見出し画像

<オーストラリアのCM>今みんなが“渇望”していることを描いた「Macca's」

2020年5月20日(水)

【Day 62】

話題としてはもう10日も前のものになるのだが、「Macca's(マッカズ)」のCM、“Cravings”が、「Best Ads On TV.com」のウィークリーベストアドに選出されていた。

みなさんは「Macca’s」とは何か、お分かりだろうか?

絶対に誰でも知っている、ウルトラスーパーハイパーグレートワールドワイドな企業なのだが……

ちょっと考えてみてもらいたい。
制限時間は10秒で。


チッ、チッ、チッ、チッ、チッ……


チッ、チッ、チッ、チッ、


チーーーン!


答えは、マクドナルドである。

スクリーンショット 2020-05-20 23.45.00

僕は、このニュースをDDBオーストラリアのCCO(チーフクリエイティブオフィサー)がシェアしていたことで知ったのだが、コメントに「Macca's」とあっても、最初はなんのCMだか皆目見当がつかなった。

そして「Best Ads On TV.com」のリンクに飛んでみて、「ま、マクドナルド?」と驚愕したのである。

省略するのはいいけど、ニュアンス変えすぎじゃない?

ちょっと調べてみると、オージーは単語を省略するのが大好きらしい。中でもビビったのは、「afternoon」を「arvo(アーヴォ)」と省略することである。

……でも、あれ?待てよ?

よくよく考えたら、「マッカズ」は、絶対に他の国では通用しない日本人の略し方、「マック」にものすごく近いのではないか?

多分「マック」も「マッカズ」と同じぐらい「ニュアンス変えすぎじゃない?」と思われているはずだ。

似た者同士、何だか仲良くなれそうな気がしてきたところで本題のCMに戻る。まずは動画をどうぞ。

視聴すればわかっていただけると思うが、なんというか、いわばものすごくオールドファッションな「いい話系」CMである。しかし、「マッカズ」オーストラリアの公式FBアカウントでは、1週間で48万回以上再生され、「いいね」が1600以上も付いてる。

以下、ストーリー。

スクリーンショット 2020-05-20 23.22.27

「あなたを妊娠していた時、これが無性に食べたかったのよね」

スクリーンショット 2020-05-20 23.22.49

「アイスクリームによく合うの」

スクリーンショット 2020-05-20 23.23.31

「それキモいよ、ママ」と冷たい娘

スクリーンショット 2020-05-20 23.24.29

その後母親は、父親が処分しようとしていたベビーグッズを、こっそり拾いにいったりしている

スクリーンショット 2020-05-20 23.33.24

なぜなら、娘も妊娠してママになるから。ショウウィンドウのベビーベッドに釘付けになる母親

スクリーンショット 2020-05-20 23.25.10

娘、旦那にどこかへ立ち寄るように頼む

スクリーンショット 2020-05-20 23.25.23

そこは「マッカズ」のドライブスルー

スクリーンショット 2020-05-20 23.25.39

どうやらサンデーを買った模様

スクリーンショット 2020-05-20 23.26.07

その日は「母の日」。母親を訪問した娘は「マッカズ」のサンデーを差し出す。そこには……

スクリーンショット 2020-05-20 23.26.23

かつて母が“渇望”したピクルスのトッピングが

スクリーンショット 2020-05-20 23.26.47

涙腺崩壊する母親

スクリーンショット 2020-05-20 23.27.32

ええ話や。(ちなみにコピーの続きは「we'll be here.」)

アッコに見せたら涙ぐんでたし。

愛する人と思いっきりハグしたりするあたり、まさに今この状況でみんなが“Craving(渇望)”している「ウェットなコミュニケーション」をストレートに描いたからこそ、みんなの心に刺さり、ベストアドに選出されたのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?