子育てに息詰まる前に使いたい親子を変える10の魔法の言葉
「子どもの自己肯定感を高める10の魔法の言葉」
著:石田勝紀
この本を読んだのは去年の秋に差し掛かろうとしている頃で、9歳と5歳の子どもたちへの声がけに悩んでいた。半年経とうとする今、自分が実践できているかも振り返りながらまとめたい。
子どもの自己肯定感を破壊する3つの呪いの言葉
タイトルだけでも怖いけれど、そんな身近に存在する3つのワードがある。
早くしなさい
ちゃんとしなさい
勉強しなさい
この3つのワードはどれも「人から言われないとやらない」自主性を失わせる言葉。インパクトの弱い何気ない3つのワードがマイナス効果を生むという。
この3つの呪いの言葉を極力使わず日常から奪い去れば子どもの心は前向きに変化するそうだ。
子どもと親の時間の感じ方には大きな違いがある。
40歳の親の1時間は10歳の子どもの4時間に相当。
彼らの時間は大人の4倍もゆっくり流れている。
その事実を忘れてはならない。
親の「早くしなさい」がアラーム代わりとなってしまい、子どもは安心して時間を守らずグズグズし、自分から行動を起こさなくなる。だから「早くしなさい」ほど意味のないフレーズはない。納得する。
「ちゃんと」は何が問題か。「ちゃんと」とは一体何か、説明がつかないからだ。
改めて「ちゃんと」とは何か考えると、よくわからない言葉だと実感する。
言っている親も説明できない言葉を言われた子どもはもっと素朴に「?」とわからなくなる。
「ちゃんとしなさい!」は親にとってのみ都合の良いストレス発散用語に過ぎないというから肝に銘じたい。
「勉強しなさい」は言うたびに偏差値が1つ下がるそうだ。
強制されれば前向きな気持ちは削がれるから、学力を上げるのに必要なことはたった1つ。「子どもの心の状態を上向きにすること」これに尽きる。
子どもの心を上向きにするために親がしてはいけない3つのこと
嫌がることを強制しない
イヤミを言わない
怒り続けない
もしも子どもがテストで100点や良い点数を取ったら・・・
❎ 「あなたはエライね!」
❎ 「あなたはスゴイね!」
⭕️ 「いいね!よかったね」
⭕️ 「お母さんは嬉しいな」
「私」を主語にしたメッセージを伝えるのが大事。
親がテストの結果に振り回されて、褒められるために100点を取らなくては=そうしないと親の愛情が得られない と植え付けるのは絶対にダメだ。
親の「教師化」は子どもとの関係をギクシャクさせる。
「スゴイね」「さすがだね」は勉強以外の場でたっぷり使うよう意識したい。
日常で作られた自信は、やがて勉強へのやる気に波及する。
スポーツや図工、楽器の演奏など才能が分かりやすいことでできた時は、褒めておだててどんどん調子に乗らせるべきだそうだ。調子に乗ったら他の分野でも必ず伸びてくる。
もし自分が夫やパートナーからこんなことを言われたら?
➖マイナス
「さっさと料理作れよ」
「ちゃんと掃除しろよ」
「なんで毎日洗濯しないんだよ。するだろフツーは」
「テレビばっか見てないで早く食器洗えよ」
こんな風に言われたらカチンどころか「ブチッ」とくるし、やる気は削がれ、良い気分なんてとんでもないのは明らか。
これは子どもも一緒。
上から目線の命令口調で次々と呪いの言葉をかけられた子どもたちはカチンときて
いるのは明白。
➕プラス
「今日のご飯美味しかったよ」
「毎日掃除してくれてありがとうね」
「いつもふかふかのバスタオルでうれしい」
呪いの言葉とは逆に労いや感謝の言葉をかけたれたら、親でも子どもでも夫でも妻でも誰でも嬉しいもの。
「さぁ明日もがんばろう」と気分上場となり、心は自然と前を向く。
心がプラスで満たされると、やりたくなかったことも「やってもいいかも」と心変わりする。
子どもの才能を伸ばす3つの言葉
たったこの3つで子どもの心は上向き始める。
すごいね
さすがだね
いいね
木登りなどの意味のなさそうなことをやって「すごいね!」の方が自己肯定感を引き上げ有益だそう。
一生懸命に褒めるのはNG。
この3つのワードは軽く明るくさりげなく言うのがポイント。
褒めるのではなく、徹底的に認める。これが大事だそう。
大袈裟だったり、わざとらしいのは嘘くさい演技として子どもは簡単に見破ってしまう。
親や周囲に「あるがままを認められた子ども」はますますみんなに認められようと楽しい努力を重ねる。
ちなみに、「すごい」「さすが」「えらい」は勉強については使用厳禁だそうだから注意したい。
些細なこと、しょうもないことほど実は絶好の「褒めポイント」だと覚えておきたい。
子どもの心を満たす3つの魔法の言葉
ありがとう
嬉しい
助かった
たくさんの小さな頼みごとを子どもにしてみると良いという。そうすれば感謝の気持ちを言葉にする機会が増える。口先だけでなく、心を込めて「ありがとう」を。
「助かった、ありがとう」「運んでくれたの?ありがとう。嬉しい!」などは、さらにgoodな声がけだそう。
もしも子どもが、お年寄りに席を譲ったら・・・
「お母さんはすごく嬉しかったよ」 > 「えらかったね」「いいことしたね」
ポジティブな想像も広がり、子どもは誇らしさを感じる。自分(お母さん)自身のプラスの気持ちを伝えることが大事。
子どもの自尊心を育てる2つの魔法の言葉
なるほど
知らなかった
大人が知らない世界について面白がって興味を示すことが、「子どもの大人化計画」の第一歩。
やることがあって子どもの相手ができない時は、
「ごめん、今忙しくて聞けないから後で聞くね」と最初に謝ってしまう。
そしてその約束は必ず守る。子どもが忘れちゃっていたり、「もういいよ」と言われてもガッカリしたりイラつかないこと。
心を強くする魔法の言葉=「大丈夫」
心配事は90%起こらない。悩み、恐怖、不安といったネガティブな感情の炎を鎮火させる言葉が「大丈夫」。さらりと軽く使うのがポイント。
「絶対大丈夫!」「きっと大丈夫!」は厳禁。「絶対」をつけると相手に必死さが、「きっと」をつけると失敗の可能性を引きずる。
失敗しても大丈夫だよという意味も込めて、たくさんのチャレンジを後押しする言葉。挑戦する精神と楽観的視点を植え付ける。
入学試験や発表会の本番前に「大丈夫」という言葉は使わないようにするのも要注意。真逆のことをやるのがおすすめ。
一緒に遊ぶ、美味しいものを食べに行く、一緒にゲームをする、カラオケに行く、散歩をする。=リラックスできることなら何でもOK。気持ちが楽になることを一緒にやってみるのが良いそうだ。
指摘する時のマジックワード=「らしくないね」
本来の「あなた」を認めているから出てくる言葉。受容の言葉。
一言、冷静に「らしくないね」と1回ピシャリと言う方が響く。
・兄弟喧嘩で暴れる
・癇癪を起こしてモノに当たる
・暴言を吐く
・友達や先生の悪口を言う
・意地悪をする
・約束を守らない
こんな時は「らしくないね」と一言が効果的。
「どうしたの?」「なぜ?」などと一緒に使っては絶対にダメ。短いフレーズであるからこそ相手に余韻を残す。「どうしたの?」は子どもが落ち着いたら改めて聞いてみる。
親がハッピーであるために何をすべきか
親の心が満たされてハッピーであれば、お母さんは不安の目ではなく楽観の目で子どもを見るようになり、干渉しなくなるそうだ。
だからこそ、親の心が満たされるワクワクする時間を持つことが重要だ。
自分が楽しく生きている人は、他の人のことは気にならなくなる。
家庭は安心できる場所となり、自分らしい才能を発揮できる場となる。親が先に人生を楽しんで幸せになってしまえば、子どもは自ずと幸せになる。
自戒を込めて改めて振り返り、綴ってみると学びが多い1冊だと実感が深まる。
「早くしなさい」「ちゃんと〜」「勉強しなさい」は本を読んでから夫婦でほとんど使わなくなった。子どもたちにもそれが悪き言葉であることを伝えたので、間違えて使った日には指摘がくる。
自分が言われて嫌な言葉、腹立つ言葉をこれまで私自身もイラついて子どもに使ってしまっていたと反省する。
子どもに干渉して色々言う前に、自分が今後の人生をどうしたいのか、もっとワクワクしながら考える時間を作ること、それが今の私には最も必要な気がする。
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