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【#26】材料力学の強化書 〜はりの不静定問題〜

今回のトップ画像は京都にある二条城の外観です。昔ながらの石造りの建物というのは、よくよく考えたらすごい技術だと思います。如何にして崩れないように建物を組み立てているのか、非常に気になります。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

前回はこれまの復習を兼ねて、複雑な荷重条件を持つはりのたわみ曲線について求めてみました。

今回ははりにおける不静定問題を扱います。不静定問題とは、はり全体の力とモーメントのつり合いだけでは未知数(支点反力など)が求められない場合のことを言います(以前にも扱いました)。

これまでの静定問題と違う流れで解いていくので、その違いをきちんと見て頂けたらと思います。

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不静定問題(復習)

不静定問題とは前に書いた通り、支点反力などの未知数がはり全体の力とモーメントのつり合いだけでは求められない場合のことを言います。

今回の場合で書くならば、これまでの静定問題では冒頭にはり全体の力のつり合いとモーメントのつり合いで2式を立てていました。つまり、未知数が2つであれば連立して解くことが可能ですが、3つ以上ある場合は解くことができません。

そのような場合は、これまで何度も登場してきた「境界条件」を駆使して方程式を追加することで、未知数を求めていきます。

具体的なイメージを掴むために、例題に取り組んでみましょう。

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基本的な例題

今回は等分布荷重の作用する片持ちはりに移動支点を追加した状態のはり(一端固定他端支持はり)について扱います。

力のつり合いとモーメントのつり合いから、方程式を2つ立てます。未知数は3つになるので、これだけでは未知数を完全に求めることはできません。

未知数を残したまま、せん断力線図(SFD)と曲げモーメント線図(BMD)を求めます。そして、曲げモーメント(軸線方向成分xの関数)から、たわみ曲線を求めます(途中の過程でも境界条件を使用しているので注意しましょう)。

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このままたわみ曲線まで導出したら、改めて境界条件の登場です。はりの左端(x=0)の条件は既に使用しているので、はりの右端(x=l)の場合にたわみがゼロになることを利用します。これで未知数を全て求めることができました。

最後に求めた未知数(反力)をSFDとBMDの式に戻します。たわみ曲線も求めているので、そこから最終的にグラフ化します。

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おわりに

今回ははりの不静定問題について扱いました。計算はいつもの通り複雑ですが、つり合いの式と境界条件をきちんと把握しておけば、解けないことはありません。最後まで気を抜かないで頑張りましょう。

次回は引き続き不静定はりについて、別の解法を見ていきたいと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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