浅野靖菜|アートライター

「ミュージアム」という言葉にとにかく反応します。 最近は美術館以外のミュージアムや舞台…

浅野靖菜|アートライター

「ミュージアム」という言葉にとにかく反応します。 最近は美術館以外のミュージアムや舞台芸術、映画鑑賞にも手を伸ばし中。 ドラえもんが好きです。アート系、工芸系のライティングや編集のお手伝いをします。お仕事募集中です! Bunner&Icon: Junko Hara

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最新のお仕事|『美術手帖』2024年10月号(写真新人賞「夜明け前」の鼎談記事)

『美術手帖』にて、今年から始まった新しい写真新人賞「夜明け前」の鼎談記事を書かせていただきました!(鼎談の録音からテープ起こし&記事作成しました) 写真賞というと、有名な「木村伊兵衛写真賞」、また「1_WALL」「写真新世紀」(ともに終了)「JPS展」などが思い浮かびます。もしくは、アマチュア写真愛好家を対象とした「土門拳賞」でしょうか。観光や商品のPR目的で開催されるフォトコンテストもありますね。 「夜明け前」は、新人写真家の登竜門となる場所が失われつつあることを危惧し

    • Chips|茶道文化検定Web版4級に合格しました!

      日本文化の代表である茶道を、美術・工芸・建築・庭園など幅広い分野から学べる茶道文化検定Web版(現在はWeb版のみ)の4級に合格しました! 茶道文化検定とは?主催は一般財団法人 今日庵 茶道資料館(こんにちあん ちゃどうしりょうかん)で、合格者は同資料館に無料入場できる特典があります。 すべての級において実技試験やお点前についての出題はありません。いまは知識として知っているだけなので、お茶は点てられません。 検定を受けた動機 年明けに決意表明をしていました。アンティー

      • 63arts|青森 現代アートに出会う旅 番外編 三内丸山遺跡 さんまるミュージアム

        青森県立美術館から小走りして、特別史跡「三内丸山遺跡」(さんないまるやまいせき)にやってきました! (時間の都合、遺跡は諦めてミュージアムだけ行きました) 三内丸山遺跡とは?1992(平成4)年から発掘調査が始まり、縄文時代前期~中期(紀元前約3,900~2,200年)の大規模な集落跡が発見されたことから、2000(平成12)年に国の特別史跡に指定。2021(令和3)年には、「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつとして、世界文化遺産に登録されました。 遺跡エリアには、直径

        • 62arts|青森 現代アートに出会う旅 5 青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)

          最後に訪れたのが、青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)。 広大な敷地内にある野外彫刻が楽しめる施設ですが、大雨なうえにクマが出るかもとガイドさんが脅してくるんですけど〜?! 青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)2001年、八甲田山麓の豊かな自然のなかに開館した青森公立大学 国際芸術センター青森(通称ACAC)は、アーティスト・イン・レジデンス(AIR、滞在制作のこと)・展覧会・教育普及を行うアートセンター。現在は青森公立大学が運営しています。 建築

        最新のお仕事|『美術手帖』2024年10月号(写真新人賞「夜明け前」の鼎談記事)

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        • 卒業論文をやり直す会
          10本

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          61arts|青森 現代アートに出会う旅 4 青森県立美術館

          青森県を代表する観光名所のひとつ、青森県立美術館。 美術館のシンボル《あおもり犬》は、観光パンフレットの表紙に採用されることも多く、「この犬をみるために青森に行こう!」と思わせる魅力があります。 その徒歩圏内には、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一要素で、日本最大級の縄文集落跡・三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)があります。 青森県立美術館「強烈な個性によって創造の最前線を切り拓いてきた青森県のアーティストたち」とウェブサイトにある通り、青森県立美術館が所蔵す

          61arts|青森 現代アートに出会う旅 4 青森県立美術館

          60arts|青森 現代アートに出会う旅 3 弘前れんが倉庫美術館

          現代美術家・奈良美智さんの出身地でもあり、日本におけるシードル(リンゴの発泡酒)発祥の地である弘前市。そんな弘前市の歴史を残し、これからも紡いでいく地域のクリエイティブ・ハブ(文化創造の拠点)が、弘前れんが倉庫美術館です。 弘前れんが倉庫美術館シードル工場の煉瓦倉庫当時の吉井酒造株式会社社長・吉井千代子さんと奈良さんの出会いによって誕生しました。 弘前の酒造メ-カー社長・吉井勇は、果実の加工技術の視察のために欧米を訪問、その時にシードルに目をつけました。1954(昭和29

          60arts|青森 現代アートに出会う旅 3 弘前れんが倉庫美術館

          59arts|青森 現代アートに出会う旅 2 十和田市現代美術館

          人生で一度は行ってみたい美術館、そのひとつが十和田市現代美術館です。花の馬(チェ・ジョンファ《フラワー・ホース》2008)は、観光パンフレットなどでみたことがある人も多いのではないでしょうか。 十和田市現代美術館十和田市の官庁街通り全体を美術館に見立て、アートの展示やプロジェクトなどを行うまちづくりプロジェクト「Arts Towada」計画の中核施設として、2008年に開館。美術館スタッフや顧問、建築においても錚々たるメンバーが集結した、日本屈指の現代アートの美術館(しかも

          59arts|青森 現代アートに出会う旅 2 十和田市現代美術館

          58arts|青森 現代アートに出会う旅 1 八戸市美術館

          夏の青森へ、現代アートに会いに行ってきました! 2024年は青森のアートを五感で感じる「AOMORI GOKAN アートフェス」が開催中で、今回はその参加施設を訪れましたが、バスツアーで行ったのでフェスの展示や企画展は観たり観なかったりです。 八戸市美術館八戸市美術館は、アートを通した出会いが人を育み、人の成長がまちを創る「出会いと学びのアートファーム」がコンセプトの市立美術館です。アーティストや美術館スタッフと協働して美術館活動に関わる市民「アートファーマー」(東京都美

          58arts|青森 現代アートに出会う旅 1 八戸市美術館

          57arts|日常アップデート(東京都渋谷公園通りギャラリー)

          毎日は新たな体験の記憶の繰り返し、そうした日常をさまざまな観点で表現する6名の作家の展覧会が、東京都渋谷公園通りギャラリーで開催中です。 同ギャラリーは、東京におけるアール・ブリュットなどの振興の拠点として展示やワークショップを行う施設で、展覧会は基本無料です。渋谷パルコの近く、渋谷区立勤労福祉会館の建物内にあります。 宮田篤(みやたあつし)壁一面に冊子の入った封筒がずらり。来場者は、気になる冊子を手に取って読むことができます。 宮田篤さんの《微分帖》(びぶんちょう)は

          57arts|日常アップデート(東京都渋谷公園通りギャラリー)

          56arts|五感であじわう日本の美術(三井記念美術館)

          「おいしそう」「いい香りがしそう」と想像しながら、三井記念美術館の所蔵作品を鑑賞してきました! 本展は、日本・東洋の古美術に親しんでもらう「美術の遊びとこころ」シリーズの第8弾。夏休み期間に合わせて、重要文化財を含む優れた絵画・工芸品を気負いなく鑑賞してもらおう! という趣旨で企画された展覧会です。 五感であじわうと言いつつ、ほとんどガラスケースの中なので観るだけです。 三井記念美術館って? 三井家が江戸時代から収集してきた国宝6点・重要文化財75点を含む美術品40

          56arts|五感であじわう日本の美術(三井記念美術館)

          55arts|デ・キリコ展(東京都美術館)

          「形而上絵画」で後世のアーティストに大きな影響を与えたジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)の展覧会に行ってきました! 東京都美術館で2024年4月27日~8月29日まで開催しています。 撮影禁止なので、公式ウェブサイトのスクショを使って紹介します。 デ・キリコを紐解く Q&Aデ・キリコってどんな人? 公式ウェブサイトによると、1888年、イタリア人の両親のもと、ギリシャに誕生。父の死後にミュンヘンに移り、アカデミーで絵画を学びます。 上の自画像・肖像画をみると、

          55arts|デ・キリコ展(東京都美術館)

          最新のお仕事|ぐるっとパス(Tokyo Art Navigation)

          ぐるっとパス連載で、六本木・新宿エリアのミュージアムを訪問しました! ぐるっとパスのみで入場できる「菊池寛実記念 智美術館(きくちかんじつきねん ともびじゅつかん)」「文化学園服飾博物館」「東京オペラシティ アートギャラリー」の3施設を前後編で紹介しています。 現代陶芸を扱う「菊池寛実記念 智美術館」は、建築や展示空間が素敵なミュージアムなので、陶芸や工芸に馴染みのない方も、一度は訪れていただきたい場所です。 ガラスの手すりが輝く螺旋階段や特別感の漂う空間に照らし出される作

          最新のお仕事|ぐるっとパス(Tokyo Art Navigation)

          53arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(後編) 山形県郷土館「文翔館」

          山形県郷土館「文翔館」は、1916年(大正5年)に旧県庁舎および県会議事堂として建設され、1975年(昭和50年)まで実際に使用されました。1984年(昭和59年)に国の重要文化財に指定、現在は山形県郷土館として無料公開されています。 英国近世復興様式の建物 「英国近世復興様式」と検索すると文翔館しか出てこないのですが、近世のイギリスで流行した様式を復興=リヴァイヴァルした様式のようです。 近世が、東ローマ帝国の滅亡及び、ルネサンス・宗教改革・大航海時代あたり(15世紀

          53arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(後編) 山形県郷土館「文翔館」

          52arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(中編) 山形市郷土館(旧済生館本館)

          同じく霞城公園内にある山形市郷土館(旧済生館本館)は、かつて診療所兼医学校として使われていた擬洋風建築の建物で、国の重要文化財に指定されています。 和洋折衷の擬洋風建築擬洋風建築とは 欧米の建築を日本の職人が真似た建物のこと。建物全体の形や窓や柱の意匠は西洋風ですが、瓦屋根や板張りの壁には日本の木造建築の技術が使われています。 この山形市郷土館(旧済生館本館)は、当時横浜にあったイギリス海軍病院を参考にしています。土木県令・鬼県令と呼ばれた初代山形県令・三島通庸(みしま

          52arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(中編) 山形市郷土館(旧済生館本館)

          51arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(前編) 山形県立博物館

          アート旅行記第2弾! 今回は山形市の歴史に触れる3つのミュージアムをめぐります。(行ったのは2022年冬)山形在住の友人の運転で行きましたが、徒歩でも1日で回れる距離です。 前回は福島県須賀川市をレポートしました↓ いにしえの山形を物語る二大スター山形県立博物館は、山形城跡を整備してつくられた霞城公園内の文化施設の一つです。山形城なの?霞城なの? と戸惑いますが、出羽の関ヶ原合戦「長谷堂合戦」の際に城郭が霞で隠れて見えなかったことから山形城は「霞ケ城」とも呼ばれ、そこから

          51arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(前編) 山形県立博物館

          50arts|四月大歌舞伎(歌舞伎座)

          とうらぶ歌舞伎を観た観劇好き審神者(さにわ)の友人と桟敷席デビューしてきました! 友人は歌舞伎座での歌舞伎は初めて、私も桟敷席は初めてです。 今回は、桟敷デビューのご参考になるよう、チケットを取ってから終演までをレポートします。 歌舞伎入門的な記事は、もうちょっと歌舞伎慣れしてきたら書きたいです。 桟敷席とは? 歌舞伎の劇場には、通常の劇場やホールのような1等席・2等席、A席・B席という区分のほかに、特別な席があります。 そのひとつが桟敷席です。客席の両側にあるテーブ

          50arts|四月大歌舞伎(歌舞伎座)