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【そら散歩】 モントリオール街歩き② モン・ロワイヤルから見渡す街並と隠れ家博物館

朝6時半、夫を見送り自分もモソモソと支度を始める。
足がじんわりと重い。
うっかり夕刻にカフェインを摂取してしまったことで、眠りが浅くどうも疲れが取れていない。
8時には出発しようと思っていたものの、体がゴーサインを出してくれなかった。
やれやれと座り込んだソファーの上でしばし目を瞑る(二度寝だったか?)。

いつの間にか1時間ほど過ぎてしまったものの、おかげで頭も体もスッキリ。

さぁ、街へ出よう。

丘の上から街の様子を眺めよう

この日最初の計画は街を見渡すことができる小高い丘に登ること。
高いところから眺め、その街の雰囲気を感じてみたい。
ホテルから徒歩30分ほどで展望台に辿り着くことができそうだ。

ホテルを出て5分ほど行くとモントリオール美術館がある。
ここもまたモントリオール観光の大きな目玉の一つとのことだが今回は隣を通り過ぎる。

開催中の企画展も面白そう。(こういうのが好き)
翌日は雨予報なので、もしも雨で外歩きが難しかったら行くことにしよう。

ホテルを出てすぐのところにあるモントリオール美術館

美術館周辺にはたくさんのアート作品が点在している。
それらを横目に急坂の住宅地を抜け、整備された遊歩道を登っていく。

やっぱり企画展が気になる・・・
という私の気持ちを代弁しているかのごとき哀愁溢れる体育座り
あぁ悩ましい、その絶妙な角度・・・
丘へと続く急な坂道
北国の坂道、冬は大変だろうなと思ってみたり
モン・ロワイヤルの大階段
素敵な名前がついている
美しい新緑の中を進む
白樺が美しい

ホテルの部屋を出た時は肌寒かったが、階段の中盤まで来た頃には汗をかき息が上がるほどだった。
時折開ける視界からは歩いてきた道と、ダウンタウンエリアがのぞいている。
展望台まではあと少し。

頂上は展望施設が整っており広く眺望が開け、街を見渡すことができる。

ダウンタウンにはたくさんの高層ビルが聳え立つ。モントリオールは180万という人口を有する大都市。
その人口もまた札幌に近しい。
冬の厳しい寒さが課題となる北国でありながらこれだけの大都市を形成していることもまた興味深い。

ダンディなおじさまの絵があるビルのあたりから歩いてきた
よく見ると美術館も見える

景色は霞んでいたものの市街地の向こうにはセントローレンス川を眺めることができた。

ちなみにこの山の背側にはオタワ川が流れており、モントリオールの街はちょうどこれらの川の合流点の中洲であるモントリオール島に位置している。
大きな川が流れるこの地が開拓の拠点となったのも頷ける。

マウント ロイヤル・・・モントリオール

1535年、探検家ジャック・カルティエが最初のヨーロッパ人として現在のモントリオールに到達。
1640年代からフランス人により開拓が始まったそうだ。
おそらく開拓時代、ここから地形を見渡し、街づくりを計画したのだろう。

フランス領から始まったこの地は、植民地抗争の末1760年代にイギリス領となった歴史背景がある。
何やら根深い問題が潜んでいそうだ。
ただ、開拓前からここには先住民族が暮らしていたということも忘れてはならない。
北海道開拓の歴史とシンクロする所でもある。

そんなことに想いを巡らせつつ、モン・ロワイヤルを降りることにした。

次に目指すのはレッドパス博物館だ。

レトロな空気が漂うレッドパス博物館へ

モン・ロワイヤル大階段を降り、ダウンタウン方向へ向け坂を下る。
階段から坂道に抜けるこの景色は爽快だった。

大階段は市街地の坂道へと続く

この坂を下った先ににMcGill University(マギル大学)が広がっている。
次に目指すレッドパス博物館はこの大学構内にある。
あたりには自転車がたくさん止まっていて、いかにも学術エリアという感じ。若者のエネルギーに満ちている。

レッドパス博物館

開館しているのか不安になる程静かだったが、恐る恐る中を覗き扉を開く。
ここでも「ボンジュール・ハロー」と迎えてくれた。
入館料は無料とのこと。
こじんまりとしているが、なんともいえないレトロな空気がたまらない。

Don't think! Feel.
メイン展示室
力強いシロクマ殿
説明よりも
ただひたすら
こういうのが、なんか好き
スキ
奈良からいらっしゃったそうで
甲冑も鎮座しておられた
気になったのは
日本のお守りや絵馬などが飾られたエリア
3階から2階のメインフロアを見渡す

映画ナイトミュージアムに出てきそうなこの博物館。
大学の附属施設ということでこじんまりとしているが、大きな博物館では感じることのできない味わい深さがある。

この日は平日だったこともあり、訪れる利用者もそれほど多くなくじっくり堪能できるのもいい。
私にとっては博物館では何を見るというよりも何を感じるかが楽しいのかもしれない。

博物館の建物を出ると、どこからともなく時折歓声が上がるのが聞こえた。
すれ違う黒いマントを纏った学生さんが花束を手に晴れやかに歩いている。
どうやら大学の卒業式が行われているようだ。
随分と特別な日にやってきてしまった。
嬉しい偶然に祝福の空気をお裾分けいただきながら大学の門を出た。

つづく。





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