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西洋医学とアロマテラピー~日本における西洋医学とアロマの融合について~


毎年くる辛い花粉の季節。花粉症の方たちがアロマテラピーで症状を緩和出来ないものなのかと思い、世界的に活躍する昭和大学病院病院長及び呼吸器アレルギー内科教授相良博典先生にお話を伺ってきました。

相良博典先生
昭和大学病院病院長兼呼吸器・アレルギー内科主任教授。
獨協大学医学部卒業後、英国サザンプトン大学での留学経験もあり、国内外での研究と臨床医としての豊富な経験を持つ。

Mika:先生、本日はよろしくお願いします。

相良:よろしくお願いします。

Mika:早速ですが、日本ではあまりアロマテラピーの研究が進んでいないと感じています。西洋医学の観点からすると、薬とは違うアロマテラピーはどのような捉えられ方なのでしょうか。相良教授はアロマを使用されたことはありますか。

相良先生:私がイギリスに居た頃は良くアロマを使っていましたよ。アロマはヨーロッパのものだからね。特にイギリスとフランスで用いられています。

Mika:そうですよね。アロマといえばイギリスとフランスを思い浮かべる方が多いかと思います。日本で有名な精油ブランドは、私が愛用しているもの含め、ヨーロッパのものが多いです。

相良:日本ではアロマテラピーは新しい分野かもしれないけど、アロマには長い歴史があって、私も滞在中は腰痛のペインリリーフの為にアロマを調合してもらっていました。セラピストが家に来て、症状に合わせて何種類かの物を調合し、痛みがある部分に塗っていました。それがすごく良かったのを覚えています。何回かお願いしましたが、痛みの程度でその種類や調合を変えていたようです。そもそも痛みっていうのは、緊張感が高まって出るものだったりするから、アロマにはそこを緩ませてリラックスさせる作用もあるんだよね。

Mika:アロマのリラックス作用は、私もアロマを使うたびにその効果の高さを実感しています。フランスではメディカルアロマとしての歴史も長いですが、日本ではアロマを治療には使いませんね。

「アロマテラピー」という言葉は、フランス人の化学者ルネ・モーリスガットフォセが火傷を負い、とっさにラベンダー精油に手を浸したのをきっかけに研究が進み、生まれたもの。第二次世界大戦では薬が不足した際に、治療の為に使われていました。

相良:西洋医学と植物療法の相性は良いと思っているので、アロマだけで治す、というよりは組み合わせると良いかもしれないです。アロマテラピーは、疲労感がある時や何となく気分が上がらない時やる気を出させてくれたりとメンタル面での作用が見られますよね。これは結局、細胞の活性化にもつながってきます。
 
Mika:なるほど。ストレスや疲労が溜まらないように上手く香りを活用すると、ストレスを軽減してNK細胞が活性化されますよね。

NK細胞:ナチュラルキラー細胞の略。リンパ球の一種で、がん細胞やウィルス感染細胞などを見つけ攻撃します。笑うことで活性化されるとも言われています。


免疫に関与している細胞が増えれば、アレルギーが出にくくなると思うんです。ただ現状は、メンタル面での補助的な使われ方がメインで、科学的・医学的観点から見て、精油は花粉などのアレルギー症状が出始めてからではアロマテラピーは意味がないのでしょうか。

相良先生 :いや、あると思います。香りは神経系にかなり影響を与えると思うので。香りを感知する視床下部は、体調全体に影響を及ぼす自律神経の働きを調整するので、症状も抑えるし、緩和出来ていると思います。ただ、症状が出てしまっている場合は、薬との併用をおすすめします。体調を整えたり、アレルギー反応を緩和するベースとして使っておくと、免疫賦活作用につながっていくのではないでしょうか。自分の状態を良くして、恒常性の維持をしておけば、出る症状もやわらげられる可能性も高くなると思うのです。酷い症状が出なければ、使う薬も少なく或いは軽く済むだろうから。

免疫賦活とは、身体の免疫を活発にすることで、免疫が上がることで外敵や異物の侵入から身を守ることが出来ます。


Mika : 未然に防ぐためにアロマを使うのがベストということですよね。それでは、アロマテラピーは、どのような捉え方なのでしょうか。

相良:アロマテラピーを否定する人はいないとは思いますが、西洋医学をやってる医療従事者にとっては、あまり踏み込んでいない分野なので未知数です。しかし、これからはアロマと西洋医学との融合が重要になってくる時代が来るんじゃないかと考えています。これらを上手く組み合わせて、西洋医学の効果をより引き出してくれるのではないかと思います。そのためにもアロマの良いところを積極的に取り入れる試みはもちろんのこと、どのような効果が発揮できるのかを科学的に検証していく必要があるのではないでしょうか。

Mika:どうしても薬を頼りたくない患者様が受診された場合、花粉やアレルギー対策にはどのような指導をしますか。

相良:そんな人はそもそも病院に来ないと思うんだけど(笑)。 まずは最低限の薬を出して、マスクやゴーグルなどで予防してもらって、将来的に花粉症が出なくする為にどうするかの話をします。免疫力を高める話もします。生体防御機構を上げる。そこにアロマの話が出てくるかなと思います。もちろん、腸内環境を整えるのも大事なことです。

Mika:代替、補完治療としてもアロマはまだ難しいでしょうか。

相良:まずはアロマの役割を良く理解したうえで西洋医学の足りない部分、あるいは作用をより引き出してあげる部分として、代替治療あるいは補完治療として活躍の場を見つけていくことが重要であると思います。まだ日本においては多くは行われていませんので、これから積極的に取り入れて多くの成果を出していくといいですね。学問としてもとても面白いと思いますし、興味があります。

Mika:やはりアロマは薬とは違うので日常に取り入れ、コツコツ使っていくことが大事なんですね。私の所属するAEAJの研究でも、ラベンダー精油のトリートメントで高齢者のNK細胞が活性化され、免疫力が上がったという研究結果が出ていました。引き続き、私も使い続けてみます。ところで、香水などがお好きなのは存じ上げていますが、精油だとどんな香りがお好きですか。

相良:私はローズが好きです。嗅ぐと落ち着きますね。

Mika:ローズなんですね。確かにローズはオキシトシンを分泌し幸せホルモンを出してくれるんですよね。医師のお仕事は大変ハードだと思いますが、ぜひ普段の生活にアロマを取り入れてこれからも日本の医療のために頑張ってください。

相良:ありがとう。

Mika:こちらこそ、本日は貴重なお話をありがとうございました。


講師としてアロマの可能性というものを感じているものの、日本ではその有用性が医学的には確立されていないと感じ、西洋医学でのアロマテラピーの立ち位置を含め、相良先生にお話を伺ってきました。今回改めて、アロマが日々の生活の中で免疫力アップに有効であることが確認できました。今後も様々な分野のプロフェッショナルにお話を伺い、記事にしていきたいです。
Aromatise Mika


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