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~読むアロマ~「アルケミスト~夢を旅した少年~」パウロ・コエーリョ

物語の世界観を香り(精油)で表現する「読むアロマ」。「読むアロマ」は、思わず手に取ってしまう美しい装丁のように、イメージを香りでデザインしたもの。物語と、精油が持つ香りや働き、様々なエピソードをつなげて、オリジナルのアロマブレンドを作ります。

新旧、ジャンル問わず、好きな物語、気になる話をランダムにピックアップして、作った香りのご紹介です。


アルケミスト

     (アルケミスト/パウロ・コエーリョ著/角川文庫))


本は自分が聞きたいと思う時に、信じられないような物語を話してくれる。


「読むアロマ」を始めてから、昔読んだ本を読みなおす機会が増え、この『アルケミスト』も、ずいぶん前に一度読んだことがありました。

そして、すべての再読に言えることなのですが、以前読んだときと感じ方がそれはもう、おもしろいくらいに違うのです!

この『アルケミスト』も、いつ読んだか定かでないほど昔で、話の内容をほとんど覚えておらず、話題の作品だったから読んだくらいの気持ちだったと思います。

それが、ここにきて、人生のバイブルと出会ってしまいました!(いや、もうとっくに出会ってたしw)

間違いなく、これから何度も読み返すと確信しています。


タイトルがタイトルなので、物語の内容は示唆的でつかみどころがあるような、ないような。「大いなる魂」「ひとつの偉大な真実」などですね。

一方で、パッと頭の中がスパークし、何かがつながる箇所もたくさんあります。例えば、「運命の実現の仕方」「心とはどんなものか」「宝物の見つけ方」「直感とは」とかとか。

めちゃめちゃ気になりませんか?(笑)

いづれにしても、ストーリーを追うというより、言葉を味わう、かみしめる、感じる。

どの言葉、台詞が刺さるかで、今の自分が映し出される鏡力がウルトラ級!


「運命」「魂」「夢」「宇宙」「真実」などの全文に散らばっているキーワードたちは、その言葉それぞれのスケールが大きいので、読み手によって受け取り方を選択できる懐の深さも魅力。

逆にいえば、若いころはその大きさゆえに、「???」ってなったのかも。
クリスタル商人の言う人生のほろ苦さや、らくだ使いのカッコよさなんかが全然わからなかったから(笑)


アロマセラピーと出会い、ホリスティックな視点を学び、「全体のなかの一部」や「細部はすべて」のようなものの見方を知ったあとで、もう一度この作品に触れることの意味はとてつもなく大きい。

ある意味、「自分の心とのつきあい方」「世界の成り立ちについて」「人生の法則」としても読めるので、ちょっと違った角度からの気づき、自己啓発本としてもオススメです。


そして何より、錬金術と精油は切り離せないもの。
精油は錬金術師たちの飽くなき研究と努力からうまれた“大いなる作業”の産物のひとつ。心や身体にダイナミックに働きかけ、変化させることから“賢者の石”とも考えられたという説もあります。

どの精油、香りをとっても、すべてが「アルケミストの香り」と言えるわけです。

なので、今回のブレンドは悩みました!
フランキンセンスやミルラ、サンダルウッドの「神さま」的な精油を1本、または全部持ってくる??という考えもよぎったのですが、私にとっての「アルケミストの香り」と言われたとき、表現したいと思ったのが「前兆」についてでした。

前兆。何をすべきか示してくれる神さまの言葉。

夢の追求の過程で、彼はやる気と勇気を常にテストされていた。あせってもいけないし、いらいらしてもいけなかった。もし、衝動にかられて先を急ぐと、神さまが道すじに置いてくれたサインや前兆を見落としてしまうだろう。

前兆に気づくコツは、「今、ここにフォーカスすること」

それを香りにしてみました。


<読むアロマ「アルケミスト」ブレンド>

・エレミ
・ラベンダー(WILD)
・パチュリ

エレミはフランキンセンスやミルラと同じく樹脂からとれ、静けさと落ち着きをもたらします。名前の由来はアラビア語の「上と下」の意味。錬金術の言葉「上にあるがことく下もあり」に通ずる。

ラベンダーは、標高1000メートル以上の山で収穫された野生種のラベンダーベラ(真正ラベンダー)。その美しい花の色、紫は、赤と青の相反する色でできており、陰陽、女性性と男性性、肉体と精神など二律背反の面を融合させた神秘の色。宇宙とつながる香り。

そして足元を固めるのはパチュリ。「今、ここ」を感じるための身体をしっかりと大地に根付かせます。重心を下に置き、深い呼吸を促す香り。

第1チャクラのパチュリで「今、ここ」にフォーカスし、第6,7チャクラのエレミ、ラベンダーで宇宙とつながり、宇宙を信じ、神さまの言葉(前兆)に気づくというストーリー。

作用的にも、焦りやイライラを鎮め、心や身体の詰まりをゆるめ、スペースが作られていくのを感じるブレンドです。

“マクトゥーブ”

この不思議な響きの言葉をつぶやき香りを嗅ぐ。
そうして、神さまからの言葉を見落とさずにいられますように。

そんなブレンドになりました。

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