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中小企業診断士試験攻略法 ~短期間で効率よく勉強し独学で合格できた理由~

中小企業診断士試験は難関試験として知られる国家試験ですが、
2016年1月に日本経済新聞社の調査で、TOEICや簿記をおさえ、取得したいビジネス関連資格の第1位を獲得しました。

経営に関する一連の知識を獲得でき、在籍する企業内での仕事や、昇進・昇格につながる、また、独立も視野に入るなど、多くのメリットから、人気があると言われています。

特に、銀行、商社、大手企業あたりからは、かなりの人気があり、取得するだけで、考課的にも、高評価を得られるほどです。

しかしながら、その試験の難関ゆえ、また、明確な「独占業務」があるわけではなくマネタイズが一見困難なため、失敗されるかた、諦めてしまうかた、有用性はわかっているのに”あんな意味のない資格!”ってディスってしまうかた、多いと思います。
(実際、わたしの周りにも多いです。)

そこで、本記事では、

” 中小企業診断士資格を取る意義 ”
” 独学での短期攻略法 ”

をわたし自身の経験をもとに、紹介します。

短期攻略法は、1次試験が3カ月、2次試験が1.5カ月程度の短期期間になりますので、特に、本業が忙しくなかなか勉強時間をかけられないという方々は参考にしてみてください。

中小企業診断士とは

そもそも中小企業診断士とはどういうものか、ざっくり説明しておきます。

中小企業診断士は、中小企業庁のサイトでも公表されているように、

「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」

です。そして中小企業診断士制度については、中小企業支援法を根拠法に、経済産業大臣が登録する制度を指します。

業務と役割についても、上記サイトに記載されていますが、以下、抜粋します。

診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。

(1)診断士の業務
  診断士の業務は、支援法では中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言とされています。現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイスが主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。

(2)診断士の役割
  診断士は企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスします。また、策定した成長戦略を実行するに当たって具体的な経営計画を立て、その実績やその後の経営環境の変化を踏まえた支援も行います。このため、診断士は、専門的知識の活用とともに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できる知識や能力が求められています。
(出典:中小企業庁: 中小企業診断士関連情報 中小企業診断士とはhttps://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/shindanshitoha.htmより)

対象は、中小企業となりますが、上記役割を見ると・・・幅広いですよね。

中小企業のみが対象とはいえ、2016年のデータでは、中小企業数は、全事業者数が、358.9万ほどに対し、実にその99.7%の357.8万ほどが、該当します!

要は、ほとんどの企業が業務対象ということになります!

従業員数でいえば、一大企業あたりの従業員数は多く、全体の従業員数が4,800万人程であることに対し、大企業に従事する人数が1,400万人程、中小企業は3,400万人程、となっています。それでも、約70%ほどが中小企業の従業員となっています。

つまり、中小企業診断士は、

「”日本の経済活動を支える中小企業”を支える」

ととらえてよいでしょう。

これらは、根拠法や事実より捉えた、”中小企業診断士”になります。

中小企業診断士は稼げるのか

これが気になるというひと、多いのではないでしょうか。

わたし自身、これを検証するためにも、資格取得を試みたということもあります。

”稼げる”の程度がひとによっては異なると思いますが、
今時点(登録されてから数週間)での主観+診断士の知人の経験より記載すると、結論は、つまらないのですが、

「ひとによる。」

の一言ですね。

それはそうですよ、弁護士や公認会計士、税理士だって、ピンキリですから。とはいえ、これを結論とするのもしのびないので、もう少し、詳細を書きますね。

まず、一般的に言われていることはこれです↓

「独占業務がなく、マネタイズが厳しい」
「足の裏の米粒」
「費用対効果が悪すぎる」
などなど。

要は、「取得するのが難しいのに、独占業務がないので、稼げない」ってことですね。

独占業務、よく言われることなので、少し整理すると、
弁護士業務は登録弁護士にしかできない、
公認会計士業務は登録公認会計士にしかできない、けど、
中小企業診断士業務は、登録されていない誰にでもできてしまうということです。

中小企業診断士の業務は、いわゆる経営コンサルになります。

経営コンサルは、中小企業診断士に登録されていなくても、誰でもできます。よくあやしい経営コンサルもいますが、大手外資系戦略コンサルなども大企業の経営コンサルを行っていますが、特段資格等は有さなくても業務を実行できます。

つまり、中小企業診断士に頼まないとできない業務がなく、そういった業務から得られる報酬がないという点が、一般的に言われる、独占業務がないから、儲からないといった評価につながっています。

もっともで、一理ある考え方だと思います。

しかし!!!

独占業務がないと、本当に儲からないのでしょうか。

この問いは、よく考えた方がいいですね。(自分に言い聞かせるw)

なんかしら、ビジネスを始めるには、そのビジネスの事業計画が必要です。
中小企業診断士を取ろうとしている方が、それを本気で活かす事業を計画するなら、どういう事業計画を立てますか?

なんとなく資格を取得して、マネタイズしたいというのであれば、それなりのマネタイズしかできないですよ。それは、どの資格でもそうです。

最も稼げる印象のある弁護士だって、ピンキリで、開業し成功するひと、普通の事務所に入って活躍できるひとは、相当な戦略、計画、努力等々してきたひとたちです。一方、なんとなく資格取得して、一般企業に企業内弁護士で入ったひとたちなんて、その企業の規定の収入しか得られないわけですし。

要は、” ひとによる ” です。

そういう意味で、中小企業診断士は、かなりの可能性があると考えています。(だから取得しました。)

その理由は、以下です。

❶青天井の収益をあげられる可能性がある
❷生涯資格である
❸顧客数に対する競合が少ない

❶に関しては、同じく志す方々とぜひ議論していきたいと思いますが、独占業務がないゆえの可能性でもあります。
どこかで検証結果含めてシェアしますね。

❷5年に一度の更新は必要ですが、基本的には、生涯資格であり、この手の資格は従事経験が長ければ長いほど、知識が向上し、経営改善、新規立ち上げなどの「実務的な打ち手」の数が増えていきます。(アイディアレベルではなく)
つまり、定年がなく、いつまでも働けます。事実、定年後に開業するために取得されるかたも増えているようです。

❸顧客数は、前述したとおり、中小企業数そのものです。一方、中小企業診断士の数は、2019年4月1日の時点で、約27,000人ほどしかいません。
また、年間の登録者数も実務上の上限があるため、約1,000人ほどしか増えないため、今後爆発的に増えることもなさそうです。
加えて、企業内診断士がほとんどで、有名事務所などがまだ存在していないことも機会になりえるでしょう。

中小企業診断士資格を取る意義

そんな機会の多そうな診断士ですが、取得する意義はあるでしょうか。
あるとすれば、どんなところでしょうか。

◇儲かる可能性がある
◇老後の収入をもくろむ
◇幅広い業界に接することができる
◇優秀な人々と繋がれる
◇中小企業を応援したい
◇間接的だが日本経済を支えたい

あたりでしょうか。

わたし自身、これらすべての意義を感じ、取得を志したのですが、
これ以外にも感じる意義はあるかと思います。

中には、中小企業診断士の資格がなくても、できることはあります。

ただ、後述するように、中小企業診断士という資格を取得すると、一種の強力な信用補填にもなり、様々なメリットが享受でき、前述した意義を飛躍的に感じやすく、また、実現しやすくなります。

総じて、

中小企業診断士は取る意義がある

と思っています。

中小企業診断士として得られる効果

取得に意義があると言いましたが、では、どういう効果があるのか、事実として、あげていきますね。

これがないとなかなか説得力もないので。

わたしの資格取得、登録の時期は、以下です。

中小企業診断士の試験に合格:2019年12月25日
診断業務開始:2019年12月26日
登録申請:2020年2月21日
登録日:2020年4月1日

この記事を書いているのが4月20日頃ですので、登録からわずか、3週間未満の時期までに生じた効果です。

◇顧問契約1件
◇社内評価向上
◇人脈の広がり
◇参加コミュニティの爆増

定性部分もありますが、具体的な事項もあります。

特に一つ目の契約締結については、いままで外資系コンサルとしての知見やアドバイスを必要としてくれた企業からのものですが、
「中小企業診断士という正式な国家資格取得ということで、他の従業員に説明がしやすく、契約を締結することの承認が取れた」ということを言われました。

つまり、あやしい(笑)コンサルではなく、国のお墨付きの資格を取得されたということで、”個人の信用度”が相当数向上した結果ということです。

この点は、中小企業診断士の意義・効果にも多分にかかげられますね。

特に銀行からの評判がいいみたいですね。

そして、参加コミュニティが爆増したことですが、昨今のコロナウィルス拡大によって、制限された中ているものの、周囲の診断士仲間や、彼らの協業先の他の士業の方々や、企業の方々、FacebookなどのSNS系など、かなりのコミュニティが一気に増えました。

コミュニティに属しただけでは意味がないので、これらをうまく活用できるよう、外出自粛等落ち着いたら、動き出そうと思っています。

面白い人、いっぱいいますよ!

中小企業診断士になるためには

では、どうすれば、中小企業診断士になれるのでしょうか。

具体的には、以下のステップが必要です。

1.中小企業診断士試験 一次試験に合格
2.中小企業診断士試験 二次筆記試験に合格
3.中小企業診断士試験 二次口述試験に合格
4.実務従事or実務実績証明で、15日間の実績をつむ
5.中小企業庁へ申請・登録

2が最大の難関と言われていますが、サラリーマンの方は、4もなかなかにハードル高いです。

本記事は、試験の独学・短期攻略ですので、1~3を中心に書いていきますね。

中小企業診断士試験とは

さてさて、そんなこんなで、超有意義だと個人的には感じる資格ではありますが、なかなかに、試験突破は難儀です。

試験概要はこちらの記事でもかきましたが、簡単にまとめておきます。

<試験概要>
◇一次試験 … 7科目受験し、40%未満なく、全体の60%以上得点する。
◇二次試験 … 4科目受験し、40%未満なく、全体の60%以上得点する。
       また、口述試験に合格する。 

<試験実施日>
◇一次試験 … 年1回、7~8月頃。
◇二次試験 … 年1回、10月頃。口述は12月頃。

<合格率>
◇一次試験 … 10~30%程度
◇二次試験 … 10~20%程度
◇ストレート … 数%~5%程度。
ざっくり、2万人が受けて、1,000人程度が合格。

この数字だけ見るといや~な感じしますよね。

わたしも最初はそうでした。特に、一次試験は、7科目もあるなんて、1年では厳しいって思ってました!
しかも7科目の内容は、
A. 経済学・経済政策
B. 財務・会計
C. 企業経営理論
D. 運営管理
E. 経営法務
F. 経営情報システム
G. 中小企業経営・中小企業政策
となっており、厄介そうな科目も多く。。。

でも取り組んでいるうちに、なんとなくいけそうだと思うようになってきました。足切りさえひっかからなければ、もともと得意とする財務系で点をとって、他の科目を補える!とか考えるようになっていきました。

一方、二次試験が大変だと言われています。

その大きな理由が、”過去問の答えがない”からに収束されるようです。
これにより、各スクールや、多くのサイトで、議論を呼んでいることとなっています。

では、どうすれば、短期で、しかも独学で合格できるようになるか、実体験をとおした、所感を、実際の再現答案も含めて、詳細に説明しようと思います。(ここでいう独学は、スクールに通わないという意味です)

口述試験もあまり情報がないので、試験概要や実際に出た問題、そして、わたしの解答、攻略法について、後述しますね。

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ここからは、本気で資格取得を目指される方を対象としたいと思います。

ここからを読むと、必ず合格できる!というわけではもちろんありませんが、「独学での短期攻略法」がメインのコンテンツになるので、勉強の仕方に変化がつけられ、効率性が増すことが期待されます。

それゆえ、合格できる確実な方法を求める方は、購入しないでください

本質論まで言及して記述していますので、特に、試験を受けようとされている方や、申し込んだ方、何回かチャレンジされている方、勉強の仕方がいまいち定まっていない方、また、サラリーマンの方や、学生の方まで、広く参考になる内容です。

一次試験から、二次筆記試験に加え、口述試験までカバーしており、相当なボリュームですが、最初の10名まで1,000円で公開します。
参考書1冊より安い値段なので、いまのうちにどうぞ!!

参考までに、わたしの勉強時間と獲得した点数をあげておきます。

☆一次試験
 勉強時間:約200時間 (3カ月程度)
 得点:504点 (合格点:420点)

☆二次試験
 勉強時間:約80時間  (1.5カ月程度)
 得点:262点 (合格点:240点)

二次試験の合格者では240点台の方が多かったようですが、こんな低いぎりぎりの点数じゃだめだって方も、購入しないでください。


それでは、本題です!!

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