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共通テスト。いってらっしゃい。

共通テスト初年度。
コロナ禍。
こんなにも大変な入試があってもいいものなのか。
そんな思いになる。

僕には、思い出がある。

◎震災の年

2011年。
震災の年。
僕が初めて受験生を担当した年。

春。授業どころじゃなかった。
夏。計画停電。
秋。余震に怯えながらの授業。
そしてきた冬。

クラスを任されてから、一年。
今でもはっきりと覚えている。
初めて教室に入って
あの子たちの前に立った時のあの気持ち。
彼ら・彼女らの席順。
あの日から、一年。

まさか、こんな一年になるなんて。

任された当初、考えもしなかった。

偉大な先輩から任せてもらった子たち。
大好きな先輩と一緒に指導した子たち。

その子たちが、こんな苦境に立たされるなんて。

試験当日。
ただ、全力を出せることを祈った。
そして、
ただ無事に帰ってくることだけを祈った。

今年の入試も、とっても似ている。

◎震災の大変さとコロナの大変さ

そりゃ、震災の年の入試と
今年のコロナ禍での入試。

比べるのは、ナンセンスだ。

自然災害との戦いか、
見えない敵との戦いか。
そんなもん、全然違う。

ただ

そんな理不尽に挑む子どもたちがいる。

それだけは、同じ。

大人にできることは
「待って、祈ること」

ただそれだけ。

ただ、全力を出せるように。
ただ、無事で帰ってくるように。
ただ、明日も試験が受けられるように。
ただ…。ただ…。ただ…。

あの日の僕も、そうだった。

当時は、門の前まで行って激励する
「門前激励」「門激」なるものがあって
とある二人に会いに行ってた。

ただ、やることなんてもうない。

最後の最後で、大人は非力だ。

子どもたちだけが、
自分の未来を変えることができる。

せめて子どもたちが
全力を出し切れるように。
悔いが残らないように。
願わくば、結果が伴うように。

唯一いつもと違うのは
「こんな年だったのだから、せめて今日だけでも…」
という思いだ。

大人だって、誰一人として経験したことのない状況。

そこに一人で挑む、子どもたち。
努力し続けてきた、子どもたち。

「せめて、今日だけでも報われてほしい…」

大人にできることは、こんな思いを持って
「待つ」ことだけなのかもしれない。

◎当時の子どもたちと…。

ありがたいことに、僕には経験がある。

当時の教え子が、先生として戻ってきてくれた。
そんな縁で、
当時の教え子たちの何人かと連絡が取れる。

聞いてみたことがある。
「ぶっちゃけ、あんな状況での入試、どうだったの?」って。

それぞれ違う答えもあったけど、
面白い共通点があった。

「あの世代で良かったと思う」

なんやかんやあったけど、
今、楽しい。今、幸せ。

やっぱり、子どもたちって、強い。

彼ら・彼女らは、
きっとこの理不尽を
「当たり前」のもの
「仕方のない」こと
そんなふうに、強く・しなやかに
受け取ることができるようになってるんだ。

もちろん、今すぐじゃないかもしれない。
時間はかかるかもしれない。

けど、時間というものは、
往々にして
子どもたちにあって
大人にないものだ。

時間とは、可能性だ。

だから、今年の入試に挑む子たちに伝えたい。

ただ、無事で帰ってきてほしい。

時間さえあれば、可能性は残る。
どんな未来でも、作り出せる。
時間さえ、あれば。

どうか、明日から試験に挑む受験生。
無事で帰ってきてください。
無事に、「ただいま」と言ってあげてください。

僕のような
まだ家族もなく子どももいない
ただの一教師としての言葉でした。

いってらっしゃい。

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〜ライター〜
わかやん
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