aromatise salon

香りのことを書いてます✍

aromatise salon

香りのことを書いてます✍

最近の記事

金木犀

10月のテーマ【金木犀】の蒸留会が終わりました。金木犀の素晴らしさについて、書きたいと思います! 金木犀は、沈丁花、クチナシと並ぶ三大香木です。精油としては、収油率が低く、お花が繊細で熱に弱いので、抽出が非常に難しいため、大変高価で、中々本物を取り扱っている場所がありません。一方で、人工香料の金木犀の香りは、花の香りを比較的簡単に再現できることから人気で、香水などにはもちろん人工香料が使われています。精油も人工香料も、どちらも芳しく、優しい香りです。 金木犀の属名の学名は

    • ラベンダーについて

      8月のAromatiseのテーマはラベンダーでした。蒸留のイベントを始めてから、ずっとテーマにしたかったラベンダー。ブレンドしても、塗っても、どう使っても、ラベンダーには勝るものはないような気がしています。ラベンダーは万能なエッセンシャルオイルで、「ハーブの女王」や「香りの女王」などと呼ばれ、昔から私たちの身近にあるハーブの1つです。(日本だと1810年代に渡来し、現在では北海道の富良野が有名です)美しい紫色の花弁が特徴で、淡い紫色の洋服をラベンダーカラーなどと言いますよね。

      • サンダルウッド(白檀)について

        先日開催した、香道×アロマテラピーのレッスン。 香りはサンダルウッドをテーマにしました。サンダルウッドと白檀は、呼び名は違いますが、同じビャクダン科の常緑高木のことです。お香や香木として使う場合は、白檀と呼び、アロマテラピーなどで使うエッセンシャルオイルをサンダルウッドと言ったりします。日本人に馴染みのある、高貴な香りです。日本の香り文化については、少し前に書いたnoteがあるので、興味がある方はこちらを読んでみてください。 サンダルウッドの歴史はとても長く、日本の香り文

        • 紅茶も一種のアロマテラピーです

          紅茶を淹れる時、立ち込める香りに癒されることがあるかと思います。香りがついた紅茶を「着紅茶」といい、フレーバーティー(flavored tea)や、パフュームドティー(Perfumed Tea)などと言います。今回はそんな香り高い紅茶の中でも、特に人気なアールグレイに焦点を当てたレッスンを開催しました。紅茶のレッスンは、その道23年の大ベテラン先生をお呼びしました。 アールグレイとは、ベースの茶葉をベルガモットで香り付けした芳醇でフルーティーなフレーバーティーのことです。香

          香りと音の繋がり(香階)について

          東京芸術劇場で開催されていた、読売日本交響楽団の土曜マチネシリーズを、鑑賞しに行ってきました。本当に素晴らしかったです。 ヴァイオリンやピアノ、 コントラバスにオーボエやハープなど、 様々な楽器の音色が組み合わさり、心地よいハーモニーを生み出していました。 香りをブレンドする際も、 複数の香りがバランスよく組み合わさり 、良い香りが演出されるイメージを持つようにと 、教えています。 ただ教えているだけでは、忘れてしまいがちですが 、素敵な音楽に触れると、なるほどと感じます

          香りと音の繋がり(香階)について

          レモングラスの蒸留

          こんにちは。アロマ講師をしているMikaです。港区高輪でアロマクラフトサロンAromatiseを主宰し、エッセンシャルオイルのブレンドレッスンなどを提供しています。最近では、植物を蒸留し、エッセンシャルオイルや芳香蒸留水の抽出過程を楽しみしながら、ただ香りをブレンドするだけでなく、植物を余すことなく使うイベントを開催しています。今月のテーマはレモングラス。日本人にも馴染みのあるハーブで、夏バテに効果的な成分が豊富なので、本格的に暑くなる前に、皆様に知っていただきたく選びました

          レモングラスの蒸留

          いちごの香り

          いちごは、香り豊かな食材として有名です。 食べると甘酸っぱくて、瑞々しく美味しいですよね。 香りがその魅力を引き立てているのですが、では、どの様な香気成分が含まれているのでしょうか。 いちごを香気成分から紐解くと、フラネオール(別名ストロベリーフラノン)やエステル類の幾つかのフルーティーな成分と、青葉アルデヒドなどの青っぽい香りがフレッシュな苺らしさを作っています。全部で100種類以上の香気成分がいちごの香りを作っており、代表的な幾つかを紹介したいと思います。 まずはフ

          いちごの香り

          日本の香り文化について

          今日4月18日は、お香の日。 日本に初めて香木が伝わったのが4月であったことと 「香」の字を分解して並べると「一」「十」「八」「日」つまり 「十八日」となることに由来しています。 「香道」とは、6世紀に中国から伝わった 日本のアロマテラピーです。 6世紀(聖徳時代の頃)に、淡路島へ漂着した流木を漁師が燃やしたところ えも言われぬ芳香を発したので、朝廷へ届け出たとのこと。 これが日本で最も有名な香木であり 奈良の正倉院御物になっている「蘭奢待」(らんじゃたい)の正体です。

          日本の香り文化について

          香りを味わう、香水を飲む

          先日開催した「香りを味わう、香水を飲む」カクテルParty。 香水を飲んだら、どんな味がするのだろうか。 飲めないのは分かっているけれど、限りなく近い物を飲んでみたい。 精油とアルコールを混ぜると、香水が出来るように、芳香蒸留水とアルコールを混ぜると香水の様なカクテルが出来るのならば、それを飲んで、身体の内側から美しくなってもらおう。 そんな想いで、今回の会を企画しました。 こちらの写真は、メニュ―決めの打ち合わせでBarに伺った時の様子。 左から夏みかん、月桃、

          香りを味わう、香水を飲む

          いちごの蒸留会を開催します🍓

          春のイベントは、いちごの蒸留会です🍓 旬のいちごを蒸留し、芳香蒸留水をつくります。 その前に、少しいちごのお勉強を。 いちごは、バラ科の植物で、白くて小さな花を咲かせます。 普段、良く目にする八重咲きのバラといちごの花は、似てもにつきませんが、野生種に近い一重咲きのバラと比べるとそっくりです。 リンゴや、さくらんぼ、梨もバラ科です。 女性が好きなフルーツは、ほぼほぼバラ科といっても過言ではないです。 それぞれの花を見たてみたら、そっくりなので同じ科なのも頷けます。(写真

          いちごの蒸留会を開催します🍓

          西洋医学とアロマテラピー~日本における西洋医学とアロマの融合について~

          毎年くる辛い花粉の季節。花粉症の方たちがアロマテラピーで症状を緩和出来ないものなのかと思い、世界的に活躍する昭和大学病院病院長及び呼吸器アレルギー内科教授相良博典先生にお話を伺ってきました。 Mika:先生、本日はよろしくお願いします。 相良:よろしくお願いします。 Mika:早速ですが、日本ではあまりアロマテラピーの研究が進んでいないと感じています。西洋医学の観点からすると、薬とは違うアロマテラピーはどのような捉えられ方なのでしょうか。相良教授はアロマを使用されたこと

          西洋医学とアロマテラピー~日本における西洋医学とアロマの融合について~

          秋薔薇

          ホテルニューオータニ東京のレッドローズガーデンへ。 約30品種、3万輪の赤バラを楽しめます。 バラは、ジャスミン、スズランと並ぶ三大香花の1つです。 その中でも秋のバラは、特に香りが芳しい。 バラは、晴れたの日の朝に咲き進んでいる花よりも 開きはじめの香りが、1番強いと言われています。 棘に気をつけて嗅いでみて下さい。 夏の暑さを乗り越えた秋バラは しっとりと落ち着いていて 色味も濃く、奥ゆかしい雰囲気をまとっています。 春より熟成され 品種によっては、なん

          月桃の蒸留

          石垣島で自生している月桃の蒸留へ。 月桃を蒸留するなら冬が良い、と聞いていましたが 本当に強く濃く、植物のたくましさを感じました🙌 サトウキビ畑に自生している月桃を穫り キレイに拭いてから 蒸留しやすい大きさに切り 蒸留をスタート。 あっという間に天然の芳香蒸留水が出来上がりました。 月桃の香りは、虫除けで有名ですが 女性ホルモンを整えたり 強い抗炎症・抗菌作用も。 ポリフェノールも 赤ワインの約34倍もあるのだとか🫶 ここまで良い香りだとは、、! 先

          墨の香り

          固形墨の香りは、一種のアロマテラピーです。 写経で心が落ち着く、というのは 墨に含まれる香りの影響もあります。 墨を研ぎはじめると清々しく 静かさを感じさせる香りがします。 これは墨の原料の一つである「膠」の匂いを消すために使っている「龍脳」が入っているからです。 別名 ボルネオール 鎮痛、鎮静作用があります。 楊貴妃も好んでつけていた事で有名な香りです。 希少なので、今では合成されているものが多く 精油ではパチュリが良く似た香り。 墨を想起させます。(ボル

          植物の収油率について。

          お花屋さんや自然の多い場所へ行くと、花や木々の香りはいたるところで発せられているのですが 鼻を近づけてみないと気が付かない。 または油胞を潰してみないと、十分香らないものが多いです。 香りが華やかで良いお花に出逢っても 精油としては、ないものも多いです。 これは、精油の収油率(抽出できる精油の割合)が低すぎて、高価だったり、手間もかかりすぎてしまうからです。 アロマテラピーで使う精油は収油率が高いものが多い。 例えばラベンダーでは 植物の重量の0.7~0.85%で

          植物の収油率について。