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90年代、痴漢をテーマにした映画シリーズが作られていたらしい

最近尾美としのりさんの過去出演作を遡ろうと思ってwiki見ていた時に
あきらかに他のタイトルと比べて異質感を覚えたのが

1996年に発表された
『尻を撫でまわしつづけた男 痴漢日記3』


すぐAmazonへ飛んで調べると
女性が電車の窓に手をつき
恍惚とした表情を浮かべながら
男性たちにうしろから胸や股間に手を当てられているパッケージが出てきて、
「えっ…AVに出てたの…?」と一瞬思ってびっくりしてしまった。

でも数少ないレビューに目を通したら
タイトルに反して割りとちゃんと作られている映画とのことだった点、
なるべく自分の生まれ年の作品は邦洋問わず生涯かけて見尽くしたいという野望があるので、
尾美さんの芝居も観たいしと葛藤した末
JUNK FILM by TOEI の2週間無料体験を利用して初見。

〈ざっくりあらすじ〉
高校の美術教師 石川(尾美としのり)は
電車通勤時に見かけたエレベーターガールの京子(大竹一重)に一目惚れ、
その後 満員電車の中 京子に近づき臀部を触ることで忘れかけていた彫刻への意欲を取り戻し
京子は初め不快感を抱きながらも
いつしか石川の手に溺れていく___


もう書いてて「は?」って感じだけど、
まず冒頭に広辞苑からの引用なのか
痴漢とはバカ者がする行為という一応自覚を提示されてから物語に入っていくスタイルなので
けして肯定はしていませんよという意思表示なのかと思った。

それでもやはり執拗に痴漢シーンが長いので直視するのが辛かったけど、
石川は不思議と下心を感じないというか
彫刻を作る為に実際の肉体に触れて
肉付きや骨格を確認し
それらを作品に落とし込んでいるだけのように最終的には見えた。
まあ同意なく他人の体に触っている時点で芸術もなにもないか。
贔屓目入ってるかもだけど、
平たく言えば嫌らしさを感じない芝居という印象を持った。


エレベーターガールの京子はそんな石川の手に溺れていくのだけど、
好きな人だったらまだしも
全く知らない人に突然触られて
っんな声出すほど感じることあるんかいなと思いながら、
恍惚とした表情を浮かべる美人&絶妙な裸体がこの映画の見所とされているのかなと思った。

京子を演じた大竹一重さん
初めてこの作品で知ったけど、
90年代当時 Vシネマの女王と呼ばれていたとのこと。
大胆に脱いでいるのに不思議と上品さが保たれている所が魅力に感じた。

もう一人胸を晒して濡れ場をするキャラクターがいて、
それは石川に思いを寄せながら かわされ続けている女子高生 佳代(三浦綺音)

石川の家に訪れたりして何度も迫るけど
さらっとひんやり線を引かれてむくれたり、
美術室の机の上で同級生の男子と致したりと
大胆で我の強さを感じる子だった。

多分高校教師が流行って時間がそんなに経ってない、
未成年の援助交際も流行っていたらしい時期だったから取り入れたキャラなのかなと思ったり。

他に京子の彼氏役には前田耕陽さん、
石川にひそかに思いを寄せる教師役には梅垣義明さんと、それなりにサブキャラクターも話に絡んでいた。


尾美さんの芝居を好きにならなかったら
多分一生観ることはないタイプの作品だったし、
今の時代 創作でも炎上しそうな危うさを孕んでいる気がした。

でもメインに実力のある役者をキャスティングし、
90年代の表現の緩さと 所々撮り方にこだわりを感じるVシネマだった。



この予告のナレーションのテンションがまた…
タイトルやパケもだけど伝え方って大事だな~。
でも求める層に向けた伝え方だとも感じた。

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