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振り向かないということ

悔しかった過去や、納得のいかなかった過去、そんな過去にしがみついていたことはどれくらいあるだろうか。

よく考えると過去はもうここにはないものだ。もう存在しないのに、どうしてまだあるかのように過去のことを考えるのだろう。

大好きな千と千尋の神隠しの映画の中に「さぁ行きな。振り向かないで。」というハクのセリフがある。

時には今日起きたことを振り向かずに生きていく術が必要だ。与えられた今日この1日をしっかりと踏みしめるために。

ではどうしたら、振り向かないで生きられるんだろう。

それは今日しかこの世に存在していないということを、実感するということだと思う。自分のいる世界には今日しかなくて、新しいその1日を起点にして明日や明後日に向かって一直線にのびてゆく。

今日しか存在していないということが分かると、過去はたとえ記憶に残ったとしても、形のないもの。

「あのとき、ああしておけば良かったのに」とか「あんなことしなければ良かったのに」とか、悔やむことはあるかもしれない。

ただその思い出はもう、ただの紙切れと同じようなものなのだ。いくら記憶に残っていたとしても。

新しい今日が来た瞬間から、今日から先のことしかないのだ。


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