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ロンドンで働いて感じる移民のもろもろ

イギリスは移民大国と言うのをロンドンに住んでいると本当に肌で感じます。ワーキングクラスにいるとなおさらです
今回はロンドンで働いてみて感じた移民に関するもろもろを書いてみようと思います


1.移民の多さ

まず、ロンドンを南北に通る、地下鉄NothernLineなんか使っていると外見が様々なのはもちろん、スペイン語等英語以外ばかり聞こえてきます。そもそも白人の乗車率とか30%くらいじゃないかな。
(チェルシーケンジントンを通るDistinctLineになるとまた変わる)

旅行でイタリア、クロアチア、スロベニア、ベルギー、ドイツ、オーストリアとまわりましたが、圧倒的にこのなかだとロンドンの見た目の多様性は高いと思います(ロンドンの次はブリュッセル)
私が前に働いていたレストランのキッチンの同僚はアルバニア、イタリア、ハンガリー、中国、パキスタン、ポーランド、インド、少しイギリス人、ウェイターだとメキシコ、ボリビアなど・・・あとキッチンポーターはアフリカが多かったかな
本当に多国籍でそしてイギリス人は少なかったです。General Managerは金髪でおそらくイギリス人かなという感じでしたが・・・移民が多いというかもはやイギリス人がレアでマイノリティです

ところでボリビアの子は最初ボリビアからスペインにいったあと、ロンドンのほうが仕事の状況がいいからロンドンにきたと言っていました。確かにスペインはあまり雇用の数字が良くありませんね。(ボリビアはスペイン語圏です)物理的に遠いし、公用語も英語ではないですが、ロンドンにはなぜか南米の方が結構います

そしてとある美術館のカフェにいくと、インド料理でもないけれど、見える範囲のスタッフ全員インド系でした
ちなみに今現在のロンドンの移民数統計などは見つけられていないのですが、イギリスの移民流入数は(2022-2023)120万人の移民流入(一方で 50 万 8,000 人流出で、純流入数は67 万 2,000 人)ほとんどは非 EU 国民 (96 万 8,000 人) で、次に EU 国民 (12 万 9,000 人)

イギリスへの移民流入の上位5つの非EU国籍は、インド人(25万3,000人)、ナイジェリア人(14万1,000人)、中国人(8万9,000人)、パキスタン人(5万5,000人)、ウクライナ人(3万5,000人)
Office for National Statisticsのサイト より
ウクライナ以外イギリスの植民地だった国ですね
ともかくインド・パキスタン系が多く、周囲にいる人の体感ともあいます。中国人はいることはいますがそんなにアジア系自体が街中で多くいる印象は受けません(香港はイギリス領土だったのに)
しかしアメリカに入国を試みている中国人のニュースも最近ありますし、近年中国では英語圏への流出が活発なのかもしれませんね


2.ビザ

私はYMSですが、20代のパキスタンの子はこちらの大学を卒業したあと別のレストランで働き始め、ビザが必要になったので、ビザサポートをしてくれる私と同じレストランにやってきたとのことでした。私もYMSのビザが切れたあと、残りたければビザサポートするよと言われました。オフィスジョブでなくてもビザスポンサーになってくれる企業はあります
また、とあるミシュランレストランにトライアルにいったとき、面倒を見てくれたインド人の子は、エージェントを使ってこっちにきたと言っていました。私も就職したとき、同僚にどこのエージェンシー使ったのって聞かれたし(実際にはYMSでビザもってるからindeedから応募しただけ)、イギリス人がつきたがらないような仕事はエージェントがビザ含めて海外から人を連れてきているということがあるのかもしれません

数字でいうと2022年度は非EU長期移民のビザの内訳は仕事33%、勉学39%です。
いずれのビザも2020年からはじまったSkilled Worker" and "Skilled Worker - Health and Care" visas やGraduate visa(卒業した後2年間働ける)の影響があるかもねとのこと

Office for National Statisticsのサイト より

インドでは海外渡航支援のエージェントがかなり活発だったりするのかな?


3.人種差別に関する教育や広告と意識

英語が理解できず2度pardon?を言ってしまうと溜息をつかれる、というような言語面での厳しさはありますが、それぞれの階級で差別を受けずに働ける環境は整っているし努力されていると思います
まず、イギリスでは以下の差別の禁止が法律で定められています。
年齢、障害、性適合、婚姻及び市民的パートナーシップ(同性婚)、人種、宗教・信条、性別、性的指向

そして採用広告に以下のように書かれていたりすることにはじまり
XX is committed to being an equal opportunities employer, and encourages applications from candidates regardless of sex, race, disability, age, sexual orientation, gender reassignment, religion or belief, marital status, or pregnancy and maternity status.
レストランに就職した際には対面でのHead Officeによる1日入社案内で、レストランらしくアレルギーの講習に加え、「何について差別してはいけないのか」があり、そのうえでオンライントレーニングのコースでDiversity&Inclusiveがありました(セクシャルハラスメントなどもある)
セクハラのコースについては、ここはイギリスでボディタッチが日本よりありがちなため、例えば肩もみをされたとしても、それはセクハラといえるかは微妙ですとか慎重に対処するようにとか弱い調子で書かれていたのですが(日本人としては微妙な気持ち~)人種に関するものに対しては、例えそれが自分へではなく他人に放たれた言葉であってもすぐに”Speak up!!”と、ともかく見過ごしてはならないという強い調子で書かれていました
実際、キッチンポーター(洗い物や掃除をしてくれる)や公共施設のクリーナーが目に見えて有色人種ばかりであるなど気になることはあるのですが、働いていて人種関連で嫌なことは基本的にないです。というか、特にワーキングクラスだと移民だらけだし、ロンドンにおいて有色人種を差別すると場がまわらないというか、お互いがうまく生きていくためにこの法律やそれにそって生きていくことが必要だと思われます

イギリスは階級社会とよくききます。アッパークラスのことはよくわかりません。見た目や出生がそうでないとそもそも採用されないとかあってそれで移民との共生をしているとかあるのかな?知らないです

次回は移民が払う税金や、世論とそれに伴う今後の政策動向、ロンドン外での様子について書こうと思います。ちょうどスナク首相がルワンダに不法移民を船で送り返そうとしていますね。また去年から彼は純移民60万人は多すぎると発言しています


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