ABC art

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最近の記事

マティス展

朝早くからマティス展を新国立美術館に見に行く。 月曜日に開館している美術館は限られており、その中でも見たい展示があるので、迷わずにこちらにした。 桜が満開で、曇りではあるが、心地良いロケーションだ。 人気のあるマティスだが、やはり朝一番だと人も少なく、ゆっくり出来る マティスの色彩とフォルムに魅せられ、充実した時間を過ごす事が出来た。 随分と前に、ニースのマチス美術館に行った時の事も色鮮やかに思い出した。 ヴァンスの礼拝堂の作品も素晴らしい。 マティスの色合いは、南仏の空や自

    • Le Salonと日本の美術家

      350年以上続くフランスの公募展、ル・サロン,ドラクロア、ミレー、マネ、セザンヌ、ルノアール、モネなどの巨匠を産み、日本人の画家も入選を果たし、芸術家の登竜門とされています。 ル・サロンの絵画部門代表のアラン・バザール氏監修の元に、この本は発行されました。 日本とフランスの芸術家の架け橋として、全てのル・サロンにおける作品を振り返り、美術史に名前を刻む芸術家の足跡を保存する為に発刊されました。 Amazonで、購入することができます。

      • ジャニス・ジョプリン

        今でも、時々は聴きたくなるのは、ジャニスの最後のアルバムのPearl 自らの死を悟っていたかのような内容には、驚かされる。 cry baby. move over. も好きだが、やはり、Mercedes Benzを忘れられない。 ジャニスが亡くなる前に作った曲であり、死の3日前にレコーディングしたという。 ジャニスといえば、流星の如く現れて、その掠れた声でシャウトする歌声で、瞬く間に伝説のブルースの女王になり、オーバードーズで吐いたものが気管に詰まり、27歳で亡くなり、彼女

        • 後妻業の女

          数年前に、珍しく映画館で見た映画。後妻業の女。 原作自体も話題になっているが、映画もなかなかの出来栄えだった。 年老いた男性が、孤独に耐えられずに、わかっていても、こういう詐欺師に引っかかってしまう心境も良く分かる。 映画館にも、初老の男性客が、ところどころに座り、映画に見入っていた。 私の身の周りを見ても、この女性は後妻業では?と気がつく場面も少なくない。 老いと向き合って、孤独に耐える事に逃げてしまう前に、人生と自分に向き合い、寿命を全うする事が出来たらと願う。 結婚相

        マティス展

          けものみち

          一年ほど前に、昔みたNHKのドラマ「けものみち」が放映されていた。 私が小学生ぐらいの時に見たドラマで、なかなか印象に残るドラマであった。 最近文春で、ある代議士の妻が、過去に殺人事件に関与していると文春砲を撃たれ、何週間もの間、特集を組まれていた。 まるで、けものみちのようだなと、思わず思ってしまった。 料亭の仲居・成沢民子(名取裕子)は、ヤクザの身体の不自由な夫を養っているが,自分の人生に絶望している。 ホテルの支配人・小滝(山崎努)が、たまたま民子の勤める料亭に来て、

          けものみち

          宗家の三姉妹

          「一人は金と、一人は権力と、一人は国家と結婚した」 冒頭のナレーションから始まる宗家の三姉妹と言う映画。 中国の大財閥であり牧師でもあるチャーリー宗の娘達、宋慶齢、宋靄齢、宗美齢の三姉妹の大河ドラマである。 中国を動かし、又、世界に影響を与え続ける客家人の家系の歴史でもある。 進歩的な考えを持つチャーリー宗は、三姉妹をアメリカ留学させる。 長女靄齢は財閥の孔祥熙、次女慶齢は中国革命の父・孫文、そして三女美齢は後の中華民国総統・蔣介石と結婚する。 辛亥革命、満州事変、西安事件、

          宗家の三姉妹

          ミンボーの女

          随分前にみた伊丹十三監督のミンボーの女という映画を急に思い出した。 伊丹監督の映画が大好きで、あのテンポの良さとアイデア、宮本信子の演技力に圧倒され、あっという間に映画の世界に引き込まれてしまう。 様々な形で、主人公が、悪を暴き、立ち向かい、立回り、相手を追い込む姿が、見るものを感動させる。 ストーリーは、 ヤクザにゆすられ続けるホテル・ヨーロッパ。ヤクザの脅しに屈して簡単に金を出してしまうため、ホテルには日本中のヤクザが引っ切り無しに訪れ、サミットの会場の招致も危機管理の甘

          ミンボーの女

          コクトー

          芸術は、意識と無意識の融合である。 
Art is a marriage of the conscious and the unconscious. 
昔、草月会館でジャンコクトーの映画を見に行ったことを思い出します。 
オルフェ 恐るべき子供たち 美女と野獣 双頭の鷲 
どれも素晴らしい作品で、暗闇の中で見る白黒映画は、脳裏の自分の記憶の奥に留まり、独特の世界を発酵させ続けているように思います。 夢の中を彷徨っているような感覚を覚えるコクトーの映像でした。 
そして彼の独

          コクトー

          Doors

          未だ、10代の頃だったと思う。The Doorsにハマってしまった時期があった。 
ジムモリソンのカリスマ性と彼の描く詩の世界に魅力された。 彼の父は、アメリカ海軍の軍人でかなりの地位に登りつめた人物だと言う。 ベトナム戦争で、疲弊し切った70年代を駆け足で、生き急いだ詩人がジムモリソンだ。 悪魔に魅入られ、使命を終えたら、あの世に召された。 27クラブの代表的な伝説のメンバーとなった。 
彼の幼い頃の体験、インディアンの自動車事故をたまたま目撃してしまい、その時にイン

          look at the sun

          look at the sun

          バルティス

          随分前の話で恐縮ですが、バルテュス展を見に行きました。 
バルテュスは好きな画家なので、画集も買っていました。 
実際、フランスで見たことはありますが、日本でまとまった量を見るのは初めてです 
この少女の絵も気になる絵でした。 
少女の恍惚とも云える物思いにふけった表情が、官能的に見えます。 
足を開いて下着が見える格好なのですが、なんだか血の痕のようなものが見えているようにも、見方によっては物語性を感じる不思議な絵だと思います。 
初潮を迎えた少女の一時の官能性を表現する独

          バルティス

          ストーカー

          現像カウンターで働くサイは家族も友人もいない孤独な中年男だ。 
常連客の主婦のニーナ・ヨーキンの幸せそうな家庭に憧れている。 
サイは、ヨーキン家の写真をこっそり自宅の壁に貼り、自分が家族になる空想していた。 
実際のヨーキン家は夫婦喧嘩でいさかいの堪えない日々だった。 
ある日、サイは上司から解雇を告げられる。 
サイは、ニーナの夫が他の女性と浮気していたことに気が付いた。 
自暴自棄になったサイは激情にかられ、ニーナの夫と相手の女性を脅して裸の写真を撮影する。 
異常な行

          ストーカー

          ピアフ

          1915年、パリの路上で歌う母に養われるエディット・ジョヴァンナ・ガションは、祖母が経営する娼館に預けられる。 復員した父に引き取られ、大道芸をする父の手伝いをしながら人前で歌うことを覚えていったエディット(マリオン・コティヤール)は、1935年、人生の転機を迎える。 パリ市内の名門クラブのオーナー、ルイ・ルプレ(ジェラール・ドパルデュー)にスカウトされ、エディット・ピアフという名で歌手デビューを果たすのだった。 舞台は大成功し、ピアフは一躍時の人となるが、翌36年、ル

          霊性 感性

          こういうことを書くと、随分夢見がちな人間だなと思われても仕方ないと覚悟している。 
数年前の話であるが、一人で南仏とパリの美術館を巡る旅行をしていた。 
ゴッホのアルルの跳ね橋を見てきたばかりだったので、パリのオルセーでゴッホの絵を探していた。 
ドガやモネはすぐに見つかるのだが、なかなかゴッホのコーナーに行き当たらない・・ 
すると、知り合いのいないはずのフランスなのに、後ろから強い視線を感じた。 
じっと見られているようで、背中に刺すような感覚がした。 
後ろを振り返ると

          霊性 感性

          煙突

          ふと、ある話を思い出す。 ある町に大きな煙突があったそうです。
 煙突の周囲の町の人たちが数人で話していたら、それぞれの意見がどうしてもかみ合わなくなりました。
 煙突の数がそれぞれ住んでいる場所によって、本数が違うというのです。
 南側に住んでいる人から見ると4本、東側に住んでいる人は6本、北側に住んでいる人は8本、西側に住んでいる人は12本と言い張るのです。
 それぞれの人が、私は30年も住んでいる、 あの煙突は絶対に8本だ、やれ12本だと言い合っているうちに、ならば