ミンボーの女

随分前にみた伊丹十三監督のミンボーの女という映画を急に思い出した。
伊丹監督の映画が大好きで、あのテンポの良さとアイデア、宮本信子の演技力に圧倒され、あっという間に映画の世界に引き込まれてしまう。
様々な形で、主人公が、悪を暴き、立ち向かい、立回り、相手を追い込む姿が、見るものを感動させる。
ストーリーは、
ヤクザにゆすられ続けるホテル・ヨーロッパ。ヤクザの脅しに屈して簡単に金を出してしまうため、ホテルには日本中のヤクザが引っ切り無しに訪れ、サミットの会場の招致も危機管理の甘さを理由に外務省から断られてしまう有様だった。この状況を打開すべく、総支配人の小林は経理部の鈴木勇気・ベルボーイの若杉太郎の2人にヤクザ対応を一任する。しかし、何の知識もないままに対応を押し付けられた2人は、ヤクザを追い出すどころか火に油を注いでしまい、ますますヤクザの恐喝を悪化させてしまう。見かねた小林はついに外部からプロを雇うことにした。それが民事介入暴力(民暴)を専門とする弁護士、井上まひるであった。

まひるは豊富な経験と法律の知識を武器にヤクザへ堂々と立ち向かい、港町警察署刑事課暴力犯係長の明智刑事に協力してもらいながら、鈴木と若杉に「ヤクザを怖がらない」ことを教え、2人は徐々に勇気を持つようになった。そんな中、小林はゴルフ場で知り合った入内島という男性に誘われるがまま賭けゴルフをしてしまう。しかし実は、入内島はヤクザ組織の中心人物であり、賭けゴルフをきっかけとして総支配人にスキャンダルの罠を仕掛け、莫大な金をせびろうとする。

まひるの指揮下でなかなか脅迫に屈しないホテルに対し、入内島らは街宣車を送り込むなどの嫌がらせを行う。これに対抗し、まひると若杉は組事務所への不作為の仮処分を裁判所に申請したが、2人は入内島らが差し向けた鉄砲玉の襲撃を受ける。ヤクザへの怒りに燃える若杉は鉄砲玉を打ちのめすが、刺されたまひるは出血多量で病院に担ぎ込まれてしまう。

まひるが病院で生死の境をさまよっている最中、入内島らヤクザは彼女の不在を幸いとして大挙してホテルに乗り込んでくる。まひるなしで交渉に臨む鈴木、若杉と小林であったが、既に彼らは以前の臆病なホテルマンではなく、決して脅しに屈さず、逆に恐喝の言質を取ることに成功する。ヤクザたちは待機していた明智刑事率いる警官隊により、恐喝の現行犯で一網打尽にされたのだった。

意識を取り戻し、杖をつきながらホテルに戻ってきたまひる。そこに新たなヤクザの大親分が大勢の手下を連れてホテルへと入ってくる。しかし鈴木・若杉ら従業員たちはヤクザたちの前に毅然と立ちはだかり、これまでの知識と経験を総動員させ親分たちのホテルの利用をきっぱりと断りつけた。大親分は彼らの姿に薄笑いを浮かべた後、黙ってホテルを去るしかなかった。飛び上がって喜ぶ一同。ホテル・ヨーロッパの成長した姿がそこにはあった。{Wikipedia引用)

マルサの女同様に、ストーリー、音楽、役者、全てににおいて、観客を物語に引き込み、映画館を出る頃には、自分が宮本信子になったのごとく、度胸がついて勇気も湧いてくる。
全てにおいてそうだが、どんな圧力にも、簡単に屈しない姿勢を持つと、圧力をかける側は、自ずと圧力はかけにくい状況になる。
伊丹十三監督は、大変残念ながら、不慮の死を遂げたが、彼の映画は、未だに全ての人に勇気を与え続ける。


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