~読むアロマ~「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル
物語の世界観を香り(精油)で表現する「読むアロマ」。「読むアロマ」は、思わず手に取ってしまう美しい装丁のように、イメージを香りでデザインしたもの。物語と、精油が持つ香りや働き、様々なエピソードをつなげて、オリジナルのアロマブレンドを作ります。
新旧、ジャンル問わず、好きな物語、気になる話をランダムにピックアップして、作った香りのご紹介です。
個性的なキャラクターや、ジョン・テニエルの魅力的な挿絵によって、世界中で愛されている物語。今から約150年以上前、ヴィクトリア女王時代のイギリスで誕生しました。
一言でいうなら、シュールにユーモアをちりばめた不思議ワールド。
青虫とアリスの「あんた、だれ?」問題
チェシャネコとアリスの「どちらへ行ったらいいでしょう」
「それは君がどこに行きたいかによるね」問答
浅いようで深い。ふざけているようで哲学的。
読み手によって解釈は自由自在。
言葉遊びやライム(脚韻)がちりばめられたストーリーは、分かりずらく感じる方もいるかもしれませんが、今回読んだ河合祥一郎氏の訳は、原文の洒落やリズムのおもしろさを活かした読みやすいバージョンです。
昔挫折したことがある方は、ぜひこちらでお試しになってみてください!
イギリスで学んだ紅茶教室主宰のなおりん先生によると、アリスが書かれたヴィクトリア女王時代は政治が安定していて、文化がいろいろ花開いたとか。
お話に「きゅうりの温室」が出てくるのですが、「なぜゆえきゅうり?」とちょっと疑問に思っていたら、当時のきゅうりは貴重品で、裕福な人たちしか温室で育てることができなかったそう!
そんなエピソードも、アフタヌーンティーでいただくサンドイッチの味わいを深くしてくれそうです。
<読むアロマ「不思議の国のアリス」ブレンド>
・オレンジ
・ベルガモット
・ローズマリー
・ブラックペッパー
・ベンゾイン
・ローズをほんの少し
活発で好奇心旺盛なアリスはオレンジのイメージ。紅茶の国イギリスから、アールグレーティーの香りベルガモットを。
柑橘の香りは果実の皮からとれるのですが、果実=子供という意味も。
ローズマリーは作者のルイス・キャロル。
数学者にして聖職者、作家であり写真、絵にも精通していた多才ぶり。ローズマリーはかわいらしい小さな花をつけますが香りはかなりスッキリ系。そんな意外性やシャープな印象をかさねました。
そして、今回のブレンドのキーになるブラックペッパー!
ストーリーにそのものずばり出てくるのもあるのですが、毒舌のようにもとれるブラックさを、ピリリとした風味になぞらえました。
それにバニラのような甘さ漂うベンゾイン。ケーキやタルトなどのお菓子もかかせないアリスの世界のモチーフです。
最後にローズをほんのほんの少し。
ハートの女王様&王様、イギリスの花として欠かせないのですが、なにしろあまりかわいらしくない性格のおふたりなので控えめにw
「ワールド」という言葉がぴったりなおもしろおかしな物語。
でも、一度のぞいたらクセになる!一度嗅いだらクセになる!!
そんなブレンドに仕上がりました。
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