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大企業 VS ベンチャー

「大企業」と「ベンチャー企業」(新興的なビジネスを手掛ける中小企業などを含め)は、どちらが良いですか?というお題について。

私の結論として、大人の方は自分の直感を信じて、どちらでも良いと思います。どちらにもメリットデメリット(後述)があると思いますので、その人の今の状況によって変わると思います。
あくまで会社の規模(比例して、売上高や社員数の規模)による違いだと思いますので、ビジネスの業種や職種など、他の要因も重要だと思います。

しかし・・

新卒や第2新卒のような若い方、また20代で転職を考えているような方は迷うこともあるでしょう。なぜなら複数の企業で働いた経験がないので「どんなもんかしら?」と思うのも納得です。

■ 大企業とベンチャー企業(中小規模の企業を含む)の比較1

以下の図は、縦軸に社員の数(人の数)、横軸に人の種類を示したものです。大企業は当然、人の数も多くなり人の種類も多くなります。逆に中小規模の会社は、人の数も人の種類も少なくなります。(もちろん一般的傾向として)

大企業と中小企業の比較(人の数と人の種類)

ポイントは、人の種類のところです。
人の数が増えれば、人の種類が多くのなるのも頷けます。人の種類が多いということは、一緒に仕事をする人や接点を持つ人が増えるということになりますが、それはメリットだと思います。

ベンチャー企業では、社内で何か聞こうとすると、もしかすると特定の人としかから得るものがないかもしれません(人の種類が限られるため)。しかし、大企業は、いろんな考え方を持った人や、いろんな専門性を持った部署の人、年の離れた先輩や自分よりも下の後輩など人の種類が多くなりがちなので、知識や経験を含め世界が広がることもあるでしょう。
もちろん、外の世界と積極的に情報交換ができる人はそんなこともメリットにはならないかもしれませんが、一般的には社外の人と社内の人では情報のやり取りや建前やビジネスの都合によって障壁が出ます(ざっくりいうと、自社のメリットデメリットが出てしまうような会話は本音で話にしくいということもあります)。

ポイント1:人の種類が多いことは世界が広がるチャンス

■ 大企業とベンチャー企業(中小規模の企業を含む)の比較2

以下の図は、縦軸にビジネスの規模、横軸に業務の種類を示したものになります。

大企業と中小企業の比較(ビジネス規模と業務の種類)

ビジネス規模の大きい大企業は、縦軸の上方向に位置し、ベンチャーや中小企業は下方向に位置します。ビジネス規模が大きくなると、市場のシェアも高くなる傾向にありますし、そのジャンルの市場網羅性は高いことが多いでしょう。一方で、下方向はニッチ性が高くなり特定のジャンルで売上を作っていることが多いでしょう。
市場の網羅性が高いということは、大企業のメリットだと思います。小さい会社では経験できない市場全体の動向や把握すべき範囲も広がり知見は増えます。

また横軸の業務の種類は、個人が担当する(責任を持つ)範囲の広さを意味しています。ベンチャー企業などでは、やはり1人の守備範囲は広くなります。人にもよりますが、経験という意味ではメリットに感じます。ただ、フローが混沌として、雑多な業務も含んでしまうかもしれないので、守備範囲が広いことが良いかは一概に言えません。大企業では、部署や役割、またそのチームのミッションなどがベンチャーと比較すると明確になっていることが多いので、守備範囲は特定のものに限られてくると思います。(限られるというほど狭くはないでしょうけど)。

ポイント2:大企業では、市場の網羅性を経験できること。ベンチャーでは守備範囲が広くなること。

■ 大企業とベンチャー企業(中小規模の企業を含む)の比較3

3つ目は、業務の種類の続きですが、ビジネスの段階の違いについてです。どういうことかというと、ビジネスは当然、何か商品やサービスを販売して顧客にお金を払ってもらい売上を作っていくわけですが、ビジネスの段階があると思います。
例えば、売上の勝ちパターンが確定していない中小企業の場合は、とにかく基本的な営業活動に注力していく必要があるかもしれません。新規ビジネスを開拓していく余裕がないかもしれません。良いサービスや商品を工夫して長期的な目線よりも目の前の売上が重要視されることもあるでしょう。

大企業においてもベンチャー精神は重宝されると思いますが、ビジネスの段階(サービスの磨き上げや知見の積み上げ)は成功していることが多いです。言葉は悪いですが、より高度な議論に移っていることもあると思います(これは語弊があるかもしれません)。

ポイント3:大企業とべンチャー企業では、ビジネスの段階(サービスのラステージ)に違いがあるということ。ベンチャーでは商品・サービスのステージは手前であり、場合によっては目の前に注力することもあるということ。

■ まとめ

「大企業のメリット」
・いろんなタイプの種類の人や様々な部署から知見を得られる
・市場の網羅性を体験できること
・サービスや商品のステージが進んでいるため高度な議論に進んでいること

今回、触れていませんが、給与が安定しているということや賞与が場合よっては実力以上もらえるということもあるかもしれません。他にも様々なフローが洗礼され確立していることで、効率的な側面もあるでしょう(大企業の人にとっては当たり前のことがベンチャーでは実現できていないこともあると思います。福利厚生や産休や育休なども重視する方はメリットでしょう)

「ベンチャーや新興的な中小企業のメリット」
・人によりますが、守備範囲が広くなる(会社の歯車感は少ない)
・人の数が少ないことにより人間関係は大企業よりもシンプル
・フローが確立されていないが、柔軟と言えば柔軟

■ 最後に

冒頭に述べましたが、自分で判断ができる大人の方は、大企業やベンチャー企業という違いは個人の方向性や状況に応じて変わると思いますのでどちらがどうということはありません。

一方、若い方がどちらに入社するか迷っているのであれば、強いていうと「大企業」をおすすめします。理由は上記の通りですが、人や組織から学べることが多いと思うので、学んでみてから次のステップへ進んでも良いのではないかと思います。

長い目で見ると、50代、60代になるときにどのような働き方ができるのか、その会社だけでしか通用しないような型を作るのではなく汎用的な実力を付けていくことが大事だと自分自身思っています。