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反抗期がなかった私は"怒り方"が今も分からない


私は兄妹が多い。世間の平均よりは確実に多い。

そんな沢山の家族を抱えた両親は、私が小さい頃から共働きであまり家に居なかった。


私が小学生の頃は、対して年の離れていない兄と妹が同じく小学生。まだ両親が仕事で帰ってきていない家に先に子供達が帰宅するとどうなるか。当然小学生同士なので、わいわい遊んでいたかと思えばそのうち誰か一人がふとしたキッカケで、キレる。

顔に手が当たった、俺のあれがない誰が触った、ゲームで負けた、一緒に遊びたいストーカーが邪魔→げんこつ→泣く 、小さい妹の「お母さんは?お母さんはー?」の寂しさ爆発→泣く→うるさい泣くなでキレる、など今思えば本当くだらない理由で泣いたり喧嘩ばかりだった。

子供って何するにも全力だよね。


自分自身も泣き虫だけど、他人の涙を見るのが本当に辛い

私は目の前で本気で泣いている人がいると、胸が苦しくなって自分も涙目になりながらどうしようどうしよう、と軽くパニックになる。

だから、自分のまわりで誰かが泣いていると強く"同調モード"になってしまい、色々な文句や怒りが胸を渦巻いていても、それをぐっと堪えて、ヨシヨシっと頭を撫でていた。例え相手が悪くてもほんの少し「もうこんなことしちゃだめだよ」的な注意で終わらせてすぐ慰めモードに切り替えていた。

兄は妹が泣き出すとそっぽ向いて関わらない性格だったので、慰めるのはいつも私の役目だった。一杯一杯目に涙を溜めて泣いたり怒ったりする妹の感情の爆発をなだめるのに手が一杯で、自分の感情を爆発させるタイミングが分からなかったんだと思う。

だって私がわあっと泣けばきっとそれを見た妹が泣くから。そうしたら私はもっと辛くなってどうにか妹の涙を止めたくなる。

そして夜仕事が終わって帰って来たお母さんが、妹が泣いてたりするのを見るとお母さんも泣きそうな気がして、こんな思いをお母さんにさせちゃいけない!お母さんに心配はかけない!って思っていた。


お母さんのいない時は、妹を泣かせないように。お母さんがいる時は、お母さんを笑顔にできるように。


そうこうしているうちに小学生が終わり、中学生も終わった。中学生の頃は、妹が不登校になっていたから、私はその分頑張らなきゃと思って、学校にいきたくない日もわざと遅刻したりしながらも通った。


今思えば、私は何を勝手に「私がやらなきゃ」と思い込んでいたのか。

「兄が妹の面倒を見ないから」「妹がすぐ泣くから」「両親を笑顔にしなきゃ」色々な理由をつけては、頼まれた訳でもなく"我慢してる自分"を作っていた。


怒りの感情を無理やり鎮火させてきた私は、大人になった今、怒らなきゃいけない場面でも"怒れない"自分になっていた

ありがたいことに、もっと感情を出しなさい!もっと甘えなさいと言ってくれる大人が近くに居てくれて、最近は顔には少し出せるようになった。だけど、例え理不尽な仕打ちを受けて胸がモヤモヤしても、「私はそれが嫌だ」とか「どうしてそんなことをするのか」とか、"怒り"の感情を"その時"はぐっと胸が詰まって、何を言いたいのかがまとまらず言葉に出せない。

その出来事がもう終わった後になってようやく一人で振り返ったり、人に相談したり、日記を書いたりして、ようやく「あぁ、自分はこんな感情だったんだな」と言葉に表せる。

つまり"怒り"の感情がないわけじゃなくて、しっかりあるんだけど、どうしてもその出来事が怒っている時に言葉に出せない。胸のなかでピークに達すると、言葉に出来ない怒りの感情が涙になって溢れてくる。


何でだろうかって思ったんだけど、多分私は小さい頃からのクセが根付いてしまっていて潜在意識レベルでこんな状態だと思う↓

・人に嫌な思いをさせたくないし傷つけるのが怖い→傷ついたのを見て自分が傷つきたくない
・自分の弱いところを人に見せたくない。本音でぶつかるのが怖い
・自分の感情を言葉にする習慣がない→感情を表すボキャブラリーが少ない

情けないけど、色々な記憶を思い出す限りこれらはどれも当てはまる。恥ずかしい。感情を表すのが苦手なので、人からよくクールだねって言われることが多いから余計にこんな中身で恥ずかしい。


でも、変えたいんだ。

変わらなきゃいけないというか、私が自分で変わりたいから変わるんだ。

だって傷つきたくない、傷つけたくない、本音を言いたくない、言い方が分からない…こんな私のままでは目の前にいる大切な人と本当に分かりあえることはないと分かったから。

大切な人と喧嘩をした時に、何の言葉も出せないまま気まずくなったり悲しくなったり、只泣いて、何もなかったようにお互い元に戻るのを繰り返してるのは、自分も相手も心がなくなっていく感じがして寂しい。私が本心をさらけ出せないのに、相手には本心を出してぶつかってきてほしいと願っているだけなんて、わがままだし苦しい。本心を出せない人に、出して良いんだよって言える自分になりたい。


今まで反抗してこなかった私の今の想い。


反抗期がない子供が増えているって話も最近多いみたいで、それが良いことなのか悪いことなのかはわからない。ぶつからないから、たしかに楽だしおだやかだよね。友達みたいに仲の良い家族関係でいいかもしれない。

反抗期のなかった子はおだやかな性格の大人になる人が多いと聞くので、きっと人間関係もおだやかで安定しやすいし、そんな人は自分の感情も安定してると思うので、どろどろした人間関係に巻き込まれる事は少ないかもしれない。それで一生おだやかな日々であれば勿論問題は無いんだけど

私が社会人になって感じたことは、この世の中理不尽な事も多いし、相手の行動や考え方に対して大切な気付きを与えたいとき、自分の本心を伝えたいときに、どうしても強い言葉や感情をぶつけないと進まないことも多いと思う。

胸の中に爆発しそうな感情を押し殺していては、自分がいつか壊れてしまう。


だからもし、そんな胸の爆発が起こってしまったときには、ちゃんと表に発散できる"怒り方"だったり"ぶつかり方"だったり、表現できる力は身につけておくべきだと思う。

そして本音でぶつかってくる相手のことを全力で受け止めたい。それはわざと傷つけることではなくて、傷つけたくない、傷つきたくないという理由で"向き合うこと"を諦めたくないから。



私は随分遅くなってしまった。

今からでももっと世の中に、大切な人に、真剣に自分をぶつけたいし、大切な人からも沢山ぶつかってもらえる自分になるべく、もう一人の自分と戦っていこうと思います。


世の中の反抗期中のお子さんに悩まれている親御さん方、ご家族の方。きっと今、お子さんの成長にとって必要な、大切な期間です。

親御さんも自分を押し殺さないで、自分のこともお子さんのことも否定せずに、素直に泣いたり笑ったりしてください。そんな両親を見て、お子さんもきっと泣いたり笑ったり出来る大人になります。


ひとりでも多くの人が温かい人間味溢れる自分を見つけられますように。




最後まで見て頂きありがとうございました。

感情を出すのが同じく苦手な方に向けて、次回はそんな自分とどう付き合っていくか、改善できるポイントを客観的にまとめていきたいと思います。それでは、皆様、リラックスしてよくお休みください。

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