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ダイエットを経て承認欲求モンスターが覚醒した話(後編)

突然ですが、自分のことが好きですか。自分のことを愛せていますか。

私の場合は、自分のことが嫌いでした。少なくとも2年前までは。

うつ病を発症して、色々なことが思い通りにいかず、ダメダメになりました。実は大学院の頃に「適応障害」になったので、再発と言えば再発でした。

特に、体型は薬の影響もあり、明らかに太ってしまいました。見た目のことを延々と言われて、周りから蔑まれているようで、惨めな気持ちでした。努力不足なのは分かっている。でも、どうすれば良いかわからない。本当にキツくて、自分以外の全てが「敵」に思えたほど。

体型に関してゴチャゴチャ言われるのが嫌で、見返してやりたい気持ちで、ジムに通い詰め、20kgの減量に成功しました(55kgまで戻しました)。

痩せさえすれば、自信さえ取り戻せば、問題は全て解決すると思っていました。

それでは、ダイエットに成功したことで、自分のことが好きになれたのか。残念ながら、そんなことはありませんでした。

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前置きが長くなりましたが、ここからは「後編」の話。承認欲求モンスターと化した自分をどう変えていくのかについてです。主に「アドラー心理学」に関する知識をベースに書くことにします。

劣等感と劣等コンプレックス

アドラー心理学はおよそ1世紀前に活躍した心理学者、アルフレッド・アドラーが提唱したもの。アドラー心理学は日本だけの呼び方で、自身は「個人心理学」と呼んでいたそう。

そんなアドラー心理学で扱われる用語のひとつに、「劣等感」と「劣等コンプレックス」があります。劣等感とは、理想の自分と現実の自分のギャップ、劣等コンプレックスは劣等感を理由にして目の前の課題から逃げること。

私の場合は、太ったという事実を理由にして、周りから認められないという思い込みを自ら作りました。本当は体型と承認は何の関係性もないのに(このような考え方を、見かけの因果律と呼ぶんだそうです)。

本当に立ち向かわなければいけなかったのは、私が周囲からの承認なり賞賛を求めすぎている態度でした。

痩せたことは後悔も何もありません。見た目が大事なのは確かだし、痩せたことで自信は取り戻せたので(この点は劣等感が正常に動いたケース)。ただ、それで承認欲求が満たされると思い込んでいた私は、痩せたのに周りに求めていたことを得られませんでした。

自分の根本にある、周りから認められたいという気持ちに振り回されることに。まさに、劣等コンプレックスの発動した典型例でした。

共同体感覚を持つ

これもアドラー心理学の用語のようなもので、自分は世界の中で他者と結びついていることを表した言葉です。従って、幸せになるためには共同体感覚が重要だと考えます。「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」というフレーズはどこかで聞いたことがあるくらいかもしれません。

周りを「敵」とみなしていた当時の私には、なかなか信じられない言葉でした。常に争う姿勢を見せるのではなく、私たちはひとつの共同体に属する仲間であると認識できていたら、結果も違っていたかもしれません。

自分なりに落とし込むと、共同体感覚を前提に考え始めると、自分の居場所はいくらでもあると思えるようになりました。今は色々なコミュニティーに少しずつ入り込みながら、自分を自然体のまま振る舞えるようになりました。

常に競争心を内面で持ちながら、必要以上に他人に牙を向けるような言動をしていた頃に比べると、自分も大きく変わってきたように思います。

おわりに

ダイエットの事からだいぶ外れてしまいましたが、周りを信頼していなかったからこそ、本当にだいじで根本的なことを見失っていました。そのことについて、自分なりに分析した結果が今回の記事です。

今は承認欲求モンスターは沈静化しました。色々と行動が制限されて、難しい局面ではありますが、自分を承認しながら少しずつダイエットにつなげられるよう、頑張ろうと思います。

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