「HN【悪・魔的】コレクション~evil devil~」
公式ページはこちらから。 5月30日~7月1日まで行われていました。
ちなみに大阪ではシリアルキラー展が開催されるようです。(7月24日~8月18日)
概要やら構成やら
ヴァニラ画廊では「シリアルキラー展」を過去に何度か開催していました。
https://www.vanilla-gallery.com/archives/2016/20160609ab.html
https://www.vanilla-gallery.com/archives/2017/20170511ab.html
白い壁に、ショッピングモールよりは少し暗めの明かり。
2部屋構成で、シリアルキラーの経歴、作品や私物、ホラーやサスペンス映画に関する展示、ホラーやサスペンス系の漫画の展示、と分かれていました。
「1/シリアルキラー・コレクション」
「2/奇妙なおとぎ話・映像の世界の魔的コレクション」
「4/心の中に潜むもの~inner psychological world」
以上の展示は同じ部屋で展示されていました。
展示物は壁に掛けるほか、アンティークのテーブルに置かれてカバー(臭気ビンのような形状など)が掛けられたものや、
硝子戸の棚に仕舞われているものもあれば、
壁だけでなく、天井からも展示物が。
「バットマン」や「チャイルドプレイ2」などの小道具、ティム・バートン作シザーハンズのラフも。
また、この展示室内では音楽かけられていました。
いかにもというような雰囲気のもの(例えば、動物ホラー映画で有名な「ジョーズ」のジョーズが出現した時のど、ど、どどどど…)ではなく、街中のカフェで流れていそうな洋楽が絶えず流れていました。
展示と音楽の雰囲気の差に面食らった人もいたのではないかと思います。
お化け屋敷のような演出でもなく、博物館のように静かに展示物はありました。
音楽があるのに静かで、展示物はそれぞれに異色を放っているかと思えば、
小さな子が描いたようで思わず笑ってしまうようなものもあって。
どんなおもちゃも押し込められたような、どうやって遊ぶかもわからないおもちゃばかりを見ているような。
別部屋での展示では、天井以外の壁全面に原稿がみっしり並んでいました。
漫画は水木しげる、楳図かずおを含めた7名の作品。
この展示部分では「3/愛すべき恐怖・怪奇漫画の中の魔的コレクション」と、親しみを込めているようなタイトルになっています。
【悪・魔的】の経緯
今回を含めると、数えて3回目の今展。
ただし、シリアルキラーへ焦点を直接当てるのではなく、「悪」「魔」に焦点をヴァニラ画廊は当てました。
そもそも、シリアルキラー、という存在自体は異質で、よほど毛嫌いしていなければ、
思わず気になると思います。
そんな思わずから「悪」「魔」へ当てたのはなぜか。
コレクター曰く。
コレクションは世間から言わせると「悪趣味」の興味が出発点。
映画作品に関するものからコレクションを始め、そして映画作品の元になった事件の犯人ーシリアルキラーにも興味が湧いていきました。
シリアルキラーが作ったもの。死を表現したもの。
これだけで死人が出るものではありません。
移ろいやすい、でも確実に「良い」ものとは言えない。でも、ひきつけられる。
そこから導き出した「悪」「魔」、それに「的」をつなげることで、
コレクターはヴァニラ画廊からの展示を受けました。
※加筆7/19
「悪」「魔」ってなんだ
だます、法を犯す、行動や思考が悪に分類されるもの。分類されたそれらに魅力を感じることは魔に属す。
※「魔」自体はそのようなものではないですが、ここではそのように定義します。
背景があろうがなかろうが、マイナスとして見るか。
それとも鑑みて情状酌量の余地を見るか。
それとも、結果に思考を巡らすか。
思考の自由は誰からも与えられることもなく、生来持っている権利です。
だからこそ、どう見るかは自由です。
自由だからこそ、どう見ますか。
誰でもない、あなたの思考で。
日常生活のいたるところにあるものを。
深淵を覗く時、また深淵からも覗き込まれている
害をなすこと全て、許されるべきではありません。
でも、害をなした人物全てがひねくれた人物であったか。
友達もいる、恋人をつくる、結婚する、子育てする、日常生活で見掛ける行動をしていました。
そうした、周りで言うところの普通な生活を送っていた人もシリアルキラーになるのです。
人を殺したことによる変化があるにせよ、それらは果たして「悪」「魔」なのでしょうか。
それぞれに導いた答えの中に「わからない」があるかもしれません。
自分もそうですし、何より自分たちの前に起きていた歴史の羅列は、「悪」「魔」の定義を時代ごとにひっくり返していますから。
深淵は底があったとしても、すぐにはわかりません。
そして、深淵から外を見れたとしてもそれがどのようなものか、すぐにはわかりません。
わからないから、お互いに見ると思うのです。
お互いに見続ける限り、「悪」「魔」の本質を見られる一歩を重ねられます。
重ねた先がより豊かな知識の源泉になりますように。
アートサイダ
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