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Netflixシリーズ『HALSTON / ホルストン』一時代を彩った、アメリカ人ファッションデザイナーの光と影。

主に70年代に自身の名を掲げて活躍したアメリカ人ファッションデザイナー ロイ・ホルストン・フローウィック
全5回に分けてホルストンの光と影・人生模様が公私ともに赤裸々に描かれている。

ホルストン/ユアン・マクレガーの吹き替えを担当されている森川智之さんが ブログで告知されてたのを読んで興味を持ち、
吹き替えと字幕の両方で視聴済み。

今回初めてホルストンというデザイナーがいたこと、ブランドを知った。

大胆で瞬発力のある発想を持つ一方で、行きすぎた自信をたびたび披露したり快楽に溺れる傾向にあり その結果周囲を困惑させ、過去の傷が疼けばまるで幼子に戻ったかのように泣きじゃくる繊細な一面もある人物像だった。

そんな彼をやさしく、時に厳しく鼓舞した一番の理解者 歌手で女優のライザ・ミネリの存在もとても印象的だったし、
セフレと恋人の狭間を行ったり来たりしながら共に刺激的な日々を過ごした同性パートナーのヴィクターもなかなか面白いキャラクターだった。
ホルストンを知れば知るほど、一人目の彼では到底満足できないのがなんだか分かる。

エピソードとしては3話「成功の甘き香り」がお気に入り。

のちに大ヒットすることになる香水を作る過程で 思いがけず過去の傷と向き合うことになったり、
経営陣や調香師、ライザやヴィクターとのやりとりだったり...

見るからに人生は絶好調・脂ノリノリな様子が 笑いと悲哀を交えて繰り広げられている所がすき。

最終エピソードである5話の、ホルストン最後の仕事場面もグッと来るものがあった。

ホルストンを演じたユアン・マクレガーについて。

4年ほど前に『フィリップ、きみを愛してる!』や『トレインスポッティング』を初めて観て、その表情・表現力の豊かさに即 心惹かれた役者さん。

今作でもたっぷりと喜怒哀楽、様々な表情をぞんぶんに魅せていて飽きない。
なんかズルいの、なんでそんなに繊細で含みのある表情が作れるのですか?すごい...って陶酔してしまう。

YouTubeでホルストンご本人の姿や声を観て聞いたところ、立ち姿や仕草、特に喋り方がそっくりで驚いた。

ライザ・ミネリを演じたクリスタ・ロドリゲス。
この作品で初めて知った役者さん。

初登場、パワフルな歌唱シーンで一気に心鷲掴みにされた。
あれすごかったなぁ、カッコよすぎた。

時代が移り変わり、ホルストンが転落していってもなお、変わらずそっと側に寄り添ったライザの包容力を体現されていた。
ライザのヘアメイク、雰囲気を掴んでいてこちらもそっくり。

ホルストン/ユアン・マクレガーの声を当てられた森川さん。

声のトーンからしてホルストンの自信満々さを感じつつ、特に泣きのシーンが印象的だった。
吹き替え→字幕の順で観たからより分かったけど、ユアンの息遣いと見事にマッチしていて感動した。
一瞬「えっ?元の音声...?」って混乱したくらい。
パートナーに攻められて相手のペースになだれ落ちていく声色も良かった。


ホルストンの脆さや葛藤する姿、周囲との軋轢はとても人間くさくて見ごたえがあったし、
字幕、吹き替え、どちらで観てもそれぞれの良さを味わえると思う。

おすすめです。

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