内藤礼さんのことば
誰だろう
この地上に生きた いのちと 母というはざま
そして ここには 生の内と外にゆきわたる 何かがあった
みなが はなつ 声 みちて
そうおもうほど わたしは生だった (内藤礼)
~内藤礼さんの展示会「生まれておいで 生きておいで」のHPより
はじめて、内藤礼さんのことばを読んだのは、茂木健一郎さんの「生きて死ぬわたし」の解説です。すこしだけ紹介いたします。
あなたをあたうかぎりわたしがそうであるような揺るぎのない個と想像し、あなたと呼ぶ。道端でふと、たくさんのひとのなかのあなたというひとつの生に思い至ったときの、親密でこころの痛むようなこらえきれないきもちを、流れる雲や空のひろがりにいだくことができたとしたら。そんなひとたちもいるのだという。かれらは数えられないものにむかい、あなたと呼ぶ。
〜「生きて死ぬわたし」茂木健一郎著より
この文章をよんで、内藤礼さんのことをつよく認識しました。
「空を見てよかった」という内藤礼さんのことばをまとめた本もよんでみましたが、これもなかなかいい。
内藤礼さんは、アート作品よりも、ことばのほうがうつくしいかもしれません。
みえないことをみて、ことばをかいているような気がするのです。