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北斎プロジェクト2024

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最初に大海を渡った絵師・北斎の創造性、日本独自のアート志向をあらためてドキュメントし、価値付けする。 いま地球の全世界が、未来への希望を見つめる上で大事な感性・日本の美術…
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画狂人北斎・浮世のドラマツルギー(後編) 〜映画『HOKUSAI』に思うこと〜

画狂人北斎・浮世のドラマツルギー(後編) 〜映画『HOKUSAI』に思うこと〜

中村萬悠(なかむら・ばんゆう/美術史家)

〈北斎と浮世絵の環境〉

さて、寛政6年、「北斎」は、出版界のリーダー、雄的存在の「耕書堂」の経営者であ り、阿部寛扮する蔦屋重三郎のところで、食客(お抱えの絵師)となる。 蔦屋重三郎(通称・蔦重)は、当時のメディア界のいわば大プロデューサーであった。 脚気が重篤化し48歳という年齢で早くに亡くなっている。が、その功績は絶大で、

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