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日テレドラマ 『ギネ 産婦人科の女たち』を13年ぶりに観た感想

2009年に日テレの水曜ドラマ枠にて
全9話 放送された今作。

子どもの頃から医療ドラマが大好きで
このドラマも興味を持って当時リアタイしていた。
産婦人科をテーマにした作品を観るのは これが初めてだったこと・登場人物や展開が非常に強く印象に残っていて忘れられない作品の一つだった。

なので定期的にまた見返したいなと思いながらも Huluや各配信サービスではお目にかかれず、
DVD-BOXは廃盤になっていて中古のみで
長年買うかどうかずっと迷っていたけれど
ついに購入するに至り、
久々全話視聴したので感想を綴っていく。

【 ざっくりあらすじ 】

産科医 柊 奈智(藤原紀香)は 一匹狼気質の性格で
日々妊婦と胎児の命を救うことだけを考えるあまり独りよがりになることが多々あり、
チームワークが求められる産科病棟の中でやや疎まれながらもその技術はかわれている。
新しく産科に配属された 玉木 聡(上地雄輔)は
そんな柊の指導に振りまわされながも経験を重ねていく。
寝る暇も食事する暇もないほどに過酷な労働環境の中で、懸命に従事する医師・助産師たちのプライベートの悲喜こもごもも含めた群像劇___


【 DVD-BOX内容 】

5枚ディスクがあるうちの4枚は本編1〜9話 収録、

そして1枚はスペシャルディスクとして

·スピンオフミニドラマ
·第9話未公開シーン
·ドキュメンタリー
·PRスポット集
·インタビュー集
(藤原紀香、上地雄輔、松下由樹、中村橋之助、内田有紀、國村隼)
·放送直前スペシャル特番
·クランクアップ記念ビデオ(実質NG集)
·クランクアップ集

さらにブックレット一冊が収録されている。


【 まだ珍しかった産婦人科ドラマ 】

脚本家の大石静さんの放送当時のブログが残っていたので読んでいたら、
医療ドラマの金字塔と言われている『ER』の産婦人科版をイメージして書いたとのこと。

まだ『ER』視聴途中だけど 長回しで次々に登場人物たちが会話したり、患者に対応する時の疾走感など たしかにその要素は微量に感じられた。


今でこそ『コウノドリ』や『透明なゆりかご』と日本のドラマで産科が描かれているけれど、
2009年当時は産科テーマの連続ドラマは珍しかったとのこと。

ただ主人公が過去のトラウマからとはいえ
かなりひと癖ある、万人に愛される系のキャラクターではなかった分、
他の人の感想を遡っていると「こんな産科医いない!」「あり得ない展開」などと厳しい意見があったのかなと思った。

特典ディスクには実際に藤原紀香さんが昭和医大へ研修に行ったドキュメンタリーがあったり、
現場の声や当時の制度に言及するセリフを脚本に取り入れ、
実際の医師の監修のもと 10時間近く時間をかけて手術リハーサルをしたりなどと
けして生半可で作られたドラマではないと感じた。

社会派ドラマってどれだけ取材をして本物に近いように魅せられるか、
ドラマとして飽きさせずに魅せられるか、
そのさじ加減が大変そうだなと素人ながら思った。


【 様々な症例、妊婦、胎児、家族 】

全話を通してメインで描かれているのは
徳本 美和子(西田尚美)が フォン・ビレブランド病 という、血が止まりにくい病気(のちに判明)で出産後に死亡するエピソードで、
小学生の娘(吉田里琴)と新生児を男手一つで育てることになる夫・父親(八嶋智人)の物語が
リアタイ時も、再び視聴でも胸に迫った。

物語も中頃になると、
産婦人科主任教授(國村隼)との子どもを妊娠したのと同時に卵巣がんが判明した元極道で弁護士(内田有紀)が、
子供を産むか産まないか葛藤するという
二人のエピソードも見ごたえたっぷりだった。

また、子宮外妊娠した高校生が激しい腹痛を起こし若くして子宮全摘になるエピソードや
子宮がんで16年の生涯をとじた女の子のエピソードも、
視聴当時13歳と年が近かったので衝撃的だった。

他にも陣痛から痙攣を起こした妊婦、
お腹にいる赤ちゃんが口唇口蓋裂と知らされる妊婦、
アナフィラキシーショックを起こした妊婦、
18トリソミーで産声のない赤ちゃんを産んだお母さんなど、
知らないことばかりでそれぞれの葛藤に触れられた話尽くしだった。


キャラクター・キャストについてはこちら↓


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