小さなことがとても大事で

何に心満たされるかなんて、人それぞれ違うと思う。私は欲張りだから、小さなことでも大きなことでも嬉しいことなら全部、自分の身に起こっていてほしい。

でも一番大事にしているのは、小さなことだ。幸せに思う沸点をできる限り低くしている。

お世辞でも褒められたらその言葉を信じ込むくらい喜ぶし、おいしいご飯の時間が一日の中で一番好きだ。

なんとなく流れる歌の中にいい言葉を見つけられたら、心臓のあたりが温かくなる。

部屋で飲むお茶がおいしい。

窓を開けて入ってくる夜の匂いで物思いにふける時間が、たまらなく愛しい。

誰の日常にも転がっている当たり前のことが、私にはとてつもなく大切なのだ。毎日毎日、必ずやってくる当然のことが何よりも好きだ。もちろん特別なことだって好きだけれど。(欲張りだから)

小さなことに心を動かして生きていると、今日という日に向ける気持ちが変わる。自分の気持ちが満たされるものは何なのかを、今日1日の中に無意識に見つけようとする。自分の心のセンサーを働かせて、今日みつけた小さなお気に入りを拾っていく。

自分の心の動きが手に取るように分かるし、小さな幸せに気づける自分を好きになれる。自分を幸せにしてあげたいと思うし、そんな感覚を大切な人にも分けたいと思う。

小さなことのおかげで、そんなふうに思える。

今日や明日を生きようとするとき、まずは自分の足元にあるものに目を向けるといい。

小さなお気に入りに満たされていると、不安だったり怖いと思う気持ちが消えていくから。小さな幸せは自分の一番の味方だ。

自分がどんな場所に行ったとしても、そのことは忘れないでいようと思う。