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ボランティア研修①森のクマさん

4月にしては肌寒い曇り空。朝からのろのろ準備していたら意外と出発が遅くなってしまったものの、受付開始時間の10時ちょうどに美術館へと到着した。

今日はアートボランティア、アートコミュニケーター合同研修の第1回。研修会場は2階の広い会議室。たくさんの参加者に驚きつつ見渡すと、予想よりも年齢層は幅広い。みんな穏やかで優しい人に見えるのは、美術館ボランティアというバイアスか…。

初回は研修全体の流れの解説から始まり、美術館長のあいさつへ。「皆さん前のめりで、こちらの方が緊張してきます」と笑いつつ、博物館や美術館の定義、長崎県美術館のコンセプト、ボランティアの立ち位置についてお話された館長。
印象的だったのは、こうしてボランティアを受け入れること自体も“開かれた美術館”としての取り組みの一つであるということ。なるほど、そう考えるとみっちり設定された研修内容にも頷ける(「よりより」は11月まで研修が続くので、それでも長い道のりに感じるけど…汗まあ、そのあたりは後々納得することになりそうな予感はする)

そして教育支援担当の方より、改めて長崎県美術館の概要について解説。開館は2005年で、来年には20周年の節目を迎えるそう。それに合わせた企画も検討中とのことで、図らずもなかなか面白いタイミングで参加できたことが嬉しい。設計を手がけたのは、かの有名な隈研吾。“呼吸する美術館”をコンセプトにしたガラス張りの建物は、隣接する水辺の森公園などの自然との一体感が感じられる。
「なるほど、いろいろ考えられてるんだな…」と全くもって浅い感想を抱きつつ、印象に残ったのは担当の方の声。穏やかで見るからに人の良さそうな女性で「隈さん」「隈さん」と話すと、もはや森のクマさんにしか思えなくなってくる。うん、のどかだ。

休憩を挟んだ後は、グループごとに館内ツアーへ。スタッフの案内のもと、普段は入れない収蔵庫の手前まで行くことができた。先ほどの説明でガラス張りと聞いて「これって夏は相当暑いのでは」なんて思っていたら、案内役の方が最初の部屋の紹介で「いきなりこんなこと言って隈さんに申し訳ないですが、この部屋は日差しが入ってきてめちゃくちゃ暑いですッ!」と話していた。

予定の2時間で初回の研修は終了。全体通して感じたのは、ボランティア活動のためだけに研修をするのではなく、参加者自身が美術館と深く関わる意味でも、この研修が大切にされているということだった。昨年11月に手を挙げた身としては「はやく活動したい!」という気持ちもあるが、それだけ責任と学びがある活動だと少しずつ分かってきた。まずは肩の力を抜いて、一回一回の研修自体を楽しもう。

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