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卒業論文をやり直す会|2022年10〜11月

ご無沙汰しております・・・! 各自絶賛執筆中or停滞中でして、ミーティングをLINEのやり取りで済ませておりました。
今回は番外編として、私がルネ・ラリックや美術、ミュージアムを好きになったきっかけをお話しします。さらっと読んでね。

ルネ・ラリックを卒論に選んだわけ

小学生の時、長野県諏訪市にある北澤美術館を訪れました。そこで、エミール・ガレ《ひとよ茸ランプ》(1904頃)をみて「もう、きのこじゃん!」と思い、ラリックのガラス作品がまとう光に魅了されたのです。ちょうど、香水瓶の展示はバラの香りを嗅げる仕掛けになっていて、視覚と嗅覚で作品を楽しむことができました。
この時の感動体験が強烈だったのか、卒論ではガレかラリックをやろうと思っていました。ガレは先輩が既にテーマに選んでいたので、それなら私はラリックを、という、ただそれだけの理由です。

大学生になってサントリー美術館で《ひとよ茸ランプ》をみたときは「うん、ランプだな」と思ったので、幼少期の体験は大人の何十倍も印象に残るものなのでしょう。
同様の体験は、広島県尾道市の生口島にある平山郁夫美術館でもありました。朱色と藍色の大画面の作品が隣り合っていて、色彩に包まれる感覚を味わいました。感動の種類で言うと、マーク・ロスコの作品に近いでしょうか。DIC川村記念美術館はまだ未訪問なので、行ってみたいですね。

美術好きになるきっかけ

小さい頃は植物や星座など自然科学系の本を読んでいました。星座の本を読むと、必ずギリシア神話の話が出てきます。そこからギリシア神話をはじめ、エジプトや日本など、世界の神話に興味が湧きました。ギリシア神話の本には、イラストの挿絵のほかに、大理石の彫刻作品の図版が出てくることもありました。
元々、お絵描きが大好きなので「絵」は好きなのですが、「美術」とのファーストコンタクトはギリシア・ローマ彫刻だったのです。

そこにさまざまな美術館での体験が加わり、芸術家たちが人生を賭してつくり今日まで伝わった、対峙した者の感覚を揺さぶるような美術作品に興味をもつようになりました。

やきもの好きになるきっかけ

工芸全般、その中でも陶芸、ガラス、金工、染織に興味があります。これには、テレビ番組「開運!おたから鑑定団」をよく観ていたのがベースにあると思います。画面越しでも本物かどうか、割とわかりますね(ちょっとした自慢)。

やきものが好きになったのには、明確な理由として、茨城県笠間市にある茨城県陶芸美術館に展示されていた、八木一夫の《ザムザ氏の散歩》(1954)(多分)にあります。ザムザ氏とは、朝起きたら毒虫になっていたことでおなじみ、フランツ・カフカ『変身』の主人公です。毒虫(おそらく甲虫)になって部屋を這い回る様子が、荒々しい肌と不規則に生えた足で表されていて、モチーフと表現がうまくマッチしていると思いました。
それまではなんとなく「壺や掛け軸のようなお宝が好きな人がいるのだな」と思っていましたが、「眺めて楽しいって、こういうことなんだ」と実感したのです。

ミュージアムが好きになるきっかけ

中学生の頃、同じ美術部の友人から展覧会のチケットをもらって、初めて(半)自主的に美術館に行きました。国立西洋美術館の「ウィンスロップ・コレクション: フォッグ美術館所蔵19世紀イギリス・フランス絵画─夢想と現実のあわいに」(2002)では、ラファエル前派のセイレーンをモチーフにした作品のエメラルドグリーンの海が美しくて、「どうやって描いているのだろう」と筆致をじっくり観察していました。

前後して、「世界四大文明展」(東京国立博物館、2000)や「円山応挙<写生画>創造への挑戦」(江戸東京博物館、2004)を訪れたこともあり、中学生の頃から美術館・博物館に行く習慣がついていきました。

私は歴史や教養系のテレビ特番をメモを取りながら観ていたような子どもで、両親もよく美術館・博物館や地方の資料館、神社仏閣、古民家などに連れて行ってくれました。そのため、文化的なもの全般に興味が湧くようになったのでしょう。
現在は、動物園や植物園、水族館、科学館なども含めたミュージアム全般、演劇や芸能、音楽など芸術全般にも関心があります。

ミュージアムは本物に出会える場所

こうして思い返してみると、テレビや本といったメディアから入り、ミュージアムで本物をみて、そうして得た感動や衝撃、知識が、私を形作っていったですね。
きっかけに反して、とくに彫刻が好きなわけでも、ラファエル前派が好きなわけでも、八木一夫が好きなわけでもないのですが、そこから芋づる式に新しい知識を得ていき、いつしか広大な世界への扉が開いていたのです。

今まで知らなかった世界を、実物や本物を通じて知ることで、自分の世界が広がっていく。それが、私にとってのミュージアムです。

総括

卒論リベンジもクライマックスですが、綺麗な形にはできなくとも、言いたいことが伝わることを最低ラインに頑張ります!

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートでミュージアムに行きまくります!