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伝える、伝わるって難しい。

爺ちゃんが病気したとき。孫であるわたしたちに病状をLINEで伝えるのがお母さんの役割だった。

わたしのお母さんは看護師だ。
説明にバチバチに専門用語を使ってくる。
それを我慢しきれず、咎めたことがあった。

義理とはいえ親が病気なんだ、色々余裕がないんだろう。悪いな…なんて思いながら。

しかし、その時返ってきた言葉は
「それが一番伝わりやすいと思って…」だった。


本人はわかりやすいと思って話していたのだから、尚更もやっとしたのを覚えている。
確かに同じ看護師の姉には、すごいライブ感で鮮明に伝わっていたようだった。

でも一般人はいちいち検索しなきゃ専門用語はわからないし、深く用語を知ろうとしなければ、それで終わり。身内のことなのにと、むしろえらく淡々としているようにさえ感じた。なんなら、

「病状がなんか大変ってことはわかった。で?」
なんて思う酷い自分が沸いたのも事実だ。


今の一連の報道を見ていて、こんなことがあったのを思い出した。



医療機関で働いていると、専門職って狭義のプレゼン力は後回しなんだろうなぁ、勿体ないなぁと思うことがよくある。(上から目線ですよね…すみません…)

だって、濃厚接触とか暴露とか言っても、一般人には字面が強すぎるやんか…。

普段の病気についてネットで検索しても、
医療機関のサイトより製薬会社のサイトの方が端的で欲しい情報が載ってるなぁと思うことも多い。

そりゃあ売るのと理解させるのとでは
説明の先の目的が全然違うから当たり前だし、
そのほかにも色んな事情があるんだろう。

でも、もっと伝わりやすい方法ってあるんじゃないか…と、どうしても思ってしまう。


一方で、難解としか思えないのは受け手側にも問題があるように思う。

職場の中にも、誰にでも見えるところに誰でも理解できるように情報を開いてあっても、時間がない、どうせわからないと言って、見に行くのにすごく消極的な人たちが沢山いる。

その分野のドンピシャの専門家が、無料で、熱をこめて、こんなにわかりやすく説明してくれているのに。他に優先度の高い仕事があるのもわかるが、これもすごく勿体ないなぁと思う。

しかも、そういう人に限ってワイドショーに踊ってみたり、無闇やたらに気を荒げている気がする。


自分はこの間を埋める役割の一端を担っているのに、しがらみでいっぱいいっぱいで何にもできないのが、おこがましくも悔しい。




このすんごくわかりやすい資料を拝見したのが、今日の記事のきっかけ。

https://www.covid19-taskforce.jp/wp-content/uploads/2020/08/coronanews0726-3.pdf

ソースをたどったら、現場のどえらい魂のこもった資料だった…。


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