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秋のお祭りラッシュも終わりましたね~。

9月から始まった、お祭りラッシュも終わり、やっと静けさを取り戻した大阪泉州地区でございます。オカンと居酒屋に飯を食いに行った時の話である。

居酒屋に入ると、30人ほどの若人たちが、やんややんやの宴会をしていた。若人たちは、ことあるごとに「そーりゃ、そーりゃ」の大合唱をしていた。

私の住む地域は大阪でもだんじりバカ(ダン吉と私は呼んでいる)の多く住む地域である。

今は、9月10月のお祭りラッシュが終わり、一息ついた頃合いである。なのになぜ?

「なんで、祭り終わったのに、ダン吉らこんなんやってんねん?」

と私がオカンに聞くと

「打ち上げや、祭り終わって、次の週はなんやかんやあんねん。せやから、祭り終わって2,3週間後ちょうど今の時期に打ち上げしよんねん」

とのことだった。(私は若いころからだんじりに全く興味がなく、あんまりしらないのだが、オカンは生粋のお祭りおばちゃんなので、造詣がとーっても深い。

「だんじり祭りの掛け声ってや「そーりゃ、そーりゃ」ってのと「ほいっさ、ほいっさ」ってのがあるやろ?」

と、オカンが豚玉のカリカリ部分を小手で口に入れながら私に聞いてきた。

「そーりゃ」と「ほいっさ」。だんじりの綱を引く時の掛け声である。確かに違う。でも、掛け声の違いなんて今まで、気にも留めたことがなかった。

「ほんまやな」

私がビールをすすりながら、興味を示すとオカンは得意げに

「あるやろ~」

と、鼻を高くした。

オカン「あれな、海側が「そーりゃ」やねん。ほんで、山側が「ほいっさ」になんねん」

私「でもオカン、この辺海ないけど、ソーリャやんけ」

私の住んでいる地域から海までは車で20分はかかる。オカンの仮説が正しければ、このあたりの地域は「ほいっさ」にならなければならない。

オカン「この辺りは埋め立てで、海から遠くなってるけど、昔の古地図見てみたらええわ、海まで結構近いねん」

なるほど、そういうことか!と私膝をポンと叩いた。

大阪でも山の奥地、へき地の山側では確かに「ほいっさ」である。

でも、なぜ、ほいっさとそーりゃなのかと言う疑問が残る。

私「なんで違うの?」

オカン「ほいっさは何やと思う?山側や」

と突然クイズ形式にしてきたオカン。私は「ほいっさ、ほいっさ・・・」と考えを巡らせたが、さっぱり、答えを導き出すことができなかった。

オカン「降参か?」

嬉しそうに私の顔を覗き込み、ビールを一口啜った。悔しいが、完敗である。私は、悔しさをにじませながら「降参や」と白旗を振った。

オカン「山言うたら、畑や」

と言って、鍬を振り上げるジェスチャーをして見せた。

そ、そっかー!!ほいっさ、ほいっさ。確かに畑を耕すときの掛け声である。

「海は」とオカンが言いかけたところで、私の頭上で電球がぴかりと光った。

「地引網や!!網引きの時の掛け声や!」

オカンは「そうだ」というように、ニンマリと笑って頷いた。

なるほど、祭りと言うのはやっぱり、豊漁、豊作を祝うものなのだなぁと改めて思う今日この頃でした。

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