![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143553657/rectangle_large_type_2_d8433cc87fbc6a1e90304c36858c69bd.png?width=800)
Photo by
yumico_888
トマトの記憶
朝の陽射しが
キッチンの窓辺を照らす
真っ赤なトマト いくつか
白い皿の上で 微笑んでいる
あなたが育てたトマト
畑の土の匂いがする
指先に残る 緑の茎の感触
あの夏の日々の 記憶
果汁が まるで涙のように
皿に零れて 輪を描く
ひとかけら 口に運ぶ
甘酸っぱさが 舌先を刺激する
あなたの笑顔が 胸に広がる
窓の外 風が吹く
カーテンが そっと揺れる
ふと気づけば トマトは
もう半分 食べ終わっている
静かな朝の中で
トマトの味と あなたの温もりが
私の中で 静かに揺れ動く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?