全てTeXで書かせて頂きました。簡単な内容なので実用性は低そうですが、何かの参考(契機)になれたら嬉しいです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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