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日本の香り文化について

今日4月18日は、お香の日。
日本に初めて香木が伝わったのが4月であったことと
「香」の字を分解して並べると「一」「十」「八」「日」つまり
「十八日」となることに由来しています。

「香道」とは、6世紀に中国から伝わった
日本のアロマテラピーです。

6世紀(聖徳時代の頃)に、淡路島へ漂着した流木を漁師が燃やしたところ
えも言われぬ芳香を発したので、朝廷へ届け出たとのこと。

これが日本で最も有名な香木であり
奈良の正倉院御物になっている「蘭奢待」(らんじゃたい)の正体です。

以降、大切に保管され、この歴史的な香木の一部を
切り取ったのは、足利八代将軍義政、織田信長、明治天皇など
数人しかいないと言われています。

見に行きたい!

香木を楽しむようになったのは
平安時代(源氏物語の頃)からです。
貴族らが室内などで、用いていました。

香木にはいくつか種類があり
「伽羅」「沈香」「白檀」などに分かれます。

いずれも日本に自生しているものではなく
東南アジアを中心に採れるもので、インドなどが有名ですよね。

白檀は、日本人にも馴染みにある香りです。
私の祖母の愛用する扇や数珠なども白檀で作られており、とても良い香りだったのを覚えています。扇ぐたびに、柔らかい木材の香りがしました。

また、白檀=サンダルウッドはエッセンシャルオイルとしても
親しまれている香りです。

ベースノートの香りで、ブレンドすると
丸く、深みのある香りを作り出すことができます。

続いて、「伽羅」「沈香」
こちらは沈香という、良質な香木のことを言い
その中でも最高級の香木のことを伽羅と呼びます。

香りは少しシナモンぽさがあり
個人的にはあまり、得意ではないです。
なんとなく、宗教的な香りがします。インドでは、この伽羅を、仏を供養する壮厳の為に香りを焚いたり、身体に香粉を塗ったりしていました。

室町時代になると、文学と結びついて発展。

「人と交わる事で精神的にも豊かなものが生み出される」

という、東山文化の特徴である寄り合いの流れが
茶道や、香道などが広まるきっかけになりました。

茶道と同じで、香道にもいくつかの流派があり
色々な方法で楽しまれています。

中でも、組香という香りを聞き当てる遊びが
貴族の中で流行り、最近も注目されています。

組香にも、いくつか遊び方の種類があります。
私は、源氏香や駒止香を楽しみました。

和歌と合わせて楽しんだり
なんとも雅な遊びなのですが…。
これが中々難しく。

何故かというと、香木の香りがとても繊細で
違いを聞き分けづらい。

真剣な人は、前夜からカレーやコーヒーを摂取せず、香水もつけないで挑むそう。

それくらい繊細な、香りの嗅ぎ分けなのです。

香道では、香りを嗅ぐといわず、「聞く」と言っています。
これは、嗅覚だけでなく、五感を総動員して香りに身を委ねる。ということから来ているのではないかという説と

天然香木には、魂が宿っていると考えられていたため
くんくんとにおいを「嗅ぐ」のは無粋とされ
心から香りと向き合うという意味で「聞く」という
表現になったとも言われています。

エッセンシャルオイルを使うアロマテラピーが大好きな私ですが、日本の香道も楽しく大好き。

家で楽しむために香炉を買いましたが
中々強く香らず、思い切って白檀を蒸留してみたところ

驚くほど良い香りの、芳香蒸留水が取れました。
良質なリナロールを感じれる、幸せなひとときです。

お客様にもこの楽しさをお伝えしたく。
この度、7月に一緒にレッスンさせて頂く事になりました!

聞香をしたり、香木の白檀を蒸留したり
はたまた、エッセンシャルオイルの聞香をしたり。

和のイベントなので、浴衣を着ながら楽しんで頂こうと思います。

着付けができない方も、先生がやって下さるので安心。

平安時代にタイムスリップしたような気持ちで
楽しんでいただけたら、と思っています。

日程の詳細は、これから。
楽しみにして下さると嬉しいです!

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