自分の市場価値と仕事とキャリアと転職について考える~『転職の思考法』を読んで~

【目次】
・風呂敷「畳み人」ラジオと『転職の思考法』
・自分の市場価値っていくらなんだろうか
・いざ転職となったときに「良いエージェント」と「周囲への伝え方」
・仕事の面白さとは
・この本に込められたメッセージ

 最近、友人からのススメで”Voicy”を通勤中や作業中に聴いています。良質なコンテンツが多数あり、これはどんだけ時間があっても聴き足りないくらい。
 特に、更新を毎度楽しみにしているのが『風呂敷「畳み人」ラジオ』

幻冬舎の設楽さんとNewsPicksの野村さんのお二人が配信をされている風呂敷「畳み人」ラジオの第28回と第29回にゲスト北野唯我(ワンキャリア)さんが登壇されていた。( https://voicy.jp/channel/607/24430 )

 そもそもこの北野さんの話がもうめちゃくちゃ面白い。

~以下Voicyより~
【前編】
・「転職の思考法」が売れている風景
・多くのキャリア本と何が違う?
・伸びている業界の選び方
【後編】
・衰退業界にいる人はどうキャリアを作る?
・広げたアイデアの畳み方を改めて
・自分が畳み人だと思った瞬間
・畳み人に向いている人は?
・畳み人と広げ人の緊張関係

 ラジオの中で出てきたのが『転職の思考法』という本。早速書店に行って読み終わったところでアドレナリンがドバドバ出ているので、折角の勢いで感じたことを書籍の引用をしつつまとめてみようと思います。

☆☆☆

読んでくださっている皆さんは、自分の”市場価値”をどう測っていらっしゃいますでしょうか。
同じ会社でずっと勤めていたら、わからなくなりませんか?

僕は完全にわかっていない人間です。

新卒で丸5年コンサルティングファームで勤めて、ずっとこのコンサルティングという仕事をしていて、ふと「自分一体いまいくらなんだろうか???」と考えているところです。

この本を読めば解決する!という万能薬ではないのだけれど、それでも「あこれ絶対20代のうちに読んでたほうが良い本だ!」と読み終わったいま確信しています。

「転職の思考法」というだけに、この本は狭義では「転職」、広義では「キャリア」について考え抜くための”フレーム”を与えてくれます。
本を開くとすぐに名言が飛び出します。

転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である。

そして読み進めていくうちに、ページにすぐに折込をつけてしまった。

自分の市場価値を測るための9つの質問
・会社を変えても、価値のあるスキルをどれだけ持っているか
・そのスキルの「賞味期限」はいつまでか
・他の会社でも通用する「レアな経験」がどれだけあるか?
・その経験は、世の中からどれだけ「強いニーズ」があるか
・社内に、自分が会社を変えても、喜んで力を貸してくれる人がどれだけ存在するか? その人物たちは、意思決定の力がどれだけあるか?
・自分が所属しているマーケットの「一人当たりの生産性」はどれだけ高いか?
・自分が所属しているマーケットに今後の「成長性」はあるか?
・今後、どれだけ「自分の市場価値」は成長が見込まれるか?
市場価値(マーケットバリュー)の測り方
給料の期待値(箱の大きさ)は、三つの要素の掛け算で決まる。
①業界の生産性(一人当たり) ②技術資産 ③人的資産

はい。これだけで有り難い。この9つの質問を自らにぶつけるだけ。こんな質問してくれる人がいるだろうか。。。
そして、市場価値(マーケットバリュー)の捉え方。
これは転職だけではなく、ビジネスモデルの解体にも使えるなーと。ニアリーイコールで”給与”と関係するところですが、「収益性の高いビジネスモデルか?」そして「自身が成長できる環境があるか」「未来がみえるか」がこれで分析できます。

畳み掛けるように職場選びにおける重要なポイントも出てくる。

・福利厚生よりも、専門性(特に20代)と経験(特に30代)でキャリアを選べ(特に若いうちに。普通の人ほど)
・子育てはコントロールが難しいこそ、キャリアはコントロールできる状態にしておくべき
・人的資産(人脈)は、年をとるにつれ重要度が増していく

年代別に意識しておくべき仕事で注力すべきところ、身につけておくべきところが明確に事例を交えながら記載されている。説得力がある。

こういうフレームを持ってしてでも出てきた疑問を主人公はメンター(キャリアコンサルタント)にぶつける。

「でも・・・世の中には、”置かれた場所で咲け”という言葉がありますよね?」

「~これはある側面では正しい。成功した人間のうち、いくらかの人は、とりあえず目の前のことを頑張れ、と言う。これはある局面では正しい。~省略~結局、才能とタイミングにたまたま愛された人間であることがほとんどだ。特別な才能を持たないほとんどの人間にとって、重要なのは、どう考えても、どの場所にいるか。つまりポジショニングなんだ。そしてポジショニングは誰にでも平等だ。なぜなら思考法で解決できるからだ」

この”ポジショニング”という言葉は非常に重要で。ポジショニング=「ドメインを間違わないこと」だとする。

ドメインを間違わないとは、どの事業・産業に対して価値提供していくか、またどの人とやっていくか。それは自分の業績にも影響する。

良く”時流”とかいうビジネス用語で表現されるが、メインストリームに乗っかれるか。非常に重要だと思う。そしてそれは運ではない、”思考法”で解決するのだと。

思考法は理解した、と。次は転職の方法だけど、転職といえば、必ず出てくる「エージェント」。キャリアの相談から転職先を紹介してくれる仲介人の方々。

ぶっちゃけ知りたいのが「いいエージェントとは?」だと思います。それが出てきちゃいます。

「いいエージェントの五箇条」
1)どこがよかったか、入社する上での懸念点はどこかをフィードバックしてくれる(だからこそ、こちらから必ず「懸念点はどこですか?」と聴いてみること)
2)案件ベースでの「いい、悪い」ではなく、自分のキャリアにとってどういう価値があるかという視点でアドバイスをくれる
3)企業に、回答期限の延長や年収の交渉をしてくれる
4)「他にいい求人案件は、ないですか?」という質問に粘り強く付き合ってくれる
5)社長や役員、人事背金社などとの強いパイプがあり、彼らとの面談を自由にセットできる

僕の相談した人も「いいエージェント」だった。良かった(笑)
けれど、転職先というのは本人にとって、人生のターニングポイントの一つ。この出会いはとってもとっても大事。
エージェント一つ(一人)と取っても、”出会い”というのが重要になるのは本当にそう思う。

さて、いざ転職先が見つかった!この会社に行きたい!となってから発生するのが転職後期に生まれる「今の会社に残ってもいいかも」という迷い。どうやらあるあるらしい。
第三章で扱われるこのテーマにも具体的に思考法が提示される。

・転職後期に迷いが生じたらそもそもの目的に立ち返ること
・マーケットバリューと給料は長期的には必ず一致する。すでに給料が高い成熟企業と、今の給料は低いけど今後自分のマーケットバリューが高まる会社で悩むことがあれば、迷わず後者をとれ
・マーケットバリューと給料のギャップを、この国では40代後半になるまで誰も教えてくれない

あわせて、どう今の会社のメンバーから応援されるか、パートナーから応援されるかも解が与えられる。かゆいところに手が届いていて、なるほどなーと。

最終章。そもそも論。

「 なぜ働くのか? 」

仮に人が仕事をしなくてもよくなったときに、仮想ベーシックインカム時代に突入したときに、人々は仕事をするのかどうか。

You Tubeのキャッチコピーでもあった「好きなことで生きていく」についての問い。

ほとんどの人に「やりたいこと」なんてない

最後に”あえて”なのか、「やりたいことがない」人にフォーカスされる。
99%の人は「やりたいことがない」という。

正確には

「どうしても譲れないくらい『好きなこと』など、ほとんどの人間にはない、ということ。そしてそれに気づくことが大切
・to do(コト)に重きをおく人間・・・何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている(1%)
・being(状態)に重きをおく人間・・・どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する(99%)

自分はどっちだろうか。と考えさせれる。人生を楽しむコツはこれでわかると。心からやりたいことがなくても悲観する必要はまったくなくって、むしろそれが大多数であると。

ほとんどの人(being型)にとって重要なことは「市場価値を高めて」「その上で、自分を好きになること。自分に嘘をつかないこと」

自分が良いと思わないコンテンツを売っても辛いよねと、確かにそう思う。
幸い、僕は自分が商品でそのために努力し自信もついてきたから、そういうことはなかったけど、もし自分が良いと思わないコンテンツを売ることになったら、それはとても悲しいことだなと思う。

さらに続く。

仕事の楽しさは「緊張と緩和のバランス」が決める。

なるほど。ゲーム(ドラクエ)と同じだ。ボスとザコ的とのバトルの繰り返しだ。ラジオでも言ってた。緊張と緩和が適度にあると仕事って楽しい。バランスは人によって違うのだけれども。

「緊張と緩和のバランス」が適切かどうか見極めるには、
・この半年のあいだに強い緊張を感じた場面を書き出してみること

悪い緊張が10以上ある→職場を変えたほうが良い
いい緊張が3つ未満→より難しい業務ややったことのないことに挑戦する

むかし(学生時代に)、インターンを2年ほどしていたスタートアップの社長から「(もし仕事をしていて)居心地がよくなってきたら環境を変えたほうが長期的に良いよ」と言われたことを思い出していた。
まさに、、、!という感じだ。僕の場合は後者で、今の探し方もこれに該当する。

最終章だけあって、背中を押してくれる、ないしは客観的な判断をするための材料を提示してくれる。

・転職を阻害するのは、現実的な危険性ではなく、ほとんどが見栄か恐怖
・選択が失敗かどうかは、あくまで事後的にしかわからない。だからこそ、失敗につながる唯一の条件は「覚悟を決めるべきときに覚悟を決めきられないこと
・転職が当たり前になれば、選択肢を手に入れた「個人」はより自由になり、社員を惹きつけようとする「会社」は、より魅力的になる

センシティブな表現もあるけど、言語化・思考化されていなかったことを明確にして、ぶっこんでいるからこそ、今売れているのだと理解できます。

網掛けの部分は書籍からの一部の引用で、まだまだ沢山ポイントが書かれています。そしてこの本、(最後に言うべきことではないのだけど)これだけ骨太の内容でなんとストーリー形式でとっても読みやすいです。

最後に

この書籍には、登場人物であるキャリアコンサルタントの黒岩からの言葉には「もっと気軽に転職していいじゃん!そういう世の中・社会にしていこうよ!」という熱いメッセージが込められている。

「いつでも転職できる人間がそれでも転職しない会社こそ、最高の会社だ」
「いいか。転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳にすぎない。人間には居場所を選ぶ権利がある。転職は『善』なんだよ。 個人にとっても、社会にとっても」

このタイミングでこの良書との出会いのきっかけを与えていただいた”風呂敷「畳み人」ラジオ”の設楽さんと野村さん、そして著者の北野さん・編集者の井上さんに感謝を。

(追記するかもしれませんが、”Ver1”ということで)

#転職の思考法 #仕事 #キャリア #転職

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