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ファイナンシャルプランナー×中小企業診断士の家計簿 7【家計簿の指標①】

家計簿シリーズ1~6までで、
やりたいことをやれるようにする、家計簿の基盤はできました。

さて、ここからが重要です。

作った家計簿をみて、基準とする指標と比較し、
自分のやりたいことを実現するために、
目標をカスタマイズしていく、その指標に近づくための施策をうっていく、
という流れの第二段階です。

その第二段階のシミュレートを作るための、考え方などをここでは紹介します!

家計簿の指標

どのような指標を参考にすべきか。

この指標によっては、打つべく施策もかわってきますが、
ファイナンシャルプランナーとしては、

❶ライフステージにそった指標を取り入れ、健全な家計状況を作る

ことをまず、おすすめします。
そして、戦略を作る立場(中小企業診断士、外資戦コン)としては、

❷やりたいことをやるための指標を取り入れる

という、2段階のステップをおすすめします。

❶のベースがないのに、❷をやる場合、例えば、
家庭をかえりみず、自分の趣味にはしってしまうような感じがしちゃう……ので、バランスよく健全に組み立てたいですしね!

この記事では、基盤となる❶を説明します。

❶ライフステージにそった指標

これは、よく生保レディがもってくるようなデータです。

とてもよく整理されていますが、(当たり前ですが)保険を売るためのデータになっています。

「将来のために」「老後のために」「安心のために」
という謳い文句で、少し過剰に必要資金を積み上げています。

それはそうです。

保険屋さんの儲けがそこにのっているわけですから。

なので、第三者の立場からの情報をみずから取ってくることが、
とてもとてーも重要です!!!

とはいえ、参考にすべきデータは、各所にちらばっていて、みつけにくいです。。。

この記事では、”やりすぎない”程度に情報を集めていますので、
参考にしてください。

なぜ、やりすぎない程度か。

それは個人によって、考え方や重要度がことなるから、です。

個別にもっとくわしく見たい、計算しておきたいということであれば、
連絡ください。

ベースとする統計データ

まず、一番最初のベースの指標は、これを使います!

政府統計

政府が公表しているデータです。

もっとも信頼できるものですね。一応。

その中で参考にするのは、おおきく2つ。

”総務省統計局、家計収支”
”総務省統計局、貯蓄・負債”

この2つをベースにして、すこしカスタマイズしていくイメージです。

というのも、これらデータは、都市階級別とか、地域別とか、
そういった分類はあるのですが、
いわゆるライフステージ別のデータはありません。

なので、これらデータの全国平均値をベースデータとして、
ライフステージ別の考慮すべき収入・支出を補正していく作業をします。

あ、全国平均とかのデータは、こちらにあります。

この全国平均の前提となっているものが、

世帯人員:2.97人
世帯主の年齢:59.4歳
持ち家率:85%

え!!!!って思いますよね?

持ち家率85%って。。。

わたし自身、賃貸なので、自分のケースに適応できません・・・

世帯主の年齢も59歳って、ほぼ子育て(教育面)終わってるじゃん!!

これは、修正しないと使えそうにない・・・

ただし、使えるデータは、多いです。

◇食費
◇水道光熱費
◇生活用品
◇医療費
◇服飾費
◇娯楽費、小遣い
◇交通費・自動車関連費

など。

世帯構成によっては、これらも修正する必要がありますので、
修正パラメーターをいれます。

この基本データ×修正に続いて、ライフステージごとの考慮すべき項目をいれます。これによって、❶ライフステージごとの指標が完成します!

見るべきライフステージって、そこまで多くありません。

FP試験を請け負っている日本FP協会が、目安を公表していますが、
追記して、この程度でしょうか。

① 就職・転職
② 結婚
③ 出産
④ 子育て(養育・教育)
⑤ 介護
⑥ 老後
⑦ みずからの死や親族の死、相続

これくらいを考えておけばとりあえずはいいのではないでしょうか。
最終的には、すべてExcel計算シートにおとしますが、ひとまず、
考え方を。

① 就職・転職

就職に伴う就活は、住んでいる地域や就活程度によってかなり違うので、一概にはいえませんが、スーツ、交通費・宿泊費とかいれて、平均14万円程度のようです。
(株式会社ディスコ キャリタス就活2019学生モニター調査結果(2018年10月)より)

転職にかかるコストは、その規模とどのくらいの会社数をうけるか、海外の企業をうけるか、とかでかわってくるものの、だいたい数万円程度でしょう。いわゆる新卒での就活よりはるかに安く済むと思います。

それは、ターゲットがさだまっていること、自分のバックグラウンドが活かせる企業がある程度しぼられていること、などが理由としてあげられます。

また、転職が成功すると、入社準備金等で収入のあるケースもしばしば。

ということで、この①のライフステージで考えるべき、お金は”①の時”のお金に関しては考えなくてもまぁ、OKでしょう。
(就活費は親からの支援者も多いと思うので)

ただし、気を付けなくてはいけないのが、
退職金と、確定拠出年金の企業補助です。

一般的には、転職すると退職金は期待できません。というより、期待しない方がいいでしょう。あったら、ラッキーくらいに考えておくといいでしょう。

確定拠出年金の企業補助も、おおくの企業は、
「入社から数年は、5,000円、そのあと20,000円」とか、
入社年に応じた補助額が設定されていることがおおいようです。

それらは企業によるので、しっかり確認した方がいいでしょう。

実は以前、転職の流れなどについては、別記事でまとめていますので、
詳しく知りたいかたは、こちらを。

転職すると、退職所得控除の金額が大きくことなってきて、
将来的なインカムが減るということも書いています。

② 結婚

4大コスト(家族、家、車、結婚)の一角、結婚。

結婚については、人によって大きく価値観がかわるものです。

豪華にやるのが当たり前、
一生に一度しかないからちゃんとやりたい、
日本の離婚率は3分の1だから結婚式も質素にやろう、
海外で挙式だけやるか、

などなど。

それで、どのくらいかかるのかは、
みなさん、ご存知、ゼクシィのサイトで紹介されています。

結婚式:355万円
婚約関連:170万円
式後:73万円
新生活費:72万円

合計で、670万円!!!!

なかなかですね・・・

ただし、もちろん、引き出物等を用意しているので、インカムもあります!

そう、ご祝儀や、各所からのお祝い金です。

これも平均値がのっているのですが、
ご祝儀で、224万円、親からの支援が188万円、プラスαということで、
412万円の収入は期待できる!

とはいえ、差額が約260万円、ご祝儀や支援に過度に期待しないようにして、300万円程度の負担は覚悟しておくべきでしょうか。

③ 出産

出産は、そもそも病気ではない!つまり、保険適用外!となっているようです。通常分娩なら、約51万円程度が平均支出(国民健康保険中央会統計より)です。

ただし、出産に関しては、ご存知のかたもおおいように、さまざまな支援があります。

出産育児一時金:42万円(子供1人につき)
出産手当金:いわゆる産休制度
育児休業給付金:いわゆる育休制度
児童手当:1.5万円/月(3歳未満、世帯主の所得制限あり)
     1万円/月(3歳~小学校修了前)
     1万円/月(中学生)

ということで、”出産時”ということで、考えるなら、
51万円の支出から42万円の一時金収入を考えて、約10万円の支出をみておきましょう。

④ 子育て(養育・教育)

ここが進路によって、おおきくかわるところですね。

ここでは、”文科省 平成30年学校種別の学習費”統計データを使います。

いわゆる公立だといくら、私立だといくらってやつです。

それが結構細かくわかれているので、計算・シミュレートを作る側には、
やりやすいデータとなっていてありがたいですね。

⑤ 介護・相続

なかなか考えにくいのが、介護・相続です。

ただ、考えておかないとあせるのも、ここです。

介護は、自身が高齢になってからの場合もあり、
体力的にも金銭的にもきつい・・・という話もよくききます。

厚生労働省「平成30年度介護給付費等実態調査の概況」を参考にすると、
受給者 1 人当たり費用額は、月17万円にもなります!!

もちろん公費負担額等もありますが、
高齢化が進んでいる現状、介護サービスの供給がおいつかず、
高額化していく可能性もあります。

わたしのまわりの例では、実質負担額が、月10万円をこえていたりします。。。

介護については、どうリスク費用を積むか、人それぞれ考え方は違うでしょうから、以下、3パターンくらい用意しますね。

◇介護費用は考慮しない!大丈夫、面倒見る人がいる!!
◇平均費用くらいは考えておくか
◇これから何があるかわからんから、最大限見込んでおく

⑥ 老後

老後の費用。みーんなこれを心配してますよね。

上記、総務省の家計収支データに、”高齢夫婦無職世帯の支出”データがあり、平均で26万円程度になります。

このベース費用に加え、どれだけ、やりたいことをやるか、
カスタマイズしていくことになります。


⑦ みずからの死や親族の死、相続

保険屋さんの得意分野ですw

自分が死ぬことを想定して、資産をどうするか、
残された家族には・・・とか感情論に訴え、
保険の必要性を問うてきます。

わからなくもないですが、大切なひとがなくなったら、
悲しいです。とっても。でも残してほしいのは、お金ですか?

逆に、大金を残してもらったとして、ちゃんと使えますか?そのお金。

そして、遺産をめあてに連絡してくる親族が増えるなんてことも。


この辺はもめるんですよね。ほんとに。

ということで、”最低限”整理すべきことを整理することにしましょう。

それは以下です。

◇自分が死んだとき、周囲に迷惑をかけない程度のお金を拠出
 (葬儀代とか)
◇自分が死んだあと、家族や周囲に何をのこしてあげたいか。
 そして、それはほんとうに家族や周囲が必要としているのか。
◇もし周囲が亡くなったとしたら、困ることの整理。
◇資産の整理と、配分、相続方法

このうち、家計簿シミュレーションに入れるべき収支は、一旦一番上の、
葬儀代とかの話、にとどめておきますね。

ただ、生命保険に加入するしないを真剣に考えるより、その前に、
”本気で”上の2番目とか、3番目、考えておいた方がいいですよ。

残した資産が、ただの娯楽(ギャンブルとか)につかわれてもあれなので。。。

相続方法に関しては、相続税・贈与税の観点から、
ここでは書ききれないくらい対策があるので、
別記事にしますね。

と、ながなが書いてきましたが、
これらを、家計簿に取り入れて、家計簿をバージョンアップさせます。

バージョンアップした家計簿では、
☆月々の収支
☆資産の状況
☆将来のお金の流れ
☆他人のお金の状況とくらべて、どんな感じか。

これらを見た上で、やりたいことに対して、どういう方法をとっていくか、
考えていけるようになります!!

次の投稿で家計簿バージョンアップ版をアップロードしますね。

有栖ケンタ

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