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ビールの一次発酵が始まらない涙
2020年6月1日(月)
【Day 74】
いや、正確には、昨晩は発酵タンクから微かな酵母の“鳴き声”が聞こえていたのに。
「キュー、コロコロコロ」というような、聞けば酵母が生きていることを実感し、途端に愛おしくなるような、そんな音である。
しかし、正しく発酵が始まっているのなら、タンク上部のエアロックがコポコポと泡立つはずなのだ。
昨晩、酵母が鳴いているときは、朝になれば発酵が盛んになって泡も立つだろうと考えていたのだが、今朝、起き抜け真っ先にタンクを見にいくと、泡が立つどころか、鳴き声が消えていた。
こうなると、気になって何も手につかなくなる。これはまるで、子供の具合が悪いのに、はっきりとした診断がつかずオロオロする、あの感覚と全く同じである。
グーグルに様々なワードを打ち込んで対処法を探すが、もとより日本では違法のホームブルーイング、それほど多くの情報は集まらない。
わかったのは、酵母は種類によって発酵の仕方も様々だということ、一次発酵が始まる時間は酵母投入後6時間〜36時間程度と幅があること、温度が高すぎ(30度以上)てもダメだし、低すぎ(18度以下)てもダメだということ(これはペールエールの場合)。
液温は昨夜からずっと22度程度で安定しているのだが、タイムリミットの36時間に差しかかろうという今になってもまだ泡は確認できていない。
しかし、スターターキットの説明書に記載されている最適温度は、グーグル先生とは違い25度となっている。こちらが正しいとなると、温度が低すぎるのかも知れないと考え、急遽タンクにパーカーを着込ませてやる。なかなか手がかかる子である。
この状態で48時間経っても変化がなければ、ショップの主、デイヴに助けを求めようと思う。
ビールが心配すぎて一日中不機嫌な顔をしていたら、アッコと険悪なムードになる始末。こんな豆腐のようなメンタルでは、ブルワーへの道のりはまだまだ遠そうである……(;´Д`A
夫婦の険悪な空気を敏感に察知し、三女がせっせと自分の洋服をたたみ始めた。
微笑ましい限りだ。何にもなくてもいつもやってほしいけど……
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