~読むアロマ~「哀しい予感」吉本ばなな
物語の世界観を香り(精油)で表現する「読むアロマ」。「読むアロマ」は、思わず手に取ってしまう美しい装丁のように、イメージを香りでデザインしたもの。物語と、精油が持つ香りや働き、様々なエピソードをつなげて、オリジナルのアロマブレンドを作ります。
新旧、ジャンル問わず、好きな物語、気になる話をランダムにピックアップして、作った香りのご紹介です。
たぶん、私と同世代の人にとっては「あの頃」を思い出す作家のひとり。新作が出るたびに次々と読んだなぁ。
その中でも、この「哀しい予感」は表紙が印象的。
舞台となる叔母の一軒家近くの公園から匂いたつ、濃い緑の木々の描写とあわせて、世界は「グリーングリーングリーン」。
失われた子供時代や、家族の秘密、美しい魂をもった弟やらの設定に、地方から出てきたばかりのふつーの女の子は、あっという間に違う世界に連れて行かれたものでした。
今となっては、繊細な主人公の女の子たちよりも、地に足ついた男子チームにエールを送っているおばさん目線の自分がw
「感受性の強いキレイな女の子」には、「現実で生きるスキルと、懐の深さをもった男子」というこの組み合わせ。
恋愛の法則は永遠に不滅なのであります!
大事な弟との関係が大きく変わる場面で、二人が育った「家の匂い」が心を動かします。
複雑で込み入っている状態が「匂い」で絶妙に描かれた、心に残るシーンのひとつです。
<読むアロマ「哀しい予感」ブレンド>
・ベルガモット
・ローズマリー
・スプルウスブラック
・サイプレス
・ジャスミン
・ジャーマンカモミール
グリーングリーンなイメージをサイプレスやスプルウスブラック、ベルガモットで。特にサイプレスは「喪失と再生」のテーマとも重ねています。
「記憶」とローズマリー。ハムレットにも登場するオフィーリアの花。
ジャーマンカモミールは、占星術で「女性性」「水」などと関連が深い「月」のハーブ。
そして、秘めた恋をあらわすジャスミンをふわりと加えて。
吉本ばななの世界観ともリンクする、そんなブレンドになりました。
#読むアロマ #アロマセラピー #吉本ばなな #読書感想文 #哀しい予感
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