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《ペア読書記録》暇と退屈の倫理学

『暇と退屈の倫理学 増補新版』國分功一郎/太田出版

今回はこの本を紹介してくれた、遊佐町の教育コーディネーター鈴木くんとペア読書しました。鈴木くん、ありがとう!

ペア読書についてはこちらの記事をご参照ください。
自分用の記録と、誰かの読書のきっかけのために書きます。
流し読みのため、「本文の引用」と「自分達の解釈」を書き分けられていません。
参照するときは、ご自分の目で本文をご確認くださいませ〜。

●本文概要

・「暇と退屈」という問題について書かれた本。退屈そのものの発生根拠や存在理由については、新版の付録に書かれている。

・結論は3点。
1)本書を通読することで、暇と退屈にどう向き合っていくか、自分なりの受け止め方を発見していくことが重要である。よって、以下2つの結論だけ読んでも意味を持たない。

2)退屈に対して切り開いていくべき方向性の1つは、贅沢を取り戻すこと。贅沢とは物を受け取ること。物を受け取るとは、物を楽しむこと。楽しむためには訓練がいる。
「教育は以前、多分に楽しむ能力を訓練することだと考えられていた」(ラッセル『幸福論』)

3)人が退屈を逃れるのは人間らしい生活から外れた時である、とすると、2つ目の方向性は「動物になること」だ。

・退屈の第1形式は何かによって退屈させられること。第2形式ははっきりと退屈なものがないのに、自分が退屈してしまうこと。

・退屈の第一形式の説明に駅舎が使われている。
“ぐずついた”時間。

・気になった記述
p.105 尊敬される「ひまじん」
p.118 暇と退屈の類型
p.164 『ファイト・クラブ』の台詞の引用
p.239 暇と退屈の類型
p.263 ユクスキュルの環世界
p.319 「なんとなく退屈だ」
p.342 快原理 人間は考えないですむ方向に向かって生きていく
p.350 結論
p.372 「俺はこういうことを考えているんだ。君はどう思う?」

●議論・感想

・「結論だけ読んでもダメ」と結論に書いてあったのは声出して笑った。そうですよね。
・自分が以前から持っている価値観、思っていたことを言語化してもらった感じ。
・「動物になること」を「今を生きる」と解釈する
→幸せをy軸、時間をx軸にとって時間で微分したとき、微分係数が最大になる生き方をすれば良いのでは?
Dancing in the Rain!

・退屈は数年置きに襲ってくる感覚なので、この本が読めてよかった
→退屈しやすいのは、ストレングス・ファインダーで「学習欲」「着想」の強みを持つ人の特徴らしい。

・付録で、外的刺激がないと、内的刺激(記憶による痛み)に悩まされる。それを打ち消すために外的刺激を求めるのでは?とあった。
→コロナ渦での閉塞感やステイホームの弊害はここに起因するかもしれない。だとすると、解決の糸口もここにあるか。

●参考文献

・ユクスキュル『生物から見た世界』

●参考Youtube

・ストレングスファインダー『着想』をストレングスコーチが解説|要するに接着剤
https://youtu.be/GDWe08lHKmY

●ペア読書後 所感

・これが私の頭の中です!と自己紹介に差し出せるような本に出会えてよかった。
ポップな表紙と裏腹にえげつない厚さの本だが、読んでいこう。
・対話をしていて、そもそもインプット量が圧倒的に足りていないことに気づいた。読書時間を入れていきたい。


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