『空をゆく巨人』 99の感想
2月14日からの約40日の間に、たくさんの感想を投稿いただきました。本の中にもある通り「9」は中国語で「完結しない数字=永遠」を意味する数字なので、「99の感想」プロジェクトを思いつきました。結果、その目標には、ちょっと届かず(69投稿でした)、少しだけ悔しい気持ちも抱きつつ、こんなにたくさんの方に本を読んでもらえたんだなあ!いやいや、すごい! ほんとに!と、ものすごく勇気付けられました。
思えば、あの2014年の秋の日。
「一歩踏み出せば、それが冒険」
志賀さんのこの一言から始まった長い取材でした。よおし、本を書くぞ、と決めると、まあまあすぐに「こんな感じの本にしよう」という最終形に近いものがイメージできるようになりました。しかし、それを実際に書くには初めての取材スタイルや執筆方法を模索しないといけませんでした。だから、「空をゆく巨人」を書くことは、物書きとしても全く未経験の山登りとなり、ときに挫けそうな気分の日もありました。
あれから、志賀さんや蔡さん、いわきの人々と一緒に長い旅をしてきました。それは、少し孤独で少し苦しいことの連続で、でも頑張って足を踏み出せば新しい風景が次々と見えような旅路でした。今日までこうして感想をいただけて、ああ、いわきから発信されたメッセージはちゃんと色々な人に届いてるんだなあと実感しています。
蔡さんも志賀さんも全くゼロから始まったこと。人間同士が出会うととんでもないことがおこること。一歩踏み出す勇気。夢の見方。アートや文化が人間を結びつけること。信じること。やるせないできごとへの怒り。福島のこと。「壁」を超えててゆく巨人のこと、まだ見ぬ250年後の桜……。
いただいた感想は、ひとつの冊子にとりまとめて、しっかり「いわき万本桜」の関係者や蔡さんにお届けしてきます(昨日までその冊子作りでてんてこ舞い、笑)。呼びかけに答えていただいた、日本や世界のどこかにいる69人のみなさん、本当にありがとうございました。
本を書く、というのは日々ギリギリの淵を歩んでいるようなところがあり、気をぬくとすぐ安全そうな岩の上に避難する誘惑にかられます。しかし、その感想ひとつひとつがエネルギーに変換されるような感覚で、おかげさまで、よっしゃ、私も新たな冒険を始めようかな、という前向きな気持ちになってきました。その先にあるのはぐちゃぐちゃの悪路なのか、視界のひらけた美しい丘の道なのか。それはまだわからないけれど、どなたかの感想にあるように、行方はわからないけれど前に進む。前に進むと言うよりも、進んで行く方角が自分にとっての「前」になるのかもしれませんね!
改めてありがとうございました。
川内有緒 3/26/2019
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以下に全ての感想をまとめさせていただきました。(末尾に、世界から届いた「巨人」フォトコレクションもあるので見てみてくださいー)
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最後に世界から届いた「空をゆく巨人」写真コレクション。
国境を超えてゆく人々を描いた「空をゆく巨人」という本もまた、国境を超えて旅しているんだなーと楽しい気分。こちらの投稿もありがとうございました。上から、パリ(フランス)、ニューヨーク、ラスベガス、ワシントンDC(アメリカ), 南アフリカ、ソウル(韓国)、ミャンマー、ジョグジャカルタ(インドネシア)でした。
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