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大阪弁講座
私は以前仕事の関係で、群馬県の群馬町と言うところに住んでいた。群馬県群馬郡群馬町。なんと、群馬がフィーバーしていた。
(現在は群馬町は高崎市に合併されてしまったため幻の群馬フィーバーとなってしまった)
群馬の皆様は県外から流れてきた得体のしれない関西弁を話す私を快く迎えてくれ、親身になってよくしてくれた。なかでも、同僚のS君は「県外からだったら友達もいなくて寂しいでしょう」と既婚者だと言うのに独身の私をおもんぱかり、なんども合コンを開いてくれたほどの親身度。
ありがたい。有り難すぎる。
私と仕事をするようになってしばらくすると、生まれも育ちも生粋の群馬っ子のS君が妙な大阪弁を使うようになってきた。大阪弁と言うのは伝染能力が高いのか、職場では、S君のみならずそこらじゅうでイントネーションのおかしな関西弁が話されるようになっていた。
そんな中でも特にS君は勉強熱心で、「でん」って何ですか?「ねき」って何ですか?と私の話す言葉の中で分からない単語が出てくると片っ端から質問していた。時には仕事用のメモ帳に記入するほど意気込み満点。
ジャニーズ顔のS君は、「でんな」「〜やんか」と話した後で必ず「今のであってますか?」とチェックを求めるほど。ん〜。その情熱を仕事に生かしてくれ、仕事に。
私もS君から「だんべ」活用法や「おっぺす」等の特殊単語を習って仕事に生かしていた。大阪弁で「もみない」と言う言葉がある。
「ももない」「もむない」などと発音さることもあるが、これは「おいしくない」「まずい」と言う意味である。
職場のみんなでもんじゃ焼きを食べに行った時のことである。もんじゃ自体は可もなく不可もなくって感じだったが、そこで頼んだ焼きそばがとにかくまずかった。
焼きそばなんてソース味で子供が作ってもそこそこの味になるのが売りの食べ物でここまで、まずく作れるものかと不思議なぐらいの味付けだった。
そこで、S君
「こういう時、なんて言うんでしたっけ?あの〜あれですよね」
そうです。あれです。と思いながら、かたずをのんで、S君のファイナルアンサーを待っていた。
ここは群馬。大声でその単語を言っても知っている人はいないでしょう。かまわない。言っておしまい。
「あの〜。あれ、あれ、」
と、必死に思い出そうとするS君。いいぞ、今こそ勉強の成果を見せる時だ。
そうだ、それだ。もうちょっと、
「そそない。ととない・・・」
ぶつぶつと言葉の引出を全開にしているS君。
そうだ。惜しい。もう少し
「分かった!」
と、S君は目を輝かせて
「ぼぼない!!」
と、店内で叫んだ。
吉本新喜劇張りに私ともう一人いた関西人の2人がずっこけた。他の群馬県民は言わずもがな、ぽかんと口を開けていた。
九州の人がいたら大変なことになるぞ。ぼぼ=女性性器
確かにあなたにはボボはありませんが・・・・
「もみないやもみない」
と私たちも慌てて訂正。
「ぼぼ」も「もみない」も方言だから群馬では分からないだろうけど。飲食店で何を叫んでいる事やら。
(^ー^; )
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