20年前の詞

私が高校生の頃の音楽業界は盛り上がっていた。

CDの売上が過去最高を記録しているのも、この頃だと思う。

当時は「ヴィジュアル系」という言葉が浸透し始めていて、ヴィジュアル系に限らず多くのバンドがヒットチャートを占めていた。

「バンド組みたい」とやんわり思い、仲の良い友達(彼女とは今も続いている)に声をかけたが「えー、嫌」の一言で終わった。

さすが親友。

一応、バンド名も考えていた。

その名は「SAIL」

名詞で「帆」、動詞で「航海する」

サインも作っていた。自分の名前とSAILの文字を入れたサイン。

ベースの裏に書いた。

SAILのファーストアルバムのタイトルは ”Sail, Sailer, Sailest” という造語のタイトル。

ここまで予定を立てていた(妄想していた)が、親友を誘って断られた以降、メンバー探しはしなかった。

ただ「なんとなくバンドしてみたい」欲はあったので、通販でベースを買って独学で練習してみたり、作詞作曲はそれとなくしていた。

ギターもピアノも弾けず、楽譜も書けない読めない私なので、メロディーは鼻歌で作っていた。

全部は思い出せないが、サビの歌詞とメロディーは未だに覚えている歌がある。

20年間私の部屋のノートに埋もれていたこの曲を、ここに放ってみようと思う。

放ったところで、何処にも飛んでいかないとは思うが、18歳の頃にほんの少し抱いた「自分の曲が世の中に出る」という夢を、やんわりと叶えてみる。

タイトルは「Melting Point」

Melting Point 見つけて 2人のハートが凍る前に

キスした瞬間いつもと違う気がした

苦し紛れに出したそのセリフが

優しさのつもりなら 言わない方がマシだった


当時は恋愛未経験、キスすらしたことないのに。

だいぶ背伸びして書いた歌詞。

恋愛未経験なのに、なぜ倦怠期のカップルの曲を書いたのだろうか。

ちなみに「Melting Point」と「苦し」が同じメロディーで始まる。

「音符が読めない・書けない」なので、この歌詞部分は歌えるが、どの音かは表せない。

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