<本日のビール>Modus Operandi XPA
2020年5月28日(木)
【Day 70】
シドニー近郊に数あるマイクロブルワリーの中でも、特にインディペンデントな雰囲気を持っているのが、ノーザーンビーチはモナベールに拠点を構える「Modus Operandi」だ。
モナベールは、先日お邪魔した吉田君宅のコラロイから少し北上した海沿いの街。ブルワリーはやはりブルーパブになっており、そこでは素晴らしく新鮮なビールをタップから堪能できる。
吉田君はブルーパブの壁にイラストを描いており、先日お邪魔した時もモーダスのセッションペールエールをたくさん振舞ってくれた。
そんなモーダスが出した新作がこちら。
Modus Operandi XPA
ABV 4.2%
IBU 不明(15、6といったところかな)
これから真冬を迎えるというこのタイミングで、トロピカル感満載のセミライトなエクストラペールエール。
吉田君曰く、こちらでは今ライトビールがトレンドになっているらしく、言われてみると、確かにこれまで手に取ってきたペールエールは軒並みアルコール度数の低いものばかりだった。
モーダスのXPAも完全にその流れを汲んでいるスタイルと言えるだろう。香りはかなりシトラスを感じさせ、飲み口もクリアな、いわゆる「リフレッシング」なビールだ。これならいくらでも飲んでいられる感じがする。
僕はそもそもアルコールに強いわけではないので、度数が低くてもホップの香りは存分に楽しめるこのライトビールというトレンドは大歓迎だ。テイストだけで言えば日本でも流行りそうなスタイルだが、如何せん価格がハードルを上げているのと、日本でその値段を払ってビールを飲むようないわゆるギークは、もっとリッチで度数も高い、クセのあるビールを求める傾向にある気がする。
ちなみに、このXPAのキャッチコピーは「Tropi-Lo-cal」。
キャッチコピー前半の「トロピカル」は上述した通りテイストに由来する。そして後半の「ローカル」、これが実はWミーニングになっていて、一つは(初めて知ったのだが)「ローカロリー」という意味。いくら飲んでもカロリーを気にする必要はない(本当はあるんだろうけど)、ライトなビールをイメージさせる。
そしてもう一つは、読んで字のごとく、「ローカル」という意味。
冒頭でも述べた通り、モーダスはかなりインディペンデントなブルワリーであり、全てのビールをモナベールのブルワリーから直送しているそうだ。彼ら自身で鮮度を保つための保冷庫を所有して鮮度管理しているが、それでもなお、オーストラリアの中でも届けられるエリアが限定的である(例えばノーザンテリトリーなどにはデリバリーができない)。
したがって、比較的自由に手に取ることができるのは、やはりシドニー近郊のエリア、それもノーザンビーチ寄りとなってくる。そういう意味で、非常に「ローカル」な価値の高いビールと言えるのだ(これはXPAに限らずだが)。
モーダスは「Beer First, No Shortcuts」というマントラを掲げており、鮮度管理には特にこだわっているようだ。
創業者の1人、Jazは、とあるインタビューで、
It costs us a fortune but if you're not delivering beer to the customer as fresh as it came out of the tank, I just don’t see the point.(それはすごくお金がかかるけど、タンクから出したてのビールを提供できなかったら意味ないわ、的なこと)
と語っていて、その芯が通っている感じがとてもカッコいい。
ちなみに、モーダスの創業者は夫婦で、上記のJazは奥さんの方。
ずっと2人でホームブルーイングを楽しんできたが、6ヶ月に渡りアメリカのブルワリーを巡って旅をしたことで、マイクロブルワリーを起ち上げる決意をしたそうな。
このエピソードは、日本の高円寺にある「&ビール」というブルーパブを彷彿とさせる。
やはりご夫婦(安藤さん夫妻)で経営している&ビールも、めちゃくちゃ美味しいカレー&ビールを堪能できるので高円寺あたりに立ち寄る機会があればぜひお試しあれ。
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